【インタビュー】ワルキューレ3rdライブは、いかにして作られたか? ──福田正夫プロデューサーに聞く!

2018年10月26日 19:000

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3rdライブは、舞台周りのスタッフを総入れ替えしました


── 3rdライブを作るにあたって、まず最初に考えたことはなんですか?

福田 2ndライブを越えること、それしかないですね。先ほども言ったように、2ndライブは目に見えない力によって、ある高みまで登りつめたライブだったので、次はそれを最初から計算して越えるということが必要だったわけです。僕らの予想以上にファンの方には感動していただけたみたいで、その記憶って時間が経つとどんどん美化されていくじゃないですか。だから、3rdライブが2ndライブと同じクオリティだったら、みんな2ndのほうがよかったって思うのと、あれを確実に越えないと、ワルキューレ成長したねって言ってもらえないよというのが、メンバーに最初に伝えたことでした。自分が歌ったり踊ったりするわけじゃないので、言うのは簡単なんですけど(笑)。

── もちろん福田さんたち制作陣も、そのために尽力するわけで。

福田 我々が最初に考えたのは、2ndライブと同じスタッフだときっと同じものになってしまうだろうなと。だから舞台周りのスタッフを総入れ替えすることにしたんです。舞台監督を替え、そうするとPAも照明さんも替わることになり、振付師を替え、スタイリストを替えということをやって、悪くなるかよくなるかはわからないけれど、前とは違うことができる布陣にしたんです。

── チャレンジだったということですよね。

福田 そうですね。

── 舞台監督は岡本祐次さん、振付は武田舞香さんですね。

福田 岡本さんは「マクロスF」の時代から、「マクロス クロスオーバーライブ」のような大きなステージを手がけられてきて、「マクロス」と大規模ライブの演出のノウハウの両方を知っている方です。振付の武田舞香先生は、ワルキューレの一連のシングル曲のMVや、アニメの中のワルキューレの振付をやっている方で、戻るべきところに戻ったという感じなんですね。なぜ、今までのライブは武田先生に振付をお願いしなかったかというと、単純に彼女の振付はめちゃめちゃ難しいんですよ(笑)。それがライブで2時間3時間続いたら、声優である彼女たちにできるわけがないと思って、もう少しやさしい振付に慣れている方に、1st、2ndライブはお願いしてきたんですね。でも、2nd LIVEやROCK IN JAPANを経て、今のワルキューレだったら武田先生の振付にライブでも対応できると思ったんです。

── 3rdライブは振付も進化していたんですね。

福田 武田先生はいろいろなアイドルグループの振付をやっている方ですが、ワルキューレはこれだけ難しい歌を実際に5声でハモって歌い、さらに踊るということに、驚かれていました。だからといって、振付の難易度は手加減なしでしたが(笑)。

── ワルキューレにはそれができると、周りはみんな信じていたということですね。

福田 歌でもダンスでも、難しいことに対して、なんとかしてそれをクリアしてやろうという気持ちがとても強いメンバーなので、こちらとしてもハードルを高く設定したほうがいいものができるんです。


── 「マクロスΔ」のTV放送が始まったタイミングで、福田さんにお話をうかがったことがありましたが、ワルキューレはもともと5声のハモリをやるつもりじゃなかったとおっしゃっていましたね。

福田 CD音源ではハモらせようと思っていましたが、ライブでそのままやるつもりはなかったですね。本人たちが、CDでやれたことをライブでやれないというのはイヤですと。ライブでもCDみたいに歌えるようになります、と力強く宣言したので、じゃあ、やりましょうと。

── メンバーのガッツ溢れる言葉があったわけですね。そのときのインタビューでもうひとつ覚えているのは、ワルキューレを作るにあたって、福田さんから安野(希世乃)さん、東山(奈央)さん、西田(望見)さんに、「ワルキューレは美雲とフレイアがメインで、あなたたちはバックコーラスです」と最初に伝えたということです。

福田 はい、言いました。今思えば、非情ですよね。

── でも、結局、そうはならなかったですよね。

福田 当初は、3人を完全にバックコーラスと考えていたんですけど、曲を作っていくうちにどんどん全員の歌のクオリティが高くなっていき、河森さんも僕も、3人をバックコーラスにとどめておくのはもったいないんじゃないかと考え始めたんです。そのうち、河森さんからレイナやマキナやカナメのソロを作ってというオーダーが来て、それが本編で使われ始め、5人で歌う曲は、3人も主旋律を歌ったほうがバランスがよくなっていったんです。

── 美雲とフレイアがメインなのは変わらないとしても、3人がどんどん前に出てきた感がありました。

福田 簡単に言えば、みなさん、歌がうまかったんですよね。できないだろうと予想していたことができたので、じゃあ、もっともっと大きな役割を担ってもらおうかなと。

── 特に安野さんのカナメは、前に出てくることが多くなった気がします。

福田 アニメ本編のストーリーが進むにつれて、カナメの重要度が増し、ワルキューレでもカナメはリーダーですし、美雲、フレイアに次ぐ存在としてピックアップしたほうがいいんだろうなと思うようになっていきました。リアルなワルキューレの活躍によって「マクロスΔ」という作品が変わっていき、「マクロスΔ」が変わることでさらにワルキューレのやり方も変わって、お互いに高め合っていったという感じです。

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マクロスΔ(デルタ)

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放送日: 2016年4月3日~2016年9月25日   制作会社: サテライト
(C) 2015 ビックウエスト/マクロスデルタ製作委員会

劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ

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上映開始日: 2018年2月9日
キャスト: 鈴木みのり、小清水亜美、安野希世乃、西田望見、東山奈央、木村良平、石川界人、峰岸佳、KENN、内田雄馬、瀬戸麻沙美、川田紳司、内山昂輝、森川智之、石塚運昇、寺崎裕香
(C) 2017 ビックウエスト/劇場版マクロスデルタ製作委員会

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