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アーティストデビュー前に歌った曲を、絶対に収録したいと思っていました
──7曲目から9曲目は、ミニアルバム「ポラリス」の収録曲ですね。
三澤 「ポラリス」は6曲入りのミニアルバムで、全曲が劇場版「とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟-」の挿入歌でした。私が演じたヒロイン・鳴護アリサは、シンガーソングライターで、オーディションに合格して、すごい歌姫になっちゃうという設定で、劇中で歌がたくさん出てくるんです。今回のアルバムには、その中から3曲を収録しました。
──シングルはバンドサウンドでしたが、「ポラリス」の3曲はサウンド感が違います。
三澤 私にとっては初体験のサウンドで、シンセの音がリズムになっていたりして、歌うのは難しかったですね。メインのメロディの裏に全然違うメロディが乗っていたりして、とっても凝っているんですよ。さらに、アリサの設定が、「奇跡の歌声」を持つ女の子というハードルの高さで(笑)。何回も何回もていねいに教えていただいて、歌いこなすことができました。この時の体験は、後にウチコミ系のキャラソンを歌う時に、すごく役に立ちました。
──3曲とも、それぞれの魅力を持った曲ですね。
三澤 「telepath~光の塔」は、アップテンポでハーモニーが心地いい曲です。1つひとつ歌を入れていったレコーディングでは気づかなかった音の広がりを、完成した曲で感じた時はうれしかったです。「明日、晴れるかな」は、私の曲の中では数少ないバラードで、この曲が一番好きって言ってくださるファンの方が多いんです。しかも、若い方よりも、仕事を頑張っている30代の方に、「好きです」と言われることが多いような気がします(笑)。
──夜空を見上げながら、明日のことを考えている、やさしい曲なんですよね。
三澤 ボーカルもやさしい声を意識して、それまでのバンドサウンドとは違ったアプローチができました。「明日もがんばろうぜ!」って元気に言われたら、「あ、ハイ」って引いちゃうじゃないですか(笑)。でも、この曲は「明日も晴れたらいいね」くらいのまったりした励まし方で、このくらいが自然でちょうどいいんじゃないかなって思うんです。私自身、「明日、晴れるかな」を聴いて、癒やされています。
──「OVER」はいかがですか?
三澤 劇中では、日笠陽子さんが演じたシャットアウラとのデュエットですが、「ポラリス」と今回のベストアルバムに収録されているのは、アリサのソロバージョンです。最初はしっとりと始まって、だんだんと盛り上がり、やがては宇宙に広がるような壮大な世界観が見えてくるという難しい曲でした。
──ベストアルバムの流れで聴いても、この曲がクライマックスという感じがしました。そして、ラストに来るのが、「sympathia」。「アクセル・ワールド」のサントラに収録されていた曲です。
三澤 一番若い私の声が残っているのが、この曲なんです。レコーディングでは、黒雪姫の気持ちを表現しつつ、三澤紗千香として歌ってほしいと、これまた難しいリクエストをもらったことを覚えていますね。その頃の私は、「そもそもレコーディングってどうやるの?」って感じだったんですけど(笑)。
──今、聴き返してみて、どう感じましたか? 三澤 黒雪姫の声だし、私の声だなあって。黒雪姫はクールに見えて、闘争心や向上心を内に秘めている子なので、曲が展開していくごとに、彼女の情熱がどんどん前に出てきているような印象になっていると思います。この曲はサントラの1曲ということもあって、他の曲よりはレアな存在で、いつかアルバムを出すようなことがあったら絶対に入れたいと思っていました。今回のアルバムのお話をいただいた時に、スタッフさんにお願いしようと思っていたら、先に「sympathia」を入れますって言ってくれて。同じ気持ちだったんだ! って感激しました。
──最新曲からアルバムが始まり、もっとも古い曲で終わっていくというのがいいですね。 三澤 1本の映画を見るような感覚で、アルバムを通して聴いていただけたらうれしいですね。最後には、心地いい到達感を味わっていただけるんじゃないかなと思います。
──アルバムが完成した、今のお気持ちは?
三澤 歌うのはやっぱり楽しいなと思いましたし、全10曲の収録曲に元気づけられました。シングルを出していた頃は、私の歌はみんなにどう届いているんだろうとか、主題歌として、アニメの世界をちゃんと広げられているのかなって確信が持てない部分もあったんですけど、時間が経って客観的に自分の歌を聴けるようになって、自分の想いはちゃんと表現できていたんだって。そして、「アラウド」では、成長した三澤をお見せすることができたと思っています。
──未来に繋がるベストアルバムだと思いました。最後に、特典Blu-rayには、「三澤紗千香のreal oneself」2016ver.という映像も収録されているんですが、どんな内容なのでしょう?
三澤 文化放送のネットラジオ「超!A&G+」で2013年に、月~金で毎日10分間、「三澤紗千香のreal oneself」という簡易動画付きの番組をやっていまして、それを今、復活させたらどうなるかと。1週間分として10分番組を5本収録して、2016年版を作ってみました。当時、得意だった利きコーラを、今の三澤はできるのか? とか、いろいろな再現企画をやっています。私、コーラの炭酸の出具合を見るだけで、銘柄を当てることができたんです(笑)。Blu-rayの高画質で、「real oneself」を楽しんでいただけたらと思います。
三澤紗千香プロフィール
1993年1月13日生まれ。山梨県出身
2009年から、声優として活動を開始。2012年の「アクセル・ワールド」黒雪姫役で、初のヒロインを務める。主な出演作に、「城下町のダンデライオン」(米澤紗千子)、「普通の女子高生が【ろこどる】やってみた。」(小日向縁)、「悪魔のリドル」(生田目千足)、「天使のどろっぷ」(ももこ)など。
2012年8月に、「アクセル・ワールド」後期エンディングテーマ「ユナイト」で、アーティストデビュー。同月に、「Animelo Summer Live 2012 -INFINITY∞-」に初出演を果たす。以来、アニサマには3年連続で出演することに。2016年7月から劇場公開された
「アクセル・ワールド INFINITE∞BURST」に黒雪姫として出演し、イメージソング「アラウド」を歌った。
■ベストアルバム「-INFINITE Selection-」
アーティスト盤CD+Blu-ray 3,500円+税
レーベル:ワーナー・ブラザーズ・ホームエンターテイメント/2016年9月28日発売
通常盤CD 2,500円+税
レーベル:ワーナー・ブラザーズ・ホームエンターテイメント/2016年9月28日発売
〈収録曲〉
01. アラウド
02. ユナイト
03. トワイライト
04. リンクス
05. インフィニア
06. フェイス
07. telepath~光の塔
08. 明日、晴れるかな
09. OVER(ARISA ver.)
10. sympathia
〈アーティスト盤Blu-ray収録内容〉
・Music Video「ユナイト」「リンクス」「フェイス」
・「三澤紗千香のreal oneself」 2016 ver.
(取材・文/鈴木隆詩)