癒やしの海洋探索アドベンチャー「フォーエバーブルー ルミナス」レビュー 美しい海でのんびり自由なダイビング!

2024年05月07日 18:000

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2024年5月2日、「フォーエバーブルー ルミナス」が発売となった。本作は「Nintendo Direct ソフトメーカーラインナップ 2024.2.21」で発表され、注目を集めていたタイトルである。発売を心待ちにしていたプレイヤーも多いのではないだろうか。今回はそんな本作を実際にプレイしてのレビューをお届けしていきたい。

舞台は神秘の海域「ベールド海」! 潜るたびに姿を変える謎多き海でダイビングしよう!


「フォーエバーブルー ルミナス」は、Wiiで2作品が発売されたダイビングアドベンチャーゲーム「フォーエバーブルー」シリーズの最新作だ。前作「FOREVER BLUE 海の呼び声」は2009年発売であるため、今作はなんと15年ぶりの新作となり、先述のNintendo Directでの発表は多くのシリーズファンを大いに驚かせた。

 

 

「フォーエバーブルー ルミナス」は、ダイバーとなって神秘的な海の中を自由気ままに探索する、ダイビングアドベンチャーゲームだ。舞台となるのは、潜るたびにその姿を変えるという謎多き海域“ベールド海”。このベールド海でプレイヤーは、500種類以上もの海洋生物たちを観察したり、お宝を発見したりすることとなる。

 

 

本作の基本となるゲームモードは、オンラインマルチプレイが楽しめる「みんなでダイビング」、ソロでのプレイが楽しめる「ひとりでダイビング」、そしてゲームの操作などを覚えながらストーリーを楽しめる「調査本部」の3つがある。ゲーム序盤は、チュートリアルを兼ねている調査本部を遊ぶのがオススメだ。調査本部では、この海の源である巨大サンゴ「世海樹」に進行している原因不明の黒化現象を食い止めるため、プロジェクト「Aegis」の一員として活動していくこととなる。

 

 

「調査本部」各チャプターにおけるプレイヤーの目的は、ナビゲーションAIの「SerA(セラ)」のサポートや、先輩ダイバー「ダニエル」の協力を受けたりしながら、提示されるミッションをクリアすること。海での移動方法、魚に注目する方法、海底に光る宝物のサルベージのやりかたなど、本作をプレイするうえでのチュートリアルを兼ねており、一つのチャプターはおおむね数分のプレイで完了できるようになっている。各チャプターはそれぞれ解放条件があるので、「みんなでダイビング」や「ひとりでダイビング」をプレイして条件を満たし、解放を目指そう。

 

 

海洋生物の観察、マップの探索、お宝探し……。盛りだくさんの遊びを自分のペースで楽しめる!


ダイビングでは、自由気ままに泳ぎながら海域を調査していくこととなる。
ダイビングゲームといえば酸素の残量であったり、凶暴な海洋生物に襲撃されたり、といったスリリングな要素連想しがちだが、本作にはそういった行動を制限するような要素はなく、まさに文字どおり自由なダイビングを自分のペースで楽しむことができるのだ。さらに、ダイビングには決まった目的や達成すべきクリア条件などもないので、何にも縛られることのないまったりとしたプレイを満喫できる。操作方法もシンプルで、複雑な操作を必要としない点も遊びやすいポイントだ。


ゲーム的な目的やゴールがないとは言え、本作にはやれることがたっぷりとある。たとえば、海洋生物を観察したり、マップの踏破率100パーセントを目指してみたり、まれに海底に沈むお宝や古代文明の痕跡を探してみたりといった具合だ。もちろん、ただひたすら海の中をあてもなく泳ぎ回ったってかまわない。この圧倒的な自由度の高さが本作の醍醐味である。透明感のあるBGMや環境音、ときおり聞こえる海の中の生き物の鳴き声なども相まって、非常にリラックスした、いわゆる“チル”な時間が味わえる。

 

 

特殊な海域であるベールド海は、海の生き物だけでなく、河川の生物や深海生物、アンモナイトなどの絶滅した古代生物や現実には実在しない本作だけのオリジナル生物など、バラエティ-に富んだ生物が棲んでいる。プレイヤーはこれらの生き物を調査することができるが、その方法は非常にシンプルで、Lボタンを長押しして調べたい生き物に注目するだけだ。

このアクションを本作では「アンベール」と呼び、アンベールした生き物のデータは図鑑に登録されていく。未発見の生き物と出会うワクワク感から、どんどん探索して次々にアンベールしていきたくなる中毒性が味わえる。ちなみに、魚群など、生き物が密集しているところでは一気に複数体をアンベールすることも可能。生き物から発せられた光が吸収されていく演出とも相まって、独特の気持ちよさがクセになる。

 

 

アンベールした生き物のデータは図鑑に登録されていくが、この図鑑の内容がなかなか詳しく、読み応えのあるものになっている点も注目したい。生き物の生息環境や身体的特徴、何を食べるかなど、まさに図鑑と呼ぶにふさわしいさまざまな情報が書かれているので、知識欲が満たされるとともに、すべての生き物のデータを読みたいという収集欲も刺激される。また、ゲーム内での総発見数や、発見した最大サイズ・最小サイズも記録されるので、やりこみ要素としても機能している。

 

 

ダイビング中の要素として「連れ泳ぎ」というものがある。これは、その名のとおり、発見した生物を連れて一緒に泳ぎ回ることができるというもの。これによって何かが有利になるなどゲーム的な利点は特にはないが、キレイな魚たちや巨大な生物を引き連れて海中散歩をするのは単純に楽しく、後述するオンラインマルチプレイでほかのプレイヤーの目を引くこともできるだろう。ただし、最初からなんでも連れ泳げるわけではなく、プレイヤーの「連れ泳ぎコスト」の範囲内で、という制約がある。連れ泳ぎコストは、調査を進めてランクを上げることで徐々に増えていくので、ゲームを繰り返し遊ぶモチベーションとしても機能しているように感じた。

 

 

ダイビング中には、「緊急ミッション」が発生することがある。これは、特定の生物を一定数アンベールすることで達成でき、自由気ままなダイビングに刺激を与えてくれるミニゲーム的な存在となっている。とはいえ、必ずしもミッション達成を最優先にする必要はなく、あくまでも「やりたければやる」「海中散歩がてらにできたらやる」ぐらいの温度感でも問題ない。やれることはたくさんあっても決して強制はしないという、プレイヤーの自由を縛らないこの緩い感覚が非常に心地よく、本作の大きな魅力となっている。

 

 

オンラインで世界のダイバーと緩くつながれる「みんなでダイビング」が心地よい!


先述のとおり、本作には「みんなでダイビング」と「ひとりでダイビング」といったモードがある。広い海域をソロで探索する「ひとりでダイビング」も楽しいが、筆者的にはオンラインマルチプレイが楽しめる「みんなでダイビング」がイチオシだ。

やることは基本的にソロでもマルチでも変わらず、海域の自由な探索や生物の調査だ。だが、「みんなでダイビング」はその名のとおり、同じ海域に最大10人(セッションコードを共有することで最大30人まで)のダイバーと一緒にダイビングを楽しむことができる。この「みんなでダイビング」では、自分を含めてすべてのダイバーが、それぞれが異なる場所から探索を開始することとなる。ダイバーが移動すると地図上に記録が共有されていくので、目の前にいなくても自分以外のプレイヤーの確かな存在を感じられる。

 

 

探索中にダイバー同士が近づくと、お互いのキャラクターから光が行き交い、自動的に「シェアラー」という関係になる。シェアラーは、いわば一時的なフレンド登録のようなもの。シェアラーは地図上に位置が表示され、相手のいる場所に即座に移動が可能となるので、遠い場所に行きたいときなどに重宝する。シェアラー同士で一緒にダイビングをするもよし、シェアラーになってもおのおのが自由に行動を続けるもよしで、マルチプレイだからといって必ずしも一緒に何かをする必要がないこの緩いつながりが、ゲーム全体の作りや雰囲気とマッチしていてとても心地よい。

 

 

ダイビング中に巨大な生き物や珍しい生き物、海底に眠るお宝などを発見したときは、小さなアイコンのような「エモートタグ」を付けてシェアラーに知らせることができる。シェアラーが付けたエモートタグは地図上で共有されるので、共有すればするほど、みんなの調査がどんどんはかどっていく仕組み。とはいえもちろん、何かを発見したからといってタグを付けることは強制ではないので、あくまでも自分のやりたいように楽しめる作りになっているのがうれしい。

 

 

たとえば沈没船や遺跡など不思議な場所を見つけたときや、誰かと一緒に散策したい場所があるときは、ジェスチャーを使って近くのプレイヤーとコミュニケーションをとれる。本作にはボイスチャットやテキストチャット機能は存在しないため、このジェスチャーと先述のエモートタグがプレイヤー同士のコミュニケーション手段だ。MMORPGやバトルロイヤルゲームなど、ほかのプレイヤーとがっつりコミュニケーションをとらなければならないオンラインゲームはちょっと苦手という方も少なくないと思うが、本作はその点、コミュニケーション要素がとてもゆるやかなので、オンラインマルチプレイであることを重荷に感じることなく自分のペースで心地よく楽しめる。また、お子様を持つご家庭で自分の子どもがプレイするような場合でも、安心して遊ばせることができるのではないかと思う。

 

 

先述のジェスチャーのほかに、ダイバーのカラーリングや、ボディにデコレーションができるステッカーなどのキャラクターカスタマイズ要素があり、それぞれ調査で得られるポイントを使って購入できる。やりこみながらポイントをためていろいろ購入し、オンラインマルチプレイでほかのダイバーに自己アピールをするのも楽しいだろう。

 

 

本作の海域は潜るたびに姿を変える、一期一会のランダム生成となっているが、海域の80パーセントが明かされると16桁の「オーシャンID」が振られる仕組みになっており、IDを入力すれば一度潜った海に再び潜ることができるようになる。さらに、このオーシャンIDは、共有することで誰かの海を追体験したり、自分の海を誰かに体験してもらうといった遊び方も可能だ。

また、期間限定で特別な海域に向かえる「イベントツアー」が開催されたり、獲得ポイントでのオンラインランキングがあったりと、遊びが豊富に用意されている。総じて、のんびり長く遊び続けられるタイトルになっている。

「フォーエバーブルー ルミナス」で、のんびりチルなダイビングを楽しもう!


というわけで、「フォーエバーブルー ルミナス」のレビューをお届けした。生物の観察や海域の探索、緩くつながれるオンラインマルチプレイなど、遊びが豊富に用意されている中で、“何をやってもいいし、やらなくてもいい”という自由度の高さが心地よく、リラックスした時間を楽しめるゲームであると感じられた。対戦ゲームやRPGなど、がっつり集中して遊ぶタイプのタイトルの合間にのんびりと息抜きをしながら遊ぶのにも向いているだろう。気になる方はぜひプレイして、ベールド海でのチルなダイビングに出かけていただきたい。

  • タイトル情報
  • 「フォーエバーブルー ルミナス」(任天堂)
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 発売日:2024年5月2日
  • 価格:パッケージ版:5,478円(税込)ダウンロード版:5,400円(税込)
  • https://www.nintendo.com/jp/switch/a7lka/index.html

c Nintendo / ARIKA

百壁ネロ

百壁ネロ

ゲーム買いすぎちゃう系ライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「轟運探偵の超然たる事件簿 探偵全滅館殺人事件」(星海社)、「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)など。
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