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今ドキのシンセの音を勉強し直して、作ってみました
── 「希望の歌」は、シングル曲とは明らかにタイプが違う曲になっていました。 岸田 これ、がんばって作ったんです。この曲のためにシンセをもう一度勉強し直しました。今ドキの音が出るように。
── シンセ、たくさん入ってますよね。 岸田 昔はシンセをすごく使っていたし、今もまったく使わないということはないんですけど、今ドキの音を出そうと思うと、改めていろいろな音楽を聴いて勉強する必要があって。なるほど、今はこんな感じになってるのね、とつかんでから作ってみたら、結構うまく行って、シンセを軸にした曲が作れると思いました。
── シンセだけでなく、サウンド全体にも特徴があって。オルタナティブの匂いを感じました。 岸田 オルタナティブでも、オルタナティブロックではなく、オルタナティブメタルからの影響ですね。オルタナティブロックはなんとなく消えていったジャンルですけど、エモコアだったりスクリームだったりするバンドがそれに接近していって、結果的に両方が融合したオルタナティブメタル的なジャンルが、流行ったことがあったんですよ、2~3年前に。それがいいなと思って、やってみようかなと。なぜか、ああいう曲にはシンセが入るんですよね。
── シンセを勉強し直して、今ドキっぽい音を勉強したというのは、そういうジャンルをやってみたかったからなんですね。 岸田 そうですね。外から影響を受けたことをストレートにやってみたのが「希望の歌」で、「ウチらなりに解釈し直したらどうなるか?」と思って作ったのが5曲目の「nameless survivor」なんです。1曲目は僕の我欲のままに作って、5曲目はバンドの現在に即して作ったので、「nameless survivor」のほうがエンターテインメント性が高くなっていると思います(笑)。
── より、広範囲に伝わりやすいものになったと? 岸田 譜面だけで比較すると「希望の歌」のほうが面白いんだけど、演奏する側にとっては決めごとが多いんです。逆に、「nameless survivor」は譜面的な面白さには劣るけど、解釈の幅が広くて、メンバーも思い思いにやってくれたのがよかったですね。
── レコーディングでは、メンバーの方々の解釈が入ってくるんですね。 岸田 いろいろなことをしてきますね。正直、できあがった音の中で、僕が意図してなかった音はたくさんあります。
── ギターなどは、曲によって本当に多彩で。 岸田 レコーディングの時のギターは、はやぴ~さんだけでなく、僕も弾いているので、それによっても違いが出てきますね。「天鏡のアルデラミン」「life logistics」「Blood on the EDGE」「vivid snow」あたりは、ほぼ、はやぴ~さんが弾いていて、僕はあまり弾いてないです。逆に「希望の歌」「GATE~それは暁にように~」「nameless survivor」「Ruler」は、はやぴ~さんと僕が半々か、僕のほうが少し割合が多いくらいで、さらに「LIVE MY LIFE」は、ほとんど僕ですね。明るめの曲は僕のほうが多くて、ダークな曲になればなるほど、はやぴ~さんのギターが増えていく傾向があります。
── なるほど。そういう傾向からも、岸田さんが明るい曲が得意というのがわかりますね。 岸田 無理なく、すぐに書けるのは明るい曲ですね。ハードな曲を書いている時のほうが、がんばって絞り出してます、正直なところ(笑)。