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春姫が自分の主張を強く出した、第9話での命とのやりとり
── ヤマト・命とは、かつての身分こそ違いますが幼なじみのような関係性ですね。 千菅 春姫は、命ちゃんに向かってしゃべっているときだけ、今の春姫のテイストとひと味違うんです。口調もだし、どこか等身大というか。今の春姫は「諦めた春姫」じゃないですか。そういう運命を背負い込む前の春姫を知っている人に対して、どうふるまえばよいのか? そんな春姫の葛藤みたいなものがすごい見えますよね。同時に命の、幼なじみとしてはどうしたらいいのか?という困惑と葛藤もあって。でもお互いに大事な幼なじみとして、心の中にずっとあったんだというのも感じられたから、切なくもあり、心の熱量も感じて……。なんていうか、ひと言では言い表せないんですけど。
── そういう複雑な想いを、千菅さんは感じ取っていたんですね? 千菅 そうですね。
── 回想シーンでの命との会話では気さくな口調ですが、現在のシーンではほかの人に対するのと同様に、ていねいな口調で……。 千菅 そうなんですよね。ちょっと距離がある感じで。「命ちゃんにも、そう接するぞ」って心の中で決めたんだろうなって思うと、それも切ないです。「命ちゃんにはわからないよ!」って、第9話に想いをぶつけるシーンがあったんですけど、その気持ちをずっと抱きながら、自分から距離を置いてていねいな口調にするって決めてたんだって思ったら……(すごく哀しげな表情になって、一瞬言葉を呑む)。なんていうか……結果的に、どうなるのか。ままならない運命が切ないなぁって思いました。
── 今おっしゃった、命に感情を爆発させるシーンが、まさに初めてのていねいな口調でない台詞でした。 千菅 春姫がしとやかな品格のある感じにふるまっていたのは、背伸びというか自分でそうするって頑張ってたんだなって思うくらい、この感情を爆発させているときの命との、対等というか心の距離感がなくなった感じのやりとりが、素の彼女なんだなって感じました。
── 春姫が周りに作っていた壁もなくなったような感じもありましたが。 千菅 ああ、それも感じました。それって、ベルくんにもらった心の鍵とはまた全然別のものですよね。昔の屈託ない頃を知ってる人の前で……いろいろともう限界だったんでしょうね。ベルくんには「救われた」っていう感じでしたが、春姫は自分から自分で作っていた壁をぶち壊しちゃった感じでしたから。
── このときは語気が強かったですが、そこで意識されたことは? 千菅 春姫の私のイメージは、「自分の主張を相手に強く投げることはしない」という感じなんですけど、ここは大きく振りかぶって投げきってますね。
── 剛速球で?(笑) 千菅 ええ(笑)。普段の春姫は本当に控え目な感じで演じていたんですけど、本当に剛速球感ある語気の強さだったので、「ああやっぱり、すごく感情を抑えてたんだな」と思いました。そんな「さらけ出す」を意識もしてましたけど、演じている中で自然とそうなった感じもあって。命ちゃんを演じる赤﨑千夏さんの熱量もすごいので、それに突き動かされたところもありました。
── その意味では、赤﨑さんとのお芝居にもすごく刺激を受けたんですね? 千菅 はい、そうです。でも命ちゃんは、本当にいい人ですよね。まっすぐで……。命ちゃんのそのまっすぐさには、私も春姫も影響を受けたと思います。ただ春姫は、そのまっすぐさを受けるのが辛かったんだと思うんです。でもやっぱり、自分を想ってくれるまっすぐさには勝てないな!って。ベルくんも同じで、まっすぐなエネルギーは最後には届くんだ!みたいなところも、この春姫のお話ではすごく感じてるんです。私は、そんな命は、本当にかわいくていい子だなぁ!って。乙女だし!(しみじみ) 本当に、そういう人が幼なじみでよかったなぁって。そんな風に見てました。