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「パトレイバー」や石黒版「銀河英雄伝説」登場のメカを続々とプラモ化！　株式会社エイチエムエーって何者だ!?【ホビー業界インサイド第73回】

2021年09月18日 12:000

ホビー業界インサイド

企画記事

インタビュー

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実機をベースにした架空戦闘機はキャラクターモデルなのか、スケールモデルなのか？

── F-15改イーグルプラスとF-16改ナイト・ファルコンを徹底的に検証したことはわかりましたが、小泉史人さんという方はプラモデル開発に詳しいのでしょうか？

渡辺　いいえ、彼の本業は広告デザイナーです。しかし、航空機専門誌「J-Wings」（イカロス出版）で「ヒコツク 3Dモデリングを通して知るF-2」という連載をもつほど、飛行機にも3Dモデリングにも精通しています。プラモデルとしてどう分割するかは私が考えて、弊社が頼りにしている金型メーカーさんにお願いして、金型を開発しました。「J-Wings」誌の連載企画「ヒコツク」には弊社も参加していまして、小泉さんがみずから基地などに取材して新しく考証したF-2をプラモデル化する企画も動いています。

── ほかにも、COMICリュウに連載されている漫画「夜光雲のサリッサ」に登場する「MiG-31セマルグル」という機体を、1/144でプラモデル化するそうですが？

渡辺　はい、実在する旧ソ連製のMiG-31と大型ブースターを装備したMiG-31セマルグル、2バージョンを発売します。私はSFアニメやSF映画が大好きな世代ですから、実在の戦闘機にブースターを付けて「サリッサ」という漫画作品の登場機になるなら、そういうプラモデルが欲しいわけです。「サリッサ」原作の松田未来先生からも「好きにやってください」と言っていただけました。そして、実機のMiG-31はスケールモデルとして、MiG-31 セマルグルはキャラクターモデルとして発売します。なぜカテゴリーを分けたいかというと、イーグルプラスとナイト・ファルコンを発売したとき、問屋さんに「これはキャラクター物とスケール物、どちらの売り場に置けばいいの？」と聞かれたからです。MiG-31を2種類出すなら、明確にジャンルを分けてほしいとのご意見をいただきました。新しくプラモデル事業に参入するにあたって、本来なら販路を開拓すべきところ、問屋さんが販売などのバックアップをしてくれているので開発に専念できています。

── プラモデル製品としては、石黒版「銀河英雄伝説」の1/8000「ブリュンヒルト」の開発も発表されましたね。航空機ではなく宇宙戦艦という新しいジャンルですが……。

渡辺　ブリュンヒルトのプラモデルも、やはり小泉さんがモデリングしています。私も彼も見てきたものが同じで、石黒版「銀英伝」に育てられたようなものです。「ブリュンヒルトのプラモデルこそ、私のつくるべき製品」と、熱心に訴えました。しつこいんです、私は（笑）。あきらめない性格なんです。
そして、許諾が下りたのちに、デザイナーの加藤直之さんと造型工房アルバクリエイツの大塚敏博さん、お2人から感動的なメールをいただきました。そこには「どんな心構えでプラモデル化に臨んでほしいか」が、熱い内容で書かれていました。さらに、加藤さんからは「プラモデル化するからには、商品用に細部をデザインします」とまで言っていただけて、1/8000スケールにふさわしい監修をいただいています。「この部分がこうなるのか！」と驚くような新しいディテールも、描き起こしていただけました。小泉さんのモデリングデータも作業続行中ですし、加藤さん・大塚さんの監修もまだまだ続きます。

── キット化への期待は大きいのですが、会社にはどう説明しているのですか？

渡辺　弊社の代表は石黒版「銀英伝」をほとんど知らない人間ですが、「こういう戦艦が50種類ぐらい出てきます」と説明したところ、「いいんじゃないか」と言ってもらえました。次にご紹介するイリスも、「この造形はカッコいいな」のひと言で決めてくれました。