「ライブに通って得た感覚が忘れられない」梶原岳人がバンドにこだわる理由とは……? 2ndシングル「色違いの糸束」発売記念インタビュー後編

2022年07月22日 10:000

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現在放送中のTVアニメ「オリエント」第2クール、淡路島激闘編のエンディングテーマ「色違いの糸束」(2022年7月20日発売)を担当する梶原岳人さん。

 

1stシングル、ミニアルバムの発売、ワンマンライブを経て「より音楽が好きになった」と梶原さんは語る。

本作でも生音にこだわり、バンドサウンド、ストリングスなどすべて生演奏で収録、歌の感情の機微を引き出している。ライブが好き、生音が好き、バンドが好きという梶原の音楽のルーツについて、また今後の音楽活動への思いや自身にとって音楽とはどういう存在なのかを教えてもらった。

【チェキプレゼント】楽曲アレンジ、間奏の展開まで意見を交わし、イメージを共有した──梶原岳人こだわりのレコーディング裏話を語る!2ndシングル「色違いの糸束」発売記念インタビュー前編 

 

── ライブで歌うことをイメージして制作した「色違いの糸束」。「『オリエント』感謝祭 2022 Summer」でのパフォーマンスを経て、自分のライブでこの楽曲を歌うイメージなどは浮かびましたか?

 

梶原 次のライブでという想いは強くあります。理想としては、自分が制作した楽曲などもやれたらいいなと考えています。ずっとバンドをやっていたので、マイク1本でパフォーマンスするという経験があまりなくて……。今後は、楽器を持ってステージに立つことができたら、バンドの時の感覚を思い出すこともできるし、自分にフィットする気もしています。もしチャンスがあるなら、バンドを携えてライブをやりたいという思いは強く持っています。

 

 

── 梶原さんが思う生楽器のよさとは?

 

梶原 弾く人のクセみたいなところも含めて魅力だと思っています。大きく言えば、その人が経験してきた人生に基づく音が出る気がしています。もちろん打ち込みでも、生で録ったものを実際に出力してという作り方もできるのですが、人間の温かみや、魂的な部分というのは生演奏でしか伝わらないものがあると思っています。比べてみたら、サウンドとしては同じように聴こえても、僕個人としては人間的な部分を感じたいタイプなので、機械音で“すん”と終わらせるような曲であってほしくない。役者としてキャラクターに魂を吹き込むために心を燃やしてやっているからこそ、楽曲からもそういうものを感じてほしいという思いがあります。だからこそ、生音にこだわってしまうのかもしれません。

 

 

── 生音へのこだわりはいつ頃から持っていたのでしょうか?

 

梶原 梶原岳人として音楽活動を始める前から、それこそバンド活動を始めるずっと前から持っていたと思います。バンドを始める前から、ライブハウスやホール、スタジアムなどさまざまな場所でのライブに足を運んでいました。中学生くらいから通い始め、高校、大学とアルバイトをして自分でお金が稼げるようになってからは、その数はどんどん増えていきました。会場でしか感じられないものがめちゃめちゃある、という思いはその頃から持っていた感覚なのかもしれません。

 

── 生音のよさを、梶原さんの心に刻み込んだ最初のライブの思い出は?

 

梶原 Mr.Children(以下、ミスチル)です。中学生で初めてツアーに参加してからは、ほぼすべてのツアーに行っています。配信などで視ることもあるのですが、やっぱり会場に行きたいなという思いに駆られます。ピコピコ音というのでしょうか、ダンスミュージック系はあまり好んで聴くことはなく、普段聴く音楽も足を運ぶライブもバンドものが大半を占めています。

 

 

── 聴くのもやるのもバンドがいいというのは、ミスチルの影響ですか?

 

梶原 間違いなくそうだと思います。中学生くらいのときにアルバム「HOME」を聴いて、「Mr.Children DOME TOUR 2009 SUPERMARKET FANTASY」あたりのライブから参加しています。今でも覚えているのは、ライブで感じた音の衝撃。そもそもそんなに大きい音で音楽を聴いた経験がなかったので、体全体で感じた音のすごさには言葉では言い表せないほど驚きました。心臓が揺れるような、お腹の奥にズンとくるの音を感じたことに衝撃を受け、リアルサウンドと音を浴びる魅力にハマっていきました。

 

── パーソナルな部分を感じる楽曲に惹かれがち、というのもミスチルの影響があるのでしょうか?

 

梶原 それこそ今回のカップリング楽曲「あの日が未来だった君へ」では、僕自身はすごく想像を掻き立てられる部分がありました。たとえば、超日常的な部分なのですが「♪午後の天気みたいに 予測不能なのも そんなに悪くはないさ そう思えたなら」というフレーズは結構好きだなって思いました。ミスチルの歌詞にもこんなのあったなと、自分が親しんできた歌詞に近い部分があったので、よりこの楽曲が好きだと感じたのかもしれません。

 

 

── 今後アーティストとしてやっていきたいこと、イメージしていることはありますか?

 

梶原 いつも思うのは、アーティストとしてやっているときには、「この人、声優の人だよね」と思われなくていいということ。もちろん、自分のメインの活動としては、役者・声優としてやっていくことは間違いないのですが、音楽活動をしているときは、音楽性や歌い方、楽曲の世界観などに興味を持ってもらいたいという気持ちがあります。もちろん、声優・梶原岳人が好き、僕が演じたキャラクターが好きというきっかけでアーティスト・梶原岳人に興味を持っていただくことはありがたいこと。

逆に、僕の音楽から、僕が声優として参加している作品に興味を持ってもらえるのもとてもうれしく思います。

でも、姿勢としては、アーティストとして立つからには、すべてを切り離して「音楽をやっている人」としてありたいと考えています。自分がライブに通い、バンドマンのカッコいい姿を観て得た感覚的なものからくるので言葉にするのはとても難しいのですが、あくまで理想と前置きして言うなら、いろいろな側面をとっぱらって、純粋に音楽を楽しんでほしいという思いがあります。

 

── だからこそ、先ほどからお話に出ている制作でのこだわりがあるように感じます。ルーツを大事にして、その思いがブレてないという印象を受けます。

 

梶原 そうありたい、と思っています。多少頑固と言われても、自分の名前で音楽をやる以上は、音楽に対する思い、音楽からもらった衝撃、感覚は忘れずに、ブレずに持ち続けたいです。

 

 

── 梶原さんにとって音楽とはどんなものですか?

 

梶原 音楽には自分を奮い立たせる力のようなものがあり、背中を押してもらうために音楽を聴くという方も多いと思います。自分の性格はどちらかというとネガティブなので、音楽で自分を奮い立たせる部分も大いにあると思います。だからと言って「これを聴いてがんばるぞ」みたいに、構えるものでもなく、僕にとっての音楽は、日常的にずっと近くにあったもの。生まれた頃から音楽に囲まれる環境にあって、「この楽曲に元気をもらった」みたいなことではなく、「何か聴こうかな」と自分から触れに行くものでもありません。生活の中に当たり前にあったものなんです。例えて言うなら、息をするのと同じような感覚です。生活の一部なので、なくなったら何もできなくなるような気がしています。それくらい、音楽は僕には欠かせないものだから、これから先も永遠に音楽を聴き続ける生活を送るのだと思います。僕の音楽も、聴く人にとってそういうものになれたら最高にうれしいです。

 

── 最後に、8月に開催される「Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-」初出演への思いもお聞かせください。「オリエント感謝祭」やご自身のライブとはまた違うステージ、客層でのパフォーマンスとなりますが……。

 

梶原 さいたまスーパーアリーナは、それこそミスチルのライブを観ていた場所なので、実際の規模感は知っています。観る側からの風景、心情も体験済みです。「こんな大きなところでライブをする人になりたい」という思いを抱きながらライブに参加していた身としては、とても感慨深いものがあります。フェスのような形で、いろいろなアーティストのファンがいる中で、自分の曲をパフォーマンスできることは、ステップアップのためのひとつ大きな道標になることは間違いありません。少しでも、聴いてくださる方の心に残るようなものが出せればいいなと思っていますし、「梶原岳人のライブにまた行きたい」と思っていただけるようなものを出すつもりでいますので、期待してください!

 

 

(取材・文/タナカシノブ、撮影/金澤正平)

 

【CD情報】

■色違いの糸束/梶原岳人
・発売中

<CD+Blu-ray>
・価格:2,530円(税込)

CD
01.色違いの糸束 ※TVアニメ「オリエント」EDテーマ
02.あの日が未来だった君へ
03.色違いの糸束-TV ver.-
04.色違いの糸束-Instrumental-
05.あの日が未来だった君へ-Instrumental-

Blu-ray Disc
01.色違いの糸束 -Music Video-
02.色違いの糸束 -Off Shot Movie-

<CD only>
・価格:1,430円(税込)

01.色違いの糸束 ※TVアニメ「オリエント」EDテーマ
02.あの日が未来だった君へ
03.色違いの糸束-TV ver.-
04.色違いの糸束-Instrumental-
05.あの日が未来だった君へ-Instrumental-

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(C) 大高忍・講談社/「オリエント」製作委員会

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