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初回生産限定盤は、好きなイラストを表紙に入れ替えできる仕様になっています
── 6曲目は夏ですね。「冷凍庫にアイスが増えていく」(小説)をもとにした「ソーダアイス」(楽曲)。作詞・作曲・編曲はbuzzGさんです。 みあ 「別れ」をテーマにしたいなと思って、別れた後の気持ちを小説にしました。別れた後も、その人の気配ってきっと残っていると思うんです。一緒に歩いた道を通ると付き合っていた頃のことを思い出したりするじゃないですか。夏ということで、そんな気持ちをアイスとかけられないかなと思って書いていきました。この主人公も、素直に自分の気持ちを表すことができない女の子なんですよね。
── 楽曲の印象はいかがですか? みあ ドラムが激しくて、若さならではの衝動感がある楽曲になったと思います。でもギターは軽やかで夏っぽさもあって、この曲もすごく気に入っています。レコーディングでは気持ちを吐き出すように歌いました。
── 次が、先ほども話に出た「グッバイパンプキン」(小説)をもとにした、「ビタースイート」(楽曲)です。この曲の特徴として、暴れまくっているピアノがあります。 みあ ピアノは聴きどころです。作詞・作曲・編曲のすこっぷさんとの打ち合わせでも、病みまくったピアノを入れてくださいとお願いしました(笑)。「アイロニ」というすこっぷさんが作ったボカロ曲があるんですけど、私はその曲が大好きで、「アイロニ」みたいなトーンで最後まで暗い感じで作っていただいたんです。なので、デモを聴いた瞬間、「これ、これ!」と思って。自分の頭の中で鳴っていた音をそのまま、すこっぷさんが表現してくださったと言っていい曲です。ボーカルも病んでいる感じで、闇の深い人のけだるさみたいなものが出ていると思います。最近、YouTubeでリリックビデオを公開したんですけど、「これまでの三パシと違う」とリアクションがざわついてて(笑)。でも、それをよしとして受け入れていただいているのがうれしかったです。
── 次も秋の歌ですね。「バスとコスモス」(小説)をもとにした「ラフスケッチ」(楽曲)。作詞作曲編曲は40mPさんです。これは出会いの曲ですね。 みあ 秋の別れの曲を作ったので、今度は出会いをテーマにしようと。エッジの効いた楽曲がアルバムに多くなりそうだったので、この曲だけはやさしくて温かみのある、ホッとするものにしようと思いました。なので小説も、小さな始まりの音が聞こえてくるような、やさしい雰囲気が漂う話になっています。ドキドキする、心臓の音が高鳴る出会いではなく、初対面のときにもしかしたらこの人と今後、付き合うかもしれないなと感じるような静かに恋が始まっていく物語で、主人公の女性の年齢感もある程度恋を経験した大人になっています。
── 楽曲の印象はいかがですか? みあ この音が欲しいと思った、そのものという感じの温かみのある曲を40mPさんが作ってくださいました。「ビタースイート」に続いて収録されているので、ここでホッとしていただきたいです。
── そしてラストが「東京」。小説も楽曲も同じタイトルになっていて、この曲だけはみあさんが作詞もされています。 みあ アルバムのエンディングになる曲として、終わりと始まりの両方を感じられるものになりました。どの小説の主人公にも自分の気持ちが投影されている部分があると思うんですが、「東京」の主人公は特にその部分が多いです。私も地方から東京に出てきたんですけど、東京が好きで、夢を追う人が集まる場所だなと思うんですよね。自分もその中のひとりで、田舎にいた頃は東京に行くだけで夢がかなうような気がしていて、期待と希望しかなかったんです。でも、東京に来たら、夢のかけらに触れられる瞬間もあるんですけど、そればかりじゃないし、なんでうまくいかないんだろうって思うことのほうが実は多かったりするし。そういう実感を物語にしてみました。
── 音楽で夢を追いかけている女の子の話ですね。 みあ 地元にいた頃そばにいてくれた大切な人と今は離ればなれになって、東京に来て音楽で生きていこうとしている女の子です。歌詞に出てくる「君」がその人なんですけど、君との距離感を表現するために、歌詞ではあえて「ですます」調を使っているんです。本当はすごく苦しくて地元に帰りたいけど、でも自分はこの街でがんばっているんです、と強がる気持ちと、君と離れてしまったよそよそしさの両方が、「ですます」調にすることで伝わるんじゃないかと。でもサビだけは本当の気持ちがこぼれてしまって、「ですます」ではなくなっているんです。
── やはり強がっている女の子なんですね。 みあ そうですね(笑)。
── 作曲・編曲はゆうゆさんで、シンプルなサウンド感が印象的でした。しっとりとアルバムが終わっていく感じがよく出ていたと思います。CDは2タイプでのリリースになりますが、ガールズブルー・ハッピーサッド盤(初回限定盤)は超豪華仕様ですね。 みあ 書き下ろし小説の文庫本と、リリックビデオに使われているイラストが10枚封入されています。ジャケットは紙芝居形式というか、好きなイラストを表紙に差し替えられるようになっているんです。判型も大きくて、インテリアとして部屋に飾って楽しんでいただけるようなデザインになっています。
── イラストはすべて、ダイスケリチャードさんです。 みあ 「ガールズブルー」の企画を始めるときに、どなたかコンセプトに合うイラストレーターさんはいないかなと探していて、出会った方です。三パシのけだるさや、素直になれない女の子像とすごくマッチするように思えて、「ガールズブルー」の2曲に続いてアルバムでも、がっつりアートワークを担当していただきました。
── 女の子の表情が独特で、引きこまれる魅力があります。 みあ 何を考えているかわからない感じがいいですよね。リリックビデオにはめてみてもすごく相性がよくて、すばらしい方に描いていただけたと思っています。
三月のパンタシアプロフィール
ボーカリスト「みあ」による音楽ユニット。
2016年6月1日に、1st シングル「はじまりの速度」(TVアニメ「キズナイーバー」エンディングテーマ)でメジャーデビュー。現在まで6枚のシングルと、1stアルバム「あのときの歌が聴こえる」をリリースしている。
2018年8月に、「音楽×小説×イラスト」を連動させた自主企画「ガールズブルー・ハッピーサッド」をWeb上で始動。第1弾楽曲「青春なんていらないわ」は、YouTube公開後、3か月で200 万再生を突破し、10代の男女を中心に広がりをみせ、いまもっとも注目される音楽ユニットのひとつになっている。
CDデータ
■2ndアルバム「ガールズブルー・ハッピーサッド」
ガールズブルー・ハッピーサッド盤[初回生産限定盤](CD+BD) 4,600円(税別)
※みあの書き下ろし小説(文庫本)+イラストカード(10枚)を封入。オリジナルスペシャルパッケージ仕様
レーベル:SACRA MUSIC/3月13日発売
通常盤(CD) 3,000円(税別)
レーベル:SACRA MUSIC/3月13日発売
〈収録曲〉
01.三月がずっと続けばいい
02.ピンクレモネード
03.風の声を聴きながら
04.パステルレイン
05.青春なんていらないわ
06.ソーダアイス
07.ビタースイート
08.ラフスケッチ
09.ルビコン
10.街路、ライトの灯りだけ
11.コラージュ
12.東京
〈ガールズブルー・ハッピーサッド盤BD収録内容〉
01.ルビコン
02.風の声を聴きながら
03.ピンクレモネード
04.青春なんていらないわ
05.街路、ライトの灯りだけ
06.三月がずっと続けばいい
07.ビタースイート
08.パステルレイン
インフォメーション
●三月のパンタシア LIVE 2019「ガールズブルー・ハッピーサッド」
公演日:2019年6月9日(日)
会場:東京 EX THEATER ROPPONGI
開場 16:00 / 開演 17:00
※詳しくはオフィシャルサイト http://www.phantasia.jp まで
(取材・文/鈴木隆詩)