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「メルヒェン」には、3人で手を繋いで歌うイメージがありました
── 「メルヒェン」は、OVA「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」のエンディングテーマです。この曲の第一印象はいかがでしたか? Wakana 最初から最後まで潔くて、サッと始まってサッと終わる曲だなと思って。同じメロディが繰り返されるので、歌詞に言葉遊びがあって、そこも印象に残りました。最初から三声が重なっていて、私の個人的な印象なんですけど、2人のボーカルを聴いて、自分は後ろにいなきゃいけないと思いながら歌うのが楽しかったですね。前に出ようとする自分を、グッと後ろからひもで引っ張るような感覚で歌いました。
── すごく感覚的なお話ですね。 Wakana 「メルヒェン」は私の中では、3人が手を繋いで歌っているイメージだったんです。その距離感の中で、歌詞の部分部分で、ここは2人に近づいてみよう、ここは少し離れてみようと考えながら歌っていました。
── レコーディングはWakanaさんが一番最後だったんですか? Wakana 主旋がHikaruなので、最初にHikaruが歌って、次にKeiko、最後に私です。3人が同じ日に集まって、順番に沿って録っていきました。
Keiko 「メルヒェン」はシングルだと「Magia」以来、久々のダークファンタジーの曲で、地を這うようなリズム隊(ベース、ドラム)のグルーヴと、瞬間に入ってくる弦の響きが心地よかったです。ダークなリズムと弦のタッグは、これこそKalafinaが歌うダークファンタジーという印象があって、私としては待望の1曲でした。地を這うようなリズム隊に低音を合わせて、平常心で淡々と歌うことができました。曲の世界観に入りこんでいたので、ものすごく悪い顔をして歌っていたと思います(笑)。
── 悪い顔ですか?(笑) Keiko 私のポイントはそこです。表情筋の使い方はとても大事で、高らかに明るく歌う時は口角が上がって、眉毛の位置も上になるんですけど、こういう曲はニヤッと悪い顔になるんです。ライブでも、その顔で歌いたいなと思っています(笑)。こういう曲を歌うのは、正直、楽しいですね。
── Wakanaさんは、3人が手を繋いで歌うイメージとおっしゃっていましたが、Keikoさんにもそのイメージはありましたか? Keiko 私はなかったですね。ボーカルの役割分担が明確にある分、曲から受けるイメージは違っていていいと思っていて。それぞれが自分なりのイメージを思い描いて歌って、でも、ここは寄せようという部分だけはピタッと感覚が合うというのが、Kalafinaのボーカルの作り方ですね。レコーディングは基本的に個人作業なんですけど、長年一緒にやってきているので、2人はこう歌うだろうなという想像がついて、ブースで1人で歌っていても隣に2人がいるような感覚になります。2人の吐息まで、聞こえてくるような感じがするんです。
── Hikaruさんにとっての「メルヒェン」は? Hikaru 歌詞の世界観を突き詰めすぎると、世界が崩壊してしまうような感覚があって、考えを突き詰めすぎないようにして歌おうと思いました。その中で、ワードの1つひとつにしっかりした輪郭を持たせられるよう意識しました。
── 歌詞はシンプルな言葉が使われつつ、深いという感じですよね。 Hikaru 答えを決めつけてはいけない歌詞だと思って、聴いてくださる方がいろいろな解釈ができるように、ボーカルにも色を付けすぎないようにしました。同じメロディがループしていて、フラッシュバックするような感覚もあって、面白い曲になったと思います。
── フルートのソロがあったり、造語のコーラスがあったり、メロディはループしていますが、曲の展開は多彩ですよね。 Keiko ループする中で音の遊びがずーっと続いていて、曲のドラマが少しずつ動いていくんです。サウンドマニアにはたまらない曲で、私も耳がたくさん欲しいってなります。