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「金色~君を好きになってよかった」は8分以上ありますが、絶対に入れたい曲でした
── DISC2のセレクトについては、いかがですか? 中島 トータル30曲にするために、14曲、アルバムのリード曲を中心に選びました。3rdアルバム「Thank You」の初回盤に特典としてB面コレクションを付けたことがあって、それを持っている方もいらっしゃることを考えると、今回はシングルのB面曲よりもアルバム曲を多めにセレクトしようかなと。また、ほかのアーティストの方の作品に参加させていただいた曲も入れたいなと思いました。
── シングル曲中心のDISC1に比べて、DISC2はよりバラエティ豊かなラインアップで、中島さんの趣味性も反映されているように感じました。
中島 アニソンって全部そうだと思うんですけど、ジャンルの垣根がなくて、どんな曲調にもチャレンジできるんです。思い入れのある曲が山ほどある中で、今回は私が歌ってきた曲の音楽性の広さを感じていただける選曲にしたいという思いが、DISC2にはありました。しかも年代順に並べているから、前後のバランスを考える必要がないという強みもあり、選曲しやすかったです。
── 1曲目は「Be MYSELF」。1stシングル「天使になりたい」のカップリング曲です。 中島 懐かしかったです。この曲は、ニコ動で「踊ってみた」をみんなにやっていただこうという企画があって、しゃかりきに踊った思い出があります。
── 2曲目の「Raspberry Kiss」は、2009年7月8日にリリースされた配信限定シングルです。 中島 ディスコソングやユーロビートも好きなので、そういう曲調も歌いたいなと思っていたところに、ドンピシャな曲をいただけて、個人的に大好きなんです。当時、ライブでも盛り上がっていた曲で、その頃だからこその勢いを、改めて感じました。ちなみに、「Love! For Your Love!」は、「Raspberry Kiss」の私がそのまま30歳になったイメージでもあるんです。
── 3曲目の「Sunshine Girl」は、1stアルバム「I love you」のリード曲です。 中島 リード曲でありつつ、1stアルバムの中でもチャレンジングな曲でした。キーが高くて、サウンド的にはロック寄りでありつつ、20歳くらいのときしか出せないアイドル感もあって。
── 当時の中島さんからすると、ちょっと変わったことをやった曲だったと? 中島 「劇場版 マクロスF」の前編と後編の間で、ランカのイメージを壊したくはないけれど、殻は破りたいみたいな感じで、1曲1曲慎重に作っていた時期でした。そんな中で、アルバム用に早川大地さんに書き下ろしていただいた曲で、レコーディングがすごく楽しかったのを覚えています。
── 4曲目の「夏鳥」は、OVA「たまゆら」パッケージ版第2巻のエンディングテーマです。「たまゆら」関連曲としては、「メロディ」に続く曲ですね。 中島 「たまゆら」は私にとってすごく大きくて、この作品と出会うことで、アーティストとしての階段を無理することなく上がれたような気がします。「夏鳥」は「メロディ」とほぼ同時期に録ったのですが、(沢渡)楓ちゃんたち女子高生の心情というよりは、お父さんの心情を表現した大人っぽい曲でした。私の年齢で説得力を出せるのかなってドキドキしながら、レコーディングした覚えがあります。
── 大切な記憶を振り返っている、ノスタルジックな曲ですよね。 中島 そうなんです。でも、この頃は毎年、竹原の照蓮寺で「たまゆら」のイベントがあって、境内のステージで夕陽の中で歌う「夏鳥」が、私の定番になっていました。大人っぽい曲でも、アニメと一緒に解釈することによって自分の中でかみ砕くことができたと思います。「神様のいたずら」もそうですが、「夏鳥」も自分が成長するきっかけとなった曲でした。
── 5曲目の「つながるまで」は、TVアニメ「セイクリッドセブン」の最終回エンディングテーマです。 中島 「たまゆら」の曲とともに、バラードに向かい合った曲でした。宮川弾さんの作詞・作曲・編曲で、バックの音数がものすごく少なくて、私の声だけが聞こえるようなアレンジだったんです。これもまた、声に説得力がないと成立しない曲で、挑戦でした。
── 今、聴き返してどう感じましたか? 中島 私は自画自賛することはほとんどないんですけど、「つながるまで」のボーカルはとてもいいと思います!(笑)。 逆に今の私ではできないかもしれないと思うようなニュアンスがついていて、ディレクションしてくださった弾さんのおかげです。「たまゆら」曲とは違うベクトルでワンステップ上がった曲として印象的に残っていたので、ベストに収録しました。
── 元気な3曲から始まって、「夏鳥」「つながるまで」でしっとりして、年代順に並べたにも関わらず、いい流れになっていると思いました。 中島 自然とそうなりました。不思議なほど、いい流れで次の「金色~君を好きになってよかった」に続いていくんです。
── 「金色~君を好きになってよかった」は、ベストに収録されてなかったら、ファンは納得できないというくらいの曲です。 中島 今では、ライブのアンコールで必ず歌う曲になりました。中島 愛名義の曲の中では、唯一、菅野よう子さんが作曲してくださっていて、ラスマスさん印の曲でもあり(作詞は山田稔明、編曲はラスマス・フェイバー)、絶対に入れたかったんですが、8分もあるのでどうしようと思いました(笑)。
── 後半はボーカルが入らない部分が、かなり長く続くんですよね。さすが菅野さんという、きれいなだけでは終わらない個性的な曲です。 中島 8分もあるのに冗長さをまったく感じさせないのがすごいですよね。この曲を表現するには、この長さが必要だったと、改めて思いました。これがアルバムの最後ではなく、まん中あたりに来るというのが新鮮なので、ぜひ曲順通りに聴いていただきたいです。私にとっては過去と現在と未来をつないでくれるような曲です。