【インタビュー】楠木ともりの才能に注目!! 全曲をみずから作詞・作曲した、2nd EP「Forced Shutdown」が登場

声優、歌手になりたいと言ったとき、反対する人が誰もいなかったのが大きかったです

── 4曲目は「バニラ」。静かに始まって、どんどんエモーショナルになっていく曲でした。

楠木　20歳のバースデイライブ（2019年12月29日にEX THEATER ROPPONGIで開催された「Kusunoki Tomori coming-of-age 『WRAPPED///LIVE廿』」）で新曲を披露したいなと思って書き始めた曲です。20年間育ててくれた両親や、応援してくれる友だち、それからファンの方々への感謝の気持ちや、これからの願いがこめられた歌詞になっています。ほかの曲は歌詞のすべてが私の想いというわけではないんですけど、「バニラ」に関しては100％私で、歌詞を書くというよりも手紙や日記を書く感覚で綴っていきました。私の想いを伝えることだけを考えて作った曲です。

── 想いを伝えたい相手が、周りにたくさんいるということですね。

楠木　そうですね。声優、歌手になりたいって言ったとき、周りの誰からも反対されなかったというのが、私にとっては大きくて。「やってみな」と言ってくれる家族がいたり、オーディションのときにメッセージカードをみんなで書いて応援してくれた友だちがいたり、本当に恵まれた環境で夢に向かってがんばってこられたんです。私を支えてくれている人たちへの感謝の気持ちを、20歳という節目のタイミングで曲にできたらいいなと思いました。

── そういう想いを、バニラという言葉にこめた理由は、なんだったのですか？

楠木　この曲のバニラは、花を指していて。バニラの花言葉は「永久不滅」なんです。私の声がずっと残っていったらいいなという想いだったり、お世話になっている方との関係性が永遠のものであったらいいなという想いをこめて、この言葉を使いました。歌詞の中に「白く馨る花を添えて」という部分があるんですけど、あえて「馨る（かおる）」という字を充てているんです。「馨」という字には、よい評判が広がるという意味もあるということで、「バニラ」に合っているなと。

── 「バニラ」にもMVがあります。この映像については、どう感じていますか？

楠木　表情がちゃんと見える初のMVになりました。あえて隠すMVを今までは撮っていたんですけど、「バニラ」に関しては表情で楽曲を表現したいという思いがあって。撮る前は「できるかな？」とドキドキしていたんですけど、実際にやってみたら気持ちが高まり過ぎて、意図せず涙が溢れてきました。「バニラ」という曲は伝えたいことが明確にあったからこそ、MVも気持ちが入りました。


── ギミックがたくさんあって凝った映像になっていた「Forced Shutdown」に対して、「バニラ」はシンプルなんですよね。何もないスタジオでただ歌う姿だけを映していて、背景の色合いだけがだんだんと明るく変わっていくという。

楠木　照明の微調整によって、すごくいい効果を出していただけました。

── 楽曲もMVも本当にクオリティが高くて、楠木さんは注目すべきアーティストだと強く思いました。初回限定盤のBlu-ray、DVDには、MVやリリックビデオのほか、去年12月におこなわれた「Kusunoki Tomori Birthday Candle Live『MELTWIST』」の模様を収録した映像が収録されているんですよね。

楠木　21歳のバースデイライブの中から、オリジナル曲6曲の映像が収録されています。演出的にも、有観客とは違うオンラインライブのよさをしっかりと引き出せたライブになったと思っていますし、楽曲はアコースティックバージョンでCDとは違う感触になっているので、楽しんでいただきたいです。


── 発売形態としては、CD＋フォトブックの「フォトブック盤」というのもあるんですね。

楠木　「Forced Shutdown」と「バニラ」のMVの衣装を着て、撮り下ろしました。楽曲の世界観を、今度は写真で表現した作品になっているので、楽曲を聴きながらご覧になっていただきたいです。

── さらに、7月25日には、オンラインライブが予定されています。最後にライブにかける思いをお聞かせください。

楠木　はい。「Kusunoki Tomori Birthday Candle Live『MELTWIST』」とはまた違った感触のライブになると思います。タイトルも未定で、内容も計画段階なんですけど、歌手としての楠木ともりだけではなくて、声優としての楠木ともりも見せられるような演出をしたいなと。それによって、曲の世界をより掘り下げていく内容になると思うので、楽しみにしていてください。

楠木ともりプロフィール

くすのきともり／1999年12月22日生まれ。東京都出身。
2016年にソニー・ミュージックアーティスツ主催の声優オーディション「第5回アニストテレス」で特別賞を受賞し、翌年に声優デビュー。2018年にはTVアニメ「メルヘン・メドヘン」にて初主演を果たす。以降、「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」（レン／小比類巻香蓮）や「ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」（優木せつ菜）「遊☆戯☆王SEVENS」（霧島ロミン 役） ・「魔王学院の不適合者 ～史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う～」（ミーシャ・ネクロン 役）でメインヒロイン役を務める。
2020年8月、1st EP「ハミダシモノ」をリリースして、アーティストとしてもメジャーデビューを果たした。

CDデータ

■2nd EP「Forced Shutdown」





〈収録曲〉※全形態共通
01. Forced Shutdown
02. sketchbook
03. アカトキ
04. バニラ
05. Forced Shutdown -Instrumental-
06. sketchbook -Instrumental-
07. アカトキ -Instrumental-
08. バニラ -Instrumental-

〈Blu-ray・DVD 共通収録内容〉
[Music Video]
・Forced Shutdown -Music Video-
・バニラ -Music Video-
[Lyric Video]
・sketchbook -Lyric Video-
・アカトキ -Lyric Video-
[Live]
・Kusunoki Tomori Birthday Candle Live「MELTWIST」映像(オリジナル楽曲全 6 曲収録)

（取材・文／鈴木隆詩）