「笑顔だけでなく悲しみも涙も全部シェア!」TVアニメとはひと味違う「映画デリシャスパーティ♡プリキュア」公開記念! 菱川花菜×高森奈津美インタビュー

2022年10月01日 10:000

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「映画デリシャスパーティ♡プリキュア」が2022年9月23日(祝・金)から全国ロードショーされた!

おいしーなタウンに、突如現れたお子こさまランチのテーマパーク<ドリーミア>。コメコメたちは、園長のケットシーにお子さまランチをごちそうしてもらったり、みんなで楽しく遊んでいたけど……。<ドリーミア>で何か大変なことが!

というあらすじからもうかがえるように、本作ではキュアプレシャス(和実ゆい)のペア妖精であるエナジー妖精・コメコメが大活躍!

ということで、和実ゆい/キュアプレシャス役の菱川花菜さんとコメコメ役の高森奈津美さんに、映画の見どころをうかがった。

 

 

アフレコでもお腹いっぱい? 『映画デパプリ』の収録の思い出

 

ーー台本を読んだ時の、最初の印象を教えてください

 

菱川 私、最初ケットシーを敵だと思っていたので、コメコメ、パムパム、メンメンたちとケットシーが、かわいらしくお子さまランチを食べるシーンでは、いつコメコメたちにひどいことをするんだろうとずっと身構えていたんです(笑)。でも、敵じゃないというか、むしろ、ケットシーのことを考えると、ものすごくつらい気持ちになってしまいました。

 

「デリシャスパーティ♡プリキュア」(以下、「デパプリ」)のTVアニメって、戦うけど最後は浄化して、お腹いっぱいにして終わるので、誰も辛くならないんですよね。なので今回も、ゆいちゃんの「みんなを笑顔にしたい!」という気持ちが詰まった、すごく素敵な映画だと思いました。

 

高森 コメコメの視点で台本を読んだとき、まさかこんなにコメコメにスポットを当ててもらえると思っていなかったので驚きました。TVアニメの1話でゆいちゃんと出会い、そのとき抱いた“あこがれ”を、この映画でこんなにピックアップしてくれるなんて、本当に嬉しいことだなと思いました。

 

今回、コメコメとしての夢がかなった……とも言い切れないんですけど、自分の中での落としどころとして整理がつく映画になった感じがします。

 

 

ーーTVアニメと映画で、やはり違いはありましたか?

 

菱川 ゆいちゃんにとっては1日だけど、その中でいろいろな出来事があって、今までゆいちゃんが見せなかったような表情もあったんです。ゆいちゃんだったらこう言うだろうなっていうのが全部ひっくり返ったというか。座古明史監督にも「もっと悲しんでください」と言われたりもして……。

 

ゆいちゃんも人間なので悲しんだりはするけど、悲しんでも自分で前を向ける力があると思っていたんです。ゆいちゃんはこんな寂しそうな声は出さないとか、もっと声を張ったりするんだろうなと思っていたから、ひとりではどうにもならなくなってしまう。そうなったときにどう演じたらいいんだろうっていう壁がありました。監督にそう言われて、今までの私の中のゆいちゃんのイメージを取っ払って演じるようにしたので、そこはTVアニメとは違うと思います。

 

高森 妖精たちは、TVアニメより「もっとコミカルにしてください」と言われていたので、TVアニメではやらない度合いのリアクションだったり、アドリブだったりを全員が入れているんです。本編でやったら怒られるやつかもしれないなっていうものも、映画ならではのお祭り感というか、普段とは違う非日常感も出していきたいからなんだろうなって思いました。私としては、なかなかやらないリアクションがいっぱいやれて、ちょっと楽しかったです(笑)。

 

 

ーーアフレコも、映画ならではでしたか?

 

菱川 エナジー妖精チームのアフレコは、どんな感じだったんですか?

 

高森 エナジー妖精チームは、やることやって、はい、解散!みたいな感じだったかな。でも、大人のお子さまランチというお弁当を用意してくださっていたので、妖精パートが終わって休憩に入ったときに大騒ぎになって。あとはミスタードーナツのデリシャスパーティ♡プリキュアドーナツとか。いっぱい食事を用意してくださっていたので、3人でおいしいものをいっぱい食べてた(笑)。

 

ーー菱川さんはプリキュアチームでの収録はどうでしたか?

 

菱川 いつも通り、楽しいところは楽しく、でも収録中は真剣に。なんですけど、休憩になった瞬間に、差し入れコーナーにダッシュしてました。私、井口裕香さん(華満らん/キュアヤムヤム役)と同じタイミングでプリンを食べたんですけど、私がひと口ふた口食べたときに、井口さんは完食してたんです!! それでずっと笑っていました(笑)。プリンは飲み物とおっしゃっていましたね。茅野愛衣さん(菓彩あまね/キュアフィナーレ役)には、「食べられるときに食べな~」っていっぱいおにぎりをもらったりして、帰りもバックの中は食べ物いっぱいでした。おいしい現場でしたね(笑)。

 

 

ーー菱川さんは、ケットシー役の花江夏樹さんとも一緒に収録されたそうですね。花江さんとの収録エピソードもお聞かせください。

 

菱川 一緒に収録できて良かったです。ケットシーとゆいちゃんとのシーンは、私がリテイクを何度も出してしまって……。そのたびに花江さんが付き合ってくださり、すごく恩を感じています。

 

ケットシーは台本を読んで想像していたものと全然違うキャラで、さらに切なくて辛いんですよね……。すごく迫力があるシーンでの花江さんの演技に、私も気持ちを乗せられた面もありました。花江さんの迫力に負けたくない!という気持ちでいどめたので、このコロナ禍で一緒にアフレコができて、本当によかったです。

 

あと、そのリテイクを出したシーンで、「子どもの声ってどうしたら出ますかね?」って質問をしたら、「僕が子どもの声を出すときは、幼稚園の頃を思い出してやっているよ」っておっしゃられて、「え?」ってなってたら「今の冗談」って(笑)。「えーー!!」って思ったまま「本番いきまーす」ってなったので、次お会いしたら、幼少期のお芝居の仕方をちゃんと教わりたいです(笑)。

 

高森 花江くんがどうケットシーを演じるのか楽しみだったんです。で、第一声を聞いた瞬間、さすがです!と(笑)。とても繊細な役だけど、細かい感情の機微を本当にていねいに。ディレクションが入っても、それに対応しながら、ケットシーの繊細なところを出していたので、やっぱりさすがでした。

 

エナジー妖精たちはにぎやかなシーンも一緒に録っていたんですけど、そちらは楽しく録らせていただきましたし、ゆいとケットシーとの繊細なお芝居もずっと後ろで見させていただけたので、本当に贅沢な1日でした。ケットシーまるごとセットいただきました!

 

 

菱川 私、スタジオで高森さんが10分くらい台本の裏の絵を見ていたので、どこを見てるんだろう?って、気になっていたんです!

 

高森 <ドリーミア>の作りを見てたかなぁ? 架空の舞台だから、どうなってるんだろうなって。

 

菱川 すごく真面目な雰囲気だったから、それがずっと聞けなくて……。

 

高森 それはみんなが真面目なシーンをやっているときだったからだよ(笑)。私は静かにしていようかな~って。

 

菱川 そうなんですね。すっきりしました(笑)。

 

 

特別な姿が見られる映画──観たあとは、おいしいごはんを食べよう

  

ーー映画の重要キャラクター・ケットシーの印象を教えてください。

 

菱川 ビジュアルはアフレコしたあとにしっかり見たんですけど「こんなに大きくてもふもふなんだ!」って思いました。抱きしめたらきっともふもふで気持ちいいだろうし、かわいらしいフォルムですよね。

 

ケットシーって心の奥底が純粋なので、その過去を知ると共感しちゃう部分もあるんです。だからこそ余計に切ないというか。園長としてのケットシーと、一方で別の感情を抱いているケットシー、まったく違う面が見られるので、どちらも見てほしいし、ケットシーにも感情移入していただけたらと思います。

 

高森 私も最初、ケットシーはコメコメたちと同じサイズくらいだと思っていたんです。いざ収録が始まる前に資料をいただいたら「でっか!」と思って(笑)。

 

映画ではコメコメとケットシーのシーンはたくさんあったし、そこはゆいちゃんもいて、この3人がつながる形になる話なんだなぁ、そういうところが嬉しいなって思いました。

 

菱川 素敵な映画ですよね。

 

 

ーー映画で注目してほしいポイントを教えてください。

 

菱川 TVアニメの「デパプリ」で伝えたいことってシンプルで、「ありがとう」だったり、笑顔を守りたい、そしてその笑顔をシェアしたいっていうのは、ずっと大事にしていたことなんです。それって本当に幸せだと思うし、日常でも本当にそうだなって感じることがあるんですよね。

 

だからこそ、この映画では笑顔だけでなく全部の気持ちをシェアしようとするんです。いつものTVアニメとは違った観点の、伝えたい大事なことがあると思うので、ぜひ、そこを感じ取っていただければと思います!

 

 

高森 コメコメは一貫して、ゆいみたいなヒーローになりたいという思いが根底にあるんです。だからコメコメ役として、この映画で、ゆいちゃんの涙を見るというのがものすごく衝撃で。

 

コメコメもあまり泣かない子だと思っていたので、TVアニメで初めて涙を見た時は驚いたんですけど、そういう負の感情をあまり表に出さないのがTVアニメだとしたら、映画では葛藤だったり、明確な諦めとか迷いとかを、表情だけでなく言葉としてもちゃんと出していたりするんですよね。

 

そこから「ヒーローってどういうものなんだろう」ってコメコメがぶつかった時、「デパプリ」のヒーロー性がわかるというか。私はそれが母性に近いものではないかとずっと考えていて……。これまでは物理的に強くなりたい!みたいなところがあったけど、この映画で初めて「ヒーローってこういうことなのかな?」っていう点に気づけるので、そういう話でもあるのかなと思いました。

 

 

ーー今回、お子さまランチが大きなキーワードになっていますが、お子さまランチ基本的には子どもしか食べられないものと思われがちですよね。でも大人になっても食べたい人も、意外といるのではないでしょうか……ということで子どもの頃は大好きで、大人になったら食べなくなったけど、実は今も好きな食べ物は、お2人にはありますか?

 

菱川 子どもの頃好きだったお菓子は、だいたい今でもずっと食べていますね(笑)。今はコンビニにも駄菓子が置いてあるから、見ると絶対に買っちゃうんですよ。

 

3個入りでどれかひとつがすごく酸っぱいガムとかは、TVアニメのアフレコ時に清水さんと井口さんとスタジオで食べました。見事私が酸っぱいものを食べたんですけど(笑)。

 

高森 私、小さい頃、ハンバーグやカレーのような子どもの好きなたべものよりも、アジの開きがめちゃめちゃ好きで、おじいちゃんおばあちゃんにも「あんたはアジの開きが一番喜ぶ」と言われていたんです(笑)。子どもの頃はおばあちゃんがほぐしてくれたり、子どもならではの集中力で食べるのが苦ではなかったんですけど、今はちょっと面倒で、逆に食べなくなっちゃいましたね。でも、今も好きです(笑)。

 

 

ーー今回、「わたしだけのお子さまランチ」も同時上映ということで、そちらについても教えてください。

 

菱川 香盤表に他のプリキュアの名前があるのを見て、すごくテンションが上がりました! 先輩方と一緒の作品に出られるのがすごく嬉しかったです。「わたしだけのお子さまランチ」は主観映像で、映画を観に来てくれた子たちが、ゆいちゃんたちに招待されてレストランに入り物語が展開していく内容なんです。本編とは違うワクワク感も楽しんでいただけたらと思います!

 

高森 本当に個人的な話ですけど、「ヒーリングっど♥プリキュア」にも出させていただいたことがあるので(高美ツバサ役)、「あのときのプリキュアの方だっ」って勝手に繋がったような気がして、ちょっと嬉しくなりました(笑)。

 

さすがに全部の「プリキュア」とはいかないですけど、直近のシリーズを観て育った方々が観たら絶対に嬉しくなるし、違うシリーズのキャラクターたちが会話をするのもお祭り感、特別感があると思います。

 

あとは主観映像って面白いですよね。お子さんたちはどういう気持ちになるんだろう。私も皆さんの反応が楽しみなので、ぜひ映画館で、心から楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。

 

 

ーー最後に、メッセージをお願いします。

 

高森 もしかしたらお子さんと親御さんで感情移入するキャラクターが違うかもしれないなと思いました。どちらの視点から見ても気づきのある、いい映画だと思います。やっぱりおいしいものを大好きな人と一緒に食べるというのは、本当に素敵なことなんだなって思いました。そんな「デパプリ」の原点に、あらためて気づかせてくれました。

 

それと本作では、この場でだけ特別な姿になれるという展開もありまして……。いいんですか?って、妖精組の3人は大喜びでした。それをお子さんたちがどう受け入れてくれるのか、どんなふうに喜んでくれるのかと思うとワクワクが止まらないので、みんなの特別な姿を早く観ていただきたいです。かわいいことは間違いないので、期待していてください。

 

 

菱川 ごはんがおいしそうなんですよね。テーマパークではしゃぐシーンはデパプリの4人で収録したんですけど、ずっとおいしそうって言っていました(笑)。観ていたらお腹がすく作品だと思うので、観たあとは、ごはんをいっぱい食べてほしいです! 

 

プリキュアを昔から見ていた方も、見たことがない方もみんなが楽しめる作品だと思います。同時上映の「わたしだけのお子さまランチ」も楽しみにしていてください! 

 

 

(取材・文・撮影/塚越淳一)

 

■映画情報

「映画デリシャスパーティ♡プリキュア△夢みる♡お子さまランチ!」 

同時上映「わたしだけのお子さまランチ」

大ヒット公開中!

配給: 東映

 

■TVアニメ情報

「デリシャスパーティ♡プリキュア」(シリーズ第19弾)

毎週日曜朝8 時30 分~(ABC テレビ・テレビ朝日系列にて)放送中のプリキュアシリーズ最新作!

「ごはん」をモチーフに、「ありがとうの気持ち」と「シェアする喜び」がテーマのプリキュア♪世界中のおいしいお料理が集うステキな街・おいしーなタウンを舞台に、みんなの「おいしい笑顔」を守るべくプリキュアが活躍します!

 

©2022 映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会

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関連作品

デリシャスパーティ♡プリキュア

デリシャスパーティ♡プリキュア

放送日: 2022年2月6日~2023年1月29日   制作会社: 東映アニメーション
キャスト: 菱川花菜、清水理沙、井口裕香、茅野愛衣、高森奈津美、日岡なつみ、半場友恵、前野智昭、内田雄馬
(C) ABC-A・東映アニメーション

映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!

映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!

上映開始日: 2022年9月23日   制作会社: 東映アニメーション
キャスト: 菱川花菜、清水理沙、井口裕香、高森奈津美、日岡なつみ、半場友恵、前野智昭、内田雄馬、茅野愛衣、花江夏樹、水田信二、川西賢志郎
(C) 2022 映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会

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