不思議な縁とつながりを感じたキャスティング! 「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第六章・回生篇上映記念、高垣彩陽インタビュー

2018年11月02日 15:120

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2018年11月2日より上映される「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第六章「回生篇」。本作で統括司令長官・藤堂兵九郎の娘である藤堂早紀を演じるのが高垣彩陽さんだ。

「宇宙戦艦ヤマト」シリーズという大作に途中から、しかもオリジナルキャラクターとして参加することには、相当なプレッシャーもあったという。だが、第六章では非常に感情の揺れが大きい早紀というキャラクターを見事に演じきっている。

今回は、本作のキーパーソンともいえる藤堂早紀というキャラクターのことや、アフレコ時のエピソードなどをうかがった。

  

パイプオルガンに見い出した不思議な縁

ーー「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」に出演が決まったときの心境はいかがでしたか?

 

高垣彩陽(以下、高垣) 「宇宙戦艦ヤマト」と聞いて、まさか関わらせていただくとは!と思ったことがひとつと、最初は藤堂(兵九郎)さんの娘です、と聞いたのですが、オリジナルキャラクターなので調べようもなく、勝手に時々出てくる娘さんなんだと思っていたんです(笑)。それから台本をいただき、キャラクターの絵を見たときに「あれ?軍服を着てる?」と。なんか帽子かぶってる。あれ? 何だか立場が上そうだぞって、そこで初めて軍人だと分かったんです。だから絵を見たときの私の衝撃たるや! 思ってたのと違うって驚きました(笑)。

 

第五章の登場は1シーンだけでしたが、現場に行った際に、早紀の生い立ちや「銀河」の目的や使命、どういう思いで早紀がここにいるのかという説明を監督と福井さんから受けました。こんな大役だとは思っていなかった!というのが正直なところなんです。

 

ーーそんなスタートだったんですね!

 

高垣 でも、これが武者震いなんだって思いました。最初の登場シーンの収録を終えて、スタジオを出て歩いているときに震えてきたんですよ。まだひと言だったので、ここからどんな展開が待っていて、この役はどうなっていくのだろう。「ヤマト」であることも含めて、これは本当に大変なことだなって思ったんです。その瞬間にプレッシャーを感じたんですけど、だからといって逃げ出したいわけではなく、こんな大役を任せていただいたからにはしっかり務め上げねばと。そんな使命感にかられて、絶対にがんばるぞ!と思いました。

 

ーー「宇宙戦艦ヤマト」というタイトルは、高垣さんも武者震いをするほど世代を超えて知られている作品だと思いますが、高垣さんの「ヤマト」に対するイメージはどんなものでした?

 

高垣 もちろんオリジナルの世代ではありませんが、アニメの名シーンを集めた特番には必ず入っていて、あの主題歌を聴いたことがない人のほうが少ないんじゃないかというくらい、歌やヤマトのフォルムって知られていると思うんです。だから「あのヤマトだ!」という感じですよね。

それと第五章を試写会で見たときに、音の圧がすごくて。「白色彗星」のパイプオルガンのインパクトがすごくあったんです。第五章の舞台挨拶のときにその話をしたい! と思って調べたら、オリジナルの「白色彗星」のパイプオルガンが私が通っていた音大のパイプオルガンで演奏されていたのを知って、あのオルガンで!って、勝手ながら繋がった気がしてとても縁を感じました。

 

ーーそのオリジナルの「白色彗星」のパイプオルガンは、本作のBGMを担当している宮川彬良さんが演奏しているんですよ。そのときのエピソードも宮川彬良さんにうかがっているので、ぜひ高垣さんにも読んでほしいです(笑)。(リンク先:https://akiba-souken.com/article/31720/

 

高垣 そうなんですね! でも母校って堅いイメージがあって、クラシック以外のことに関わっているイメージがなかったので、アニメの曲に、しかもヤマトに関わっていたんだ!って嬉しくなったんです。

 

 

NGを出さないように! いつも以上に緊張したアフレコ現場

ーーでは、演じている藤堂早紀というキャラクターの魅力を教えてください。

 

高垣 若くして「銀河」という戦艦の艦長に任命され、生い立ちの部分でも複雑な思いを抱えてあの場にいる、凛とした女性だと思います。あの年齢の女性がああいった立場になるというのは、どれだけの苦労やどんな思いをしてきたんだろうと思うと、彼女が凛として中心にいなければいけないという、自分を鼓舞しているところもあるのかなと感じました。ここからは、ぜひ第六章をご覧いただきたいのですが、「銀河」の内情やシステムのことをいうと、ヤマトと形は似ているけど、まったく違うものであり、乗っているクルーの気質も違うんです。ヤマトのクルーたちが情に厚くて人間らしい部分があるのに対して、銀河はオートマチックなところがあって合理的で、目的のためには手段を選ばないという選択をする意志を持った人たちが乗っているんですよね。

 

ーーアプローチとしても、凛とした、クールな感じで?

 

高垣 そうですね。もう葛藤は越えて、こうするんだ!と決めてここにいる人なんだと思って最初は臨んでいました。彼女はもう情みたいなものは切り捨てていると思っていたんですけど、話が進むにつれて、私が思っていたよりも、揺らぐ部分があって、早紀の人間らしさに少しホッとしたところはありました。

 

ーーそこは共感する部分でもあった?

 

高垣 やっぱり彼女の心が動く瞬間は、自分も心が動くところではあったので、共感できると思いました。私も、大先輩がいる作品で、こういった重要な役割をやらせていただくというプレッシャーがありましたが、早紀は人類のために任されている使命があって、それを背負っているので、相当なプレッシャーと戦っていたんだろうと思うんですよね。凛として立ってはいるけど、どうにか背筋を伸ばさなければとか、弱くなりそうなときにそれを見せてはいけないという。そう思うと、どこか自分と重なるな、似ているなと思うんです。完璧ではない、未熟さがある中でもがんばろうとしているところが、私ががんばって背伸びをして「ヤマト」という作品の一員になろうとしている気持ちと遠くはないと思ったので、そういうところでは自分の緊張感をマイク前に持っていっても許される役だったのかなと思います。ーーそれに、言葉的にも結構難しそうだなと思いました。


第六章の最初に「銀河」の内情が描かれるところで、台本を見て驚愕するほどの長台詞があって(笑)。全然言い慣れない言葉だらけですし、これを大先輩がいらっしゃる中でやるんだと思ったら、絶対にNGを出さないようにしようと思ったんです。セリフを間違えたり、噛んだりといった自分のミスではNGを絶対に出さないようにしようという自分のルールを作り、めちゃくちゃ練習をして、めちゃくちゃ緊張して現場に行きました。無事に自分のミスでNGを出すことはなかったので、終わった後、ホっとしましたね。(笑)

 



先輩声優たちとの心温まるエピソード

ーー実際のアフレコ現場はいかがでした?

 

高垣 第六章からは皆さんと同じ現場に入ったんですけど、古代役の小野大輔さんが「彩陽が艦長かぁ~」って、親戚のお兄さんみたいな感じで感慨深く言ってくださったのが嬉しかったです(笑)。資料を拝見してはいたんですけど、まだまだわからないことがいっぱいあるところを、皆さんがすごく親切に教えてくださりましたし、小野さんも気を遣って、疑問点だったりを教えてくださったんです。収録が終わった後も小野さんと一緒に駅まで帰ったんですけど、そこでもいろいろ設定やあらすじをお話してくださって。で、駅に着いたところで、「俺まだ電車乗らないから」って言って戻られたんですよ。ご自身は駅に行くんじゃなかったのに、ヤマトのことを伝えるためにここまでしてくださったんだと思って、すごくありがたかったです。それだけヤマトの新シリーズにかけてる思いもあるでしょうし。皆さんが大きなものを背負ってこの作品に臨んでらっしゃるんだなと感じました。それに大先輩方と現場をご一緒させていただいて、会いたいなと思っていた先輩方とも再会することができたので、現場で一緒にマイクを並べることができて本当に光栄でした。

 

ーー会いたいなと思っていた先輩というのは?

 

高垣 久川綾さんにすっごく久しぶりにお会いできたんです! 昔、ある作品で本当にお世話になって。いろんなことを教えていただきましたし、とても親切にしてくださって、「彩陽ちゃんはそのまま進めば大丈夫だよ」といっぱい励ましてくれたんです。ふたりで直接会話をするのは1シーンだけだったんですけど、すごく嬉しかったし、そういう部分でも久しぶりに会った大好きな先輩だからこそ、恥ずかしくないようにしなければと思いました。新人の頃に想いをかけていただいた分、その気持ちを裏切りたくないなという想いもあったので。久川綾さんもですし、林原めぐみさんや石塚運昇さん。以前お世話になって、今回また再会したという大先輩方がたくさんいらしたので、なんて幸せな現場なんだろうと思いました。

 

ーーその他でキャストとのエピソードはありますか?

 

高垣 早紀の母に当たるキャラクターを杉山佳寿子さんが演じていらして。オリジナルで藤堂晶子(平九郎の孫娘)を演じていた方なので、そこにもオリジナルへのリスペクトと思いやりを感じて、なんだかそれも繋がっている気持ちがして、それはすごく感動したキャスティングでした。

 

ーーでは最後に、第六章で高垣さんが思う見どころを教えてください。

 

高垣 第五章で「銀河」は出てきてはいるんですけど、いったい何なのかというのは明かされていませんでしたが、第六章では「銀河」の役割であったり、目的などが明かされていくので、そこにも注目していただきたいです。そして今作ではズォーダーの過去が描かれるんです。私が第六章を見て思ったのが、本当にこの「愛」という言葉にすべてが返ってくるんだなということで。愛でいうと、人間とは何かというところで、人間のあり方を問いかけるものに「銀河」という存在自体がなっていると思うんです。いろんなことが機械化して、人のぬくもりだったりを感じることのほうが希薄になってきている今の社会を思うと、情に厚いヤマトのカリスマ性みたいなものを強く感じるし、ヤマトってやっぱりヤマトなんだって思える第六章になっていると思うのでぜひ楽しんでほしいです。

 

ーーあと、映像の迫力もあるので、劇場で見てほしいですよね。

 

高垣 第五章は劇場で見たんですけど、まず観た感想として、この戦いの中には行きたくないと思ったんです。それだけ戦闘シーンが激しく描かれていて、音と映像がものすごく迫ってくる圧迫感があったり、恐怖を感じました。と同時にそういう戦場に艦長として身を投じる早紀の感情ってどんなものなのだろうと想像することにも繋がりました。第六章は特に今までシリーズを経てたくさんの人の想いが込められている作品になっています。ぜひ劇場で観ていただきたいです!

 

(取材・文・撮影/塚越淳一)

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