【インタビュー】SOIL & "PIMP" SESSIONSのジャズが、TVアニメ「BEM」の危険な空気感を作り出す!

2019年08月28日 22:150

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オーセンティックジャズもクラブジャズもできるのが、SOILの強みです


── スタンダードっぽいものから、クラブ寄りのダンサブルなものまで、いろいろなタイプの曲が並んでいる印象がありました。

社長 ウチの特性として、その両方ができるのが強みなんです。たとえば、「Before The Dawn」というトランペットとピアノの即興が入っている曲があるんですけど、そこでは思いっきりオーセンティック(正統派)なジャズをやっていて、そのいっぽうで、しっかり構築されたクラブ寄りの曲もあり、ロックステディもあり。そういうSOILの特性を面白がっていただいて、今回の仕事をいただけたのかなと思います。実際にメニューの文章の中に「クラブ」という言葉も、「オールドな」という言葉も入っていて、我々の音を理解して、オーダーしていただけたと思います。

── 「Before The Dawn」はムード満点で、大人っぽいバーでかかっているような曲でした。

タブゾンビ そうそう。まさに、「大人っぽいバーでかかる曲」というオーダーだったんです。

── 11曲目の「Inside」も、正統派のジャズといった雰囲気の曲ですね。

タブゾンビ 「Inside」は、SOILの既存曲をモデルに作ってほしいと言われた曲ですね。

── 作品全体のメインテーマというのは、存在するのでしょうか?

社長 1曲目の「Phantom of Franklin Avenue」がそうですね。そして、2曲目の「Blue Eyed Monster」が、ベムという主人公のメインテーマです。キャラクターのイメージで作った曲は「Blue Eyed Monster」だけで、ベム以外のキャラクターについては、特に曲を作ってほしいというオーダーはなかったですね。むしろ、「虚無感」とか「逃走」とか、シーンの状況やキャラクターたちを取り巻く空気感をイメージしたメニューが多かったです。

タブゾンビ 3曲目の「Tracking」が、逃走のテーマです。緊張感がじわじわ来る感じで始まって、途中で曲ががらりと変わって、逃走をイメージしたサウンドになっていきます。最初は打ち込みのリズムでエレクトリックな雰囲気なのに、途中からオーセンティックなジャズの4ビートになっていくという曲です。


社長 僕らの前のアルバム(2018年5月リリースのアルバム「DAPPER」)の中に「Pride Fish Ball」という曲があって、それは生音から打ち込みになっていったんですけど、「Tracking」はその逆です。

タブゾンビ SOILにとっても、新しいことができたかなと思えて、面白かったですね。さっき言った、ピアノに即興で弾いてもらった曲というのが、これです。

── 4曲目「The Light and The Shadowland」は、タイトル通り、朝靄を感じさせる、やさしいサウンド感の曲でした。

社長 プロコル・ハルムの「青い影」みたいな雰囲気というオーダーがあった曲です。メニューの中では唯一、自分たちの曲じゃないものが参考曲になっていたんですが、結果的に「青い影」とは全然違うものになりました。

タブゾンビ いや、「The Light and The Shadowland」は僕が作曲したんですけど、社長からは「青い影」のことは伝えられてないですね。

社長 いや、打ち合わせで言ったけど、覚えてないだけじゃないか? ともかく、曲の入り口としての「青い影」ということなので、それは早めに忘れてもらって、「青い影」の雰囲気に引っ張られないで作ってもらったのはよかったですね。

タブゾンビ 「The Light and The Shadowland」は自分でも気に入っていて、クラシックみたいにカウンターメロディがいくつもあって、それが重なって、いろいろなラインが流れていくという感じが、うまく出せました。

社長 12曲目の「A Sence of…」もタブさんの作曲ですね。

タブゾンビ 「虚無感」がテーマの曲です。「どんなに人間に尽くしても理解されない。いつものように誤解され、冤罪を被せられる虚しさが空気を支配する」という雰囲気で、でも、最後に希望を感じさせてほしいというのがオーダーでした。美しさと悲しさを出せたように思えて、この曲もかなり好きです。高音のハーモニーが美しくて。

── 「A Sence of…」も、作品全体を表現した曲なのかなと思いながら、聴いていました。

社長 そうかもしれないですね。ベムの虚しさが表現されている曲なので、物語の根幹に触れていると思います。

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放送日: 2019年7月14日~2019年10月13日   制作会社: LandQ Studios
(C) ADK-EM/BEM製作委員会

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