【インタビュー】「私」を構成する11曲です──沼倉愛美が2ndアルバム「アイ」をリリース

2019年02月19日 12:000

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ジャケット写真のテーマは「何もしていない私」です


── 6曲目は「Don’t back」。この曲のテーマはなんだったのでしょう?

沼倉 「情熱、闘志、負けず嫌い」です。

── アルバムの流れとしては、この曲から8曲目の「夜と遠心力」までがもっとも激しいゾーンですよね。

沼倉 はい。でも、「Don’t back」は静かに燃えている感じですね。レコーディングをしたのがアルバム制作の最初の頃だったので、完成版を聴くまでに時間があいて、改めて聴いたら、めちゃめちゃいい曲だなって思いました。

── 作詞は松原さらりさんです。葛藤を抱えつつも、前に向かっていく姿が描かれた歌詞ですよね。

沼倉 楽曲との親和性が高くて、いい歌詞だなと思いましたし、情景描写によって都会の風景が浮かび上がってきました。私としては、「涼しい顔をして生きていても、一番って嬉しくない?」「誰だって一番になりたい気持ちはどこかにあるんじゃないかな?」という思いを歌いたくて。言葉にすると生々しいことなんですけど、それをかっこつけずに伝えたかったんですよね。

── 7曲目にシングル曲の「Desires」が入っていて、続く8曲目が「夜と遠心力」。どちらもインパクトの強い曲ですね。

沼倉 「夜と遠心力」は、「孤独、憎しみ」がテーマです。この曲は難産で、最初はオシャレな、「グッバイ」寄りの感じの曲が上がってきたので、「もうちょっと泥臭くしてほしいです、ドロドロした、汚いものを歌いたいんです」とお伝えして、まるまる作り直していただきました。自分の中の一番ダークな部分というか、安定しない精神を表現したかったので、ちょっとうるさい違和感のあるノイズを入れてもらったりしています。今までとは違うアプローチで作れた曲で、時間をかけた分クオリティを高めることができました。

── ダークファンタジーの要素があって、この曲が好きになる人は少なからずいるように思います。

沼倉 聴いてくださる方によっては、強く心に引っかかる曲になったと思います。作詞の國土佳音さんは、残念ながら制作期間中にお会いすることがかなわなかったんですけど、すごくいい詞を書かれる方だなと思いました。

── ボーカル的には、Aメロのやわらかな歌い方が印象に残りました。

沼倉 デモの段階からささやくような歌い方で、今までにない感じでいいんじゃないかとプロデューサーも言ってくれました。

── 9曲目「まどろみ」は、一転して穏やかな曲です。

沼倉 6曲目から8曲目で感情を出し切って、落ち着いたという感じです。この曲のテーマはタイトル通り、「まどろみ」です。極端な言い方をすれば、退屈な曲を作りたかったんですね。ほかの誰に向けてでもない私だけのための、夢と現実の狭間を気持ちよくたゆたっている、ある意味、眠気をもよおすような曲になりました。アコースティックギターの音が好きなので、その音色をたっぷり入れていただきました。

──  歌詞には、まどろんでいる午後の風景が描かれていますが、眠っている主人公のそばには誰かがいるかのような気配があります。

沼倉 夢の白い世界からふっと目覚めたときに、思い浮かぶのは誰のことだろう、みたいなふわっとしたイメージをそのまま歌詞にしていただいて、とても気に入っています。タイトルだけ、最初は「dreaming」だったんですが、「まどろみ」に変えさせていただきました。アルバムのジャケット写真は、「何もしていない私」「誰も見ている人がいない時の私」をテーマに撮っていただいているのですが、この曲の雰囲気が、それに近いかもしれません。

── 10曲目の「SWAY」は、ピアノをフィーチャーしたノスタルジックな曲です。やさしく穏やかなバラードと言ってもいいですね。

沼倉 「当たり前の日常にある幸せ」がテーマです。最初はバラードを入れる予定はなかったんですけど、楽曲がある程度出来上がってきて並べてみたときに、1曲はあってもいいんじゃないかということになり、作っていただきました。テーマ通り、なんてことない日常が、楽曲に表現されていて、いいなと思いました。歌詞も、ただ2人で手を繋いで帰るという内容です。

── なんでもないことだからこそ感じる幸せってありますよね。

沼倉 それが続いていくことが、とても素敵なことで、大事にしなきゃいけないなという気持ちになりました。

── そして、ラストはタイトル曲の「アイ」で盛り上がって終わっていきます。

沼倉 曲順は私が決めさせていただいたんですけど、1stアルバム「My LIVE」のときのようには悩まなかったですね。ちょっと考えたのは、「グッバイ」と「Don’t back」の順番くらいで、この2曲は、さよならして、もう振り返らないという順番になりました。

── 曲1つひとつはバラエティ豊かで、激しい曲から落ち着いた曲まで起伏があるんですけど、アルバムとしてはスムーズに進んでいく印象でした。ドラマティックかつ聴きやすい流れになっているように思います。アルバムリリースを受けて、4月には2ndライブツアー「アイ」が決定していますね。

沼倉 とにかく楽しいツアーにしたいですね。その場にいる全員にとって、いい思い出になってくれれば、ライブとして大成功だと思います。私のライブのルールとして、隣近所と親しく、女子にやさしく、ぬーさんに一番やさしく(笑)、というのがあって、それをみなさんに守っていただきつつ、あとは踊ってもいいし光り物を振ってもいいし、それぞれのやり方で楽しんでいただきたいです。ライブは生もので、そのときにしかない何かが生まれる場所だと思うんですよね。みなさんにとっても私にとってもいい時間になるようにがんばります。

── 東名阪に加え、台北もあるんですよね。

沼倉 台湾は私がお仕事で一番多く行っている国なので、ホーム感が強くて。外国に来たことを意識せずに、ライブできるんじゃないかと思います。



沼倉愛美プロフィール


ぬまくらまなみ/4月15日生まれ。神奈川県出身
2016年10月、1stシングル「叫べ」(TVアニメ「魔法少女育成計画」オープニングテーマ)で、ソロ・アーティストとしてデビュー。現在まで、いずれもアニメタイアップ曲となる4枚のシングルをリリースしている。また、2017年6月14日には、1stアルバム「My LIVE」をリリース。
声優としても多数の作品に出演。「THE IDOLM@STER」の我那覇響役や「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」のタカオ役では、演技力とともに歌唱力も高く評価された。

 

CDデータ

■2nd アルバム「アイ」

初回限定盤CD+BD 3,500円(税別)

レーベル:FlyingDog/2019年2月20日発売


通常盤CD 3,000円(税別)

レーベル:FlyingDog/2019年2月20日発売


〈収録曲〉
01.Benvenuti
02.This Kiss
03.彩 -color-
04.魔法
05.グッバイ
06.Don't back
07.Desires
08.夜と遠心力
09.まどろみ
10.SWAY
11.アイ



〈初回限定盤BD収録内容〉
「彩 -color-」Music Video
「Desires」Music Video
「アイ」Music Video, Making Video


インフォメーション


●2ndライブツアー「アイ」
4月6日(土) 大阪・なんばHatch Open/17:00 Start/18:00
4月7日(日) 名古屋・ダイアモンドホール Open/17:00 Start/18:00 
4月12日(金) 東京・中野サンプラザホール  Open/17:30 Start/18:30
4月20日(土) 台北・CLAPPER STUDIO Open/17:00 Start/18:00


(取材・文/鈴木隆詩)

画像一覧

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放送日: 2018年10月9日~2018年12月25日   制作会社: GONZO
キャスト: 小野友樹、加藤英美里、遠藤綾、杉山里穂、阿澄佳奈、大本眞基子、藤田咲、小林沙苗、山口由里子、喜多村英梨、荒浪和沙、下田麻美、藤井ゆきよ、ユリン千晶、加隈亜衣、松田健一郎、平川大輔
(C) Spike Chunsoft Co., Ltd./コンセプ製作委員会

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