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「はるのとなり」は、特殊エンディングがうれしかったです
── 12曲目の「Dia vo Lhizer - Lattice mix」は、ゲーム「勇者ネプテューヌ 世界よ宇宙よ刮目せよ!!アルティメットRPG宣言!!」のオープニングテーマです。アルバム収録曲の中で唯一、佐々木さんが作詞も作曲もしていない曲ですね(作詞:高井ウララ/作曲:菅紗佑里/編曲:Lattice)。 佐々木 アルバムには、シングルの3曲目に収録されていたLattice mixのほうを収録しました。Latticeは私が京都でやっていたプログレ・ポストロックのバンドで、私を含めたメンバーでリミックスしたんです。原曲はクラシカルな印象だったんですけど、それをリズムが立った感じにしました。
── なるほど、そこで佐々木さんがしっかり関わっているんですね。Latticeって、何人編成だったんですか? 佐々木 5人です。私がボーカル&バイオリンで、ほかにドラムとベース、そしてピアノが2人いました。
── その全員が「Dia vo Lhizer」のリミックスに関わったわけではないですよね。 佐々木 ピアノのうちひとりとドラムと私です。東京にいたのがその3人だったんです。今回のアルバムでは「BRITISH ROBOT」と「Orchis」にも関わっている鵜飼大幹さんがLatticeのピアノなんです。
── そして、「ゆるキャン△」のエンディングテーマ2曲。特に「ふゆびより」は、多くのファンが佐々木さんの音楽と出会うきっかけになった曲だと思います。 佐々木 そうですね。今振り返っても、いい曲だなって思いますし、一番歌う機会が多かった曲ですね。
── TVアニメ「ゆるキャン△ SEAZON2」のエンディングテーマ「はるのとなり」は、いかがですか? 佐々木 「ふゆびより」の続編みたいな形で、音数的にも言葉的にもよりシンプルに、削ぎ落とした曲になりました。この曲もすごく気に入ってます。原作漫画も全部読んだうえで、最終話の伊豆キャンからの帰り道で、リンちゃんひとりで富士山の前を走っているシーンを想定して歌詞を書いたので、オンエアを見たとき、そのシーンに曲がすごく合っていて、よかったなって思いました。
── より作品の内容に沿って作ったのが、「はるのとなり」だったと。 佐々木 曲は事前に作っていたんですけど、歌詞は作品に寄り添って書くことができました。「ゆるキャン△ SEASON2」は本編に食い込んで「はるのとなり」が流れる特殊エンディングの話数が何度かあって、どれもすごく素敵で。楽曲を生かした演出をしていただけたのがうれしかったです。
── 「ふゆびより」と「はるのとなり」、それぞれのシングルのカップリング曲も、全曲アルバムに収録されています。どの曲もアコースティックな「ふゆびより」「はるのとなり」とは違うサウンド感になっていて、佐々木さんの音楽性の幅を感じさせてくれました。特に「はるのとなり」のカップリング曲だった「Orchis」(オルキス)と「Majstång」(マイストング)はエレクトリックな要素が入っていて、かっこよかったです。 佐々木 「Orchis」(作詞:佐々木恵梨/作曲:佐々木恵梨、鵜飼大幹/編曲:鵜飼大幹、中村ヒロ、佐々木恵梨)は、先ほども言ったようにバンド仲間の鵜飼さんと、「久しぶりに曲を作ろうよ」というところから始まった曲で、彼の曲のストックからリフを送ってもらって、そこに歌を付けて投げ返してというやり取りを重ねて作っていった曲で、最終的には中村さんも加わって、3人でアレンジしました。ミュージックビデオ(MV)も自分たちのチームで一発撮りして。かなり遊びながら、楽しみながら作った曲です。
── 楽曲にも映像にも、自由度の高さを感じました。 佐々木 私は「ゆるキャン△」によって、アコースティックなイメージでとらえられることも多いんですけど、こういうサウンド感も大好きなので、カップリングでは全然違うことをやろうと思いました。
── 佐々木さん、鵜飼さん、中村さんの3人で作ったアルバムの新曲が、「BRITISH ROBOT」です(作詞:佐々木恵梨/作曲:佐々木恵梨、中村ヒロ、鵜飼大幹/編曲:中村ヒロ)。 佐々木 これも「Orchis」と似た作り方で、3人の中でデータを作っては投げ合って、曲にしていきました。最初に1番だけのトラックを中村さんが作って私がそれにメロディを乗せて、鵜飼さんに「この先を作ってよ」と投げて、展開を考えてもらったりピアノパターンを変えてもらったりして、さらに私が手を加えるという流れですね。制作の中で「ロボット」というテーマが思いついたので、それを絵にして2人に渡したら、ロボットサウンドを入れてくれました。
── 中村さんと鵜飼さんは、もともと知り合いではないですよね。 佐々木 私が2人をつなげました。今ではすっかり意気投合して、お互いに「天才だね」ってほめ合ったりしています(笑)。
── ところで、「BRITISH ROBOT」は、なぜブリティッシュなんですか? 佐々木 特に意味はなくて(笑)。歌詞のストーリーも、自由に妄想した中で生まれたものですし、言葉の響きも合わせて付けたタイトルです。最近は、作るときに深く考えすぎないほうがうまく行くなと思うようになってきて、イメージ先行で作ることが多いんです。