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アニメ「GODZILLA」最終章である「星を喰う者」が、2018年11月9日(金)、ついに公開された。
「GODZILLA」(通称「アニゴジ」)は、1954年に公開された特撮怪獣映画「ゴジラ」シリーズ初のアニメ映画作品。監督は、シリーズ最新作「名探偵コナン から紅の恋歌」をはじめ、劇場版「名探偵コナン」シリーズを数多く手がける静野孔文さん。そしてTVアニメ「シドニアの騎士 第九惑星戦役」、アニメ「亜人」の劇場版、TV版にて総監督を務めた瀬下寛之さんの両者が担当。また、ストーリー原案・脚本は、TVアニメ「Fate/Zero」や「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズ、「魔法少女まどか☆マギカ」を手がけた虚淵玄さん(ニトロプラス)といった実力派クリエイターがスタッフに名を連ねている。
最終章では、謎の異次元空間から登場する“高次元怪獣ギドラ”とゴジラ・アースの激突が描かれるほか、さまざまな思想、立場から対立する人類のドラマが描かれることになる。
圧倒的な力で地上を蹂躙するゴジラに対し、主人公・ハルオたちはどのような行動をとるのか。また、ヒロイン・ユウコの運命は……? エクシフの神官・メトフィエスの“究極の目的”とは……?
多くの謎をはらんだまま終局に突入するアニゴジについて、瀬下寛之監督とマイナ役・上田麗奈さんにお話をうかがった。
マイナには幸せになってほしい
――アニメ「GODZILLA」3部作の完成おめでとうございます。まずは今の率直な気持ちをお聞かせください。
瀬下 終わって安心しました。とにかく長期間の作品でしたから。企画から約4年間です。僕も静野さんも虚淵さんも「やっと終わった」、そういう感覚ですね。
でも僕はちょっと寂しくもあります。虚淵さんの原案は本当にユニークなうえに、静野さんと虚淵さんと僕の3人で、世界観も作り込みましたし。前日譚の小説もすごく壮大な世界になってくれて。
まあ4年間も作品に付き合うと、もう脳内妄想の中では、いつだってこの世界に行けるんですよ。中二病的な発言ですけど(笑)。毎日、なにかしら本作のことを考えちゃいますね。ハルオの気持ちには共感しますし、いろんな登場人物の感情に思いを馳せる時が頻繁にあります。
……だから、少し寂しい。
――上田さんが本作の声を録ったのは、いつ頃ですか?
上田 マイナ、ミアナの登場は第二章からで、それが2年くらい前。第三章だと1年半くらい前ですかね。プレスコで収録したんですが、その後もちょくちょくセリフの追加収録もあったので、そのたびにちょっとずつセリフが変わっていきました。第二章も最初の台本から結構変わりましたよね。
瀬下 かなり変わりましたね。(どこが変わったかは)追加録音をたくさんしたんで、もうわからないです(笑)。
――じゃあ1回録って終わりというわけではなく、ことあるごとにアニメ「ゴジラ」の世界に帰ってくるみたいな。
上田 そうですね。
――それだけ長くつきあうと、やはり愛着は湧きますか?
上田 やっぱり感情移入するというか、愛しいキャラクターになりますよね。マイナの気持ちとかがすごくわかるし、何度も収録させてもらったので、そのたびにマイナに触れていると、「幸せになってほしいな」っていう特別な思いはどんどん増えていきましたね。
アニゴジはシェイクスピア作品のような骨太さを持っている!
――さて第三章「GODZILLA 星を喰う者」ですが、第二章「GODZILLA 決戦機動増殖都市」を超える怒濤の展開で、最後まで「これ、どうなっちゃうんだろう」と思いながら拝見しました。
瀬下 そうなんですよ。だから言えないですよね。いちおう東宝さんと「これは言っていい」「これは言っちゃダメ」って確認は取ってるんですけど、全部がデリケートな感じで。
――ネタバレしないように感想を言うと、よくぞアニメでここまで人間ドラマを描いたなという感じです。
瀬下 もう哲学ですよね。当初の東宝さんの戦略「怪獣プロレスではない」「アニメならではの独自のゴジラ」という戦略目標を満たした虚淵さんによる物語の骨組と、今回のラストシーンは、企画の早い時期から明確にありました。ラストに関しては、僕も静野さんも衝撃を受けた記憶が鮮明です。
虚淵さんの独特な世界観は、僕も静野さんも理解していたつもりです。ただ、僕らは、どちらかというとストレートなハリウッドエンタメ、例えばマーベルが大好きなので、「ゴジラでアニメ」というと、とにかく盛りだくさん、見終わった後にお客さんがお腹いっぱいになるような。そんなイメージがありまして……。それがまず原案のあらすじを聞いて、僕も静野さんも目を見合わせて(笑)。僕らでいいのかなって……。
――自分たちの手に負えるのかなと。
瀬下 そうですね(笑)。皆で試行錯誤を繰り返しつつ、本当に個性的な作品に仕上がったと思います。東宝のプロデューサー陣の大胆な戦略と、虚淵さんの原案と、いい意味でゴジラを知らない静野さんの間でゴジラ大好きな僕が葛藤するという、いろんな感情がバランスを取った結果が、これです。
――最終章では、マイナが予想外の立ち位置のキャラになっていきました。演じた上田さんはどんな印象を受けましたか?
上田 あはは(笑)。最初は確かに予想外ですよね。ただ、まあ(ハルオには)惹かれるだろうなとは思いました。今までいろんなものを守ってきた種族、攻めじゃなくて守りの印象が強い種族の人がハルオを見た時に、確かに「強い存在」という部分への憧れもあるだろうけど、それ以上に見たことないくらいに攻めてる人だし、危なっかしいし、そういったところにどこか惹かれるというのは、女心としてあるだろうなと思いました。守る文化の中で生きてた人としては、すごく刺激的な存在で好きになっちゃうだろうなと思ったので、だんだんその気持ちが行動にも出てくるというところは、すごく納得できました。
瀬下 上田さんから、マイナがハルオに惹かれていく感情のディテールを聞けて、ちょっと新鮮ですね。聞いてみたいんですが、上田さん個人としてはハルオはありなんでしょうか?だって親の気持ちで考えたら、絶対に付き合っちゃだめって思うんですよ。
一同 (笑)
瀬下 危なっかしいですからね(笑)。駆け落ちしそうな雰囲気がありますし。だから僕だったら絶対に結婚には反対しますね。
上田 私も反対すると思います(笑)。
瀬下 本作は虚淵さんの基本構造がしっかりしていて、ある種古典的な、シェイクスピア作品のような骨太さを感じてます。先ほどの上田さんの発言にあった「守る文化」のあたりは大事な点ですね。卵を守っていた巫女達が、最後はハルオの命を守ろうとする。単純に惹かれるというわけではないんです。
――最終章では、もともと怪しげな動きをしていたメトフィエスが、ある種の敵役として活躍をします。
瀬下 第一章の頃から感度の高い視聴者の方から、「(声優が)櫻井さんで、背が高くて、髪が白い。全てのフラグが立ってる」と言われていました(笑)。ただ、言わせていただくと、彼は「悪」ではないんです。今回の物語には、基本的に悪は存在しません。皆本当に、誠実です。それぞれの正義ではありますが、メトフィエスも本当にハルオを救いたい。その感情を表現したくて、最終章のポスターの構図も決まっていきました。
――そして見どころは、やはりギドラとゴジラのバトルなのですが、しかしゴジラの攻撃はギドラに通じないと。
瀬下 ギドラは次元が違う存在ですからね。
――どう戦うんだと思ったら……。そして、モスラも意外な形で登場します。人気怪獣が勢揃いする展開は、やはり「ゴジラ」映画として押さえておくべきポイントだったということでしょうか。
瀬下 難しい質問ですね(苦笑)。実はゴジラ映画としてのフォーマットは、東宝さんの許可を得たうえであまり意識していないんです。
人型4種族の思想や信条、そして神。それぞれの象徴が戦いを展開していくという構造が本作であり、それが結果的に旧来のゴジラのフォーマットに沿った印象であるなら、僕らも嬉しいです。
ポスターも、背後にいる巨大な存在のゴジラ、ギドラではなく、全ての視線がハルオとメトフィエスに集中するように構図しました。まさに怪獣は背景の天災であり、人間が主役なんです。
まるで声優同士の対決のようだったプレスコ収録
――アニメ「GODZILLA」には豪華な声優陣が出演し、最後まで熱演が繰り広げられました。収録時の様子はいかがでしたか?
上田 プレスコ(声を先に収録して、そこに絵を当てはめていく手法)でしたけど、皆さん、ちゃんとどれくらいの距離感で、どのくらいの熱量でしゃべっているのかが後ろで聞いててもわかりました。結果的にどんな絵なのか、森ならどんな森なのかもわからないで演じてるんですけど、ちゃんとフィットしてて、ひとつの世界があって、その中でそれぞれの目的でしゃべっているのがすごく分かったので、皆さんの演技を見ながら感動してましたね。本当に1本の映画を観ているような感じで、先輩方の台本の読み込みもすごかったですし、圧倒されてました。
瀬下 舞台演劇の、まだセットがない状態での稽古みたいでした。
上田 そうですね。立ち稽古のような雰囲気がありました。動きはおのおのでしたけど、声だけで雰囲気を出してました。
――声優としてのスキルをお互いにぶつけあうような。
上田 本当にそうですね。対決してるような感じでしたね。
瀬下 上田さんもほかの声優の皆さんも本当にすばらしい演技だった。声を聴きながら目を閉じると絵が浮かび上がってくるんです。だから実際の映像に対して、すごく反映されました。上田さんの演じた結果で「マイナはやはりこうしよう」と直したところが数多くあります。
――相方である、ミアナ役の小澤さんとはどのようなやりとりがありましたか?
上田 毎回、演技について話しあっていました。長いセリフを同時にしゃべることが多かったので、それぞれの性格の違いや個性の部分をどのくらい出すかを、お互いに確認しながら調整していきました。その前段階として、どこでブレスを入れるかであったり、テキストだと「!」だけのところも、おのおのどういう感情があるか、とかハルオに対してどの程度気持ちの差があるか、などを話し合っていましたね。
瀬下 ユニゾンがすごかったんです。お2人のユニゾンが驚くほどよくて、記憶に刻まれちゃって大変でした。もうユニゾンのネタの作品を作りたいくらいです(笑)。目から鱗の体験でしたね。うかがいたいのですが、感情をそろえて演技されていたんですか?
上田 感情は全く合わせずに、尺とテンポ感だけあわせて、あとはそれぞれ思い入れが違う感じでした。
瀬下 オーディションの時にマイナ、ミアナを強くイメージして、上田さん、小澤さんをキャスティングさせていただいたんですが、2人の声が実際に重なった時に「なんなんだ、この双子感は」とゾワッときました。本作は声優さんの力による部分がつくづく大きかったですね。
片言でしゃべる人間の言葉に感情を乗せるのが大変だったと思います。でも見事に演じられて……、感謝です。
上田 いやいやいや……。
機会があれば、この先も……?
――ところで、今回無事アニメ「GODZILLA」三部作が完結しましたが、機会があればまた「ゴジラ」を作ってみたいですか?
瀬下 こんなに辛い仕事なかなかない(笑)、と作ってる時は思っていたんですが、今はまたやってみたいと思いますね。小説版の前日譚も素晴らしいし、未来を作れるような世界観的な仕掛けもいっぱいあるので、例えば東宝さんがもうちょっと面白がってくれて、観客の皆さんが「アレも映像化して!」みたいなニーズが高まったら、もしかしたらできるかもしれかせんね。もしできるなら、僕も静野さんも虚淵さんも普通に嬉しいと思います。
――ここから先のアニメ「GODZILLA」の世界も、ぜひ観てみたいですね! さて、最後に改めて本作の見どこを教えてください。
上田 ゴジラも出てくるし、ギドラも出てくるんですが、本作はやはり人間のドラマなので、ハルオやメトフィエスたちが何を見て、何として何を守ろうとしているのかを感じていただいて、ちょっとでも皆さんが考えるきっかけになれば面白いと思いますし、それぞれの人間の目的とか思いに、敏感に触れてもらえたらすごく嬉しいですね。ぜひ最後まで観ていただきたいです。
瀬下 3部作を通して描かれたハルオという主人公の生き様を、ぜひ劇場で見届けてほしいと思います。ハルオの周囲にいる魅力的な、さまざまな登場人物達を演じる素晴らしい日本の声優さんたちの迫真の演技も観ていただきたいですし、今回は音響も3部作の中で最高峰なので、劇場の大きなスクリーン、最高の音響環境の中で楽しんでいただきたいと思います。
アニメ「GODZILLA」最終章「星を喰う者」劇場上映記念!
瀬下寛之監督とマイナ役 上田麗奈サイン入りポスタープレゼント
本日9日(金)より劇場上映されるアニメ「GODZILLA」最終章「星を喰う者」。本作で監督を務める瀬下寛之さん、マイナ役として出演する上田麗奈さんより、サイン入りポスターが到着。こちらを抽選で1名様にプレゼント!
以下の応募要項をご確認のうえ、ドシドシご応募ください。
■賞品
瀬下寛之監督とマイナ役 上田麗奈さんサイン入りポスター
■応募要項
応募期間:2018年11月09日(金)~11月23日(金)23:59
当選人数:1名様
賞品発送:2018年12月中に発送予定
応募方法:専用応募フォームにて受付
<注意事項>
・抽選結果に関するお問い合わせには応じられません。
・本権利はご本人のものとし、第三者への譲渡・換金はできません。
・当選された賞品に関しても、第三者に譲渡・転売することを禁じます。
・カカクコムグループ社員、および関係者は参加できません。
・梱包には細心の注意を払いますが、万が一運送中の事故により破損等した場合でも、返品・交換等は受け付けられませんので、あらかじめご了承ください。
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