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ダブル主人公が原作の魅力そのままに活躍
――今回はクリスとレオンという歴代「バイオ」に登場する主人公が共演するという、ファンにとっては胸躍るシチュエーションですね。
深見 本作の制作に入ったのはゲームの「6」が出た直後だったんですが、その続きということとダブル主人公ということは、自分が参加した時にはもう決まっていました。「6」でクリスとレオンが一瞬交差するシーンはすごく興奮しましたよね。そういう流れもあって、ダブル主役で「バイオ6」の続きというシチュエーションは動かしやすかったです。執筆中は「バイオハザード」という大ヒットシリーズに出ている人気俳優さんを預かってあて書きするような気持ちで進めました。
――既存イメージを損なわず、かつ魅力的に描くプレッシャーはすごかったのではないでしょうか。
深見 そこはカプコンの小林さんが監修してくださったので安心でした。「うちのレオンはこんなこと言わないよ」「ちょっとこのシーンはクリスにしても乱暴すぎる」とか細かくチェックしてくださったので、原作からあまり乖離がないものになったと思います。そのあたりはハリウッドの実写版とは方向性が違うと思います。
――後半はとくにバトルシーン満載でしたが、バトル描写について気を付けた点などはありますか?
深見 ちゃんと盛り上げようというところは気をつけました。盛り上がらないアクション映画って、もう脚本の段階でダメだと思うんです。そんな思いもあり、自分の書いたト書きは細かかったそうです。最初、「初稿のまんまいくと2時間半になっちゃうよ」なんて言われました(笑)。あと元々、辻本監督の映画をよく見てたこともあり、「辻本さんなら、こういうふうに書いておけばこんなふうにかっこよくやってくれるんじゃないか」みたいな期待を込めてト書きを書いたりしましたね。
――監督へのあて書きみたいな。
深見 そんな感じです。監督が得意とするアクションとかもなんとなくわかっていたので、そこはちょっと意識して「ゾンビと接近戦」みたいなのをあらかじめト書きで書いておきました。そしたらうまくやってくれるだろうと。結果、ものすごくかっこいいシーンに仕上げてくださって嬉しかったです。
――接近戦描写は深見さんの希望ですか?
深見 距離が離れるとメリハリを付けにくいだろうと思ったので。ゾンビって死ぬのが怖くないからどんどん突っ込んできますよね。なので、自然と接近戦にならざるを得ないんですよ。それで鉄砲を持ちながら、ゾンビたちを格闘的な動きでさばいていったらかっこよくなるんじゃなかろうか、と思ったんです。もちろん監督がやりにくくなったら本末転倒なので、アイデアとかはあまりやり過ぎない程度に出させてもらいました。
――熱い性格だけど意外と冷静なクリスと、突っ走ったりもするレオンという感じで、主人公の戦い方にも結構違いがありますね。そんな中でも、レオンによるバイクチェイスがすごくかっこよかったです。
深見 バイクチェイスは監督のこだわりです。レオンって乗り物が似合うんですよね。多分もう原作ゲームの時点で、そういう方向にキャラが立ってる。監督もそれを感じ取って、「レオンは乗り物が似合うし、ちょっとこう見得を切って」「クリスはもうちょっと落ち着いてて、重厚なバトルが合うね」みたいなことを、アクション監督さんと話し合っていました。そうしてキャラクターをしっかりつかんだアクションになっているのは、さすがですね。