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土岐麻子さんの歌詞は、私にとって憧れの都会の象徴です
── それにしても土岐麻子さんの歌詞は都会的で、おしゃれですよね。 豊崎 私にとっての土岐さんの歌詞は、映画やドラマに出てくるような憧れの都会の象徴でした。作詞をしていただく前にオンラインで打ち合わせさせていただいたとき、それを伝えました。私は海の近くで育ったので、東京にいても海風の感じる場所は懐かしい気持ちがして安心しますというようなお話もさせていただいて、私の中にあるものと、私の中にはない土岐さんならではの都会的な部分をうまく足して、素敵な歌詞にしていただいたのが「Cheers!」です。加えて、土岐さんとトオミさんのタッグが私は大好きで、トオミさんに作曲・編曲していただいたことで、さらに魅力的な曲になりました。
── 続く5曲目の「ランドネ」は対称的に、カントリー風の曲でした。「ハニーアンドループス」のカップリング曲で、作詞・作曲・編曲は男女2人組のユニット、ハンバート ハンバートの佐藤良成さんです。 豊崎 ハンバート ハンバートさんは彼らがCDデビューしたころからずっと好きで、いつかご一緒させていただきたいと思っていました。私が山登りが好きということで作っていただいた曲で、「ランドネ」というタイトルは最後に私が付けさせていただきました。本格的な登山ではなく、軽い山登りを指すフランス語です。
── アルバムを作る以前にあった曲ですが、「caravan!」のテーマにもすごく合っているんですよね。 豊崎 そうなんです。今回のアルバムでは変化を全肯定していきたいと言いつつも、結局、いつまでも変わらない部分が自分の中にはあるんだなと、シングル曲やカップリング曲を聴いて思いました。
── 6曲目の「マイカレー」は、「ハニーアンドループス」の前のシングル「walk on Believer♪」のカップリング曲です。先ほども話題に出た通り、仁科亜弓さんの作詞・作曲・編曲です。 豊崎 「walk on Believer♪」(作詞・作曲・編曲:橋口靖正)がアルバムの8曲目に入っているので一緒にお話しさせていただくと、まさに私の人生のテーマという感じの、ドラマチックでメッセージ性も強い「walk on Believer♪」に対してカップリング曲はゆるめに行こうと思って、亜弓さんに作っていただいたのが「マイカレー」でした。
── 仁科さんは作詞・作曲をされつつ、トイミュージックの演奏家でもある方なんですよね。「マイカレー」にもおもちゃの楽器のかわいい音がたくさん入っていました。 豊崎 亜弓さんの言葉の選び方やサウンド感には独特の世界観があって、かわいらしくて大好きなんです。今までも「anniversary」(シングル「music」収録)や「おさんぽの唄」(シングル「ディライト」収録)という絶妙に力の抜けたかわいらしい曲を作詞・作曲・編曲してくださいました。「マイカレー」は、カレーの歌には名曲が多いという私の持論があって、「自分も歌ってみたい、カレーの曲なら亜弓さんだ」と思ってお願いした曲です。
── 幸せいっぱいな曲になっていました。 豊崎 はい。家で食べるカレーも幸せのひとつの形ということで、アルバムのコンセプトにもぴったり合いました。
── 「マイカレー」と「walk on Believer♪」に挟まれた「ライフコレオグラファー」(作詞・作曲・編曲:山崎真吾)は、アルバムの新曲です。 豊崎 山崎さんは初めましての方で、豊崎愛生の第二章というテーマに沿って集めていただいた候補曲の中に、この曲がありました。最初に聴いたときに、歌詞も含めて1コーラス分が仕上がっていたんですよね。「この曲、かっこいいよね」とスタッフのみんなと話し合って、歌わせていただくことになりました。レコーディングのときは普通に歌っていたんですけど、山崎さんにアレンジしていただいた完成版を聴いたらびっくりして(笑)。
── ボーカルに加工が加わっているんですよね。 豊崎 デジタル&バーチャルな豊崎愛生の声色になっていて、新しくてかっこいいなと思いました。ボカロ的なサウンド感の曲にボカロ的なボーカルを乗せて遊んだ曲です。ソロの楽曲では今までやってこなかったクールさがある曲だったので、それに合わせて、すごくいい感じにボーカルを料理していただけたなと思います。バックトラックも、クラブサウンドらしくループが繰り返されるんですけど、いろいろな工夫がされていて飽きさせない展開になっています。