【インタビュー】2019年、まずはホッとひと息。三森すずこのミニアルバム「holiday mode」は穏やかな1枚

「星屑のカーテン」は聴いた瞬間、なんていい曲なんだ！と思いました

── 4曲目は「Swing of Love」。ジャジーでおしゃれな曲でした。

三森　3rdアルバム「Toyful Basket」に収録されている「ドキドキトキドキトキメキス♡」を作ってくださったPandaBoYさんの作詞・作曲・編曲です。PandaBoYさんは打ち込み系の音楽が得意で、ジャズは専門外だとうかがっていたんですけど、あえてこういう曲をお願いしてみました。PandaBoYさん自身、ドキドキされていたらしいんですけど、素敵な曲になりました。歌詞は最初、もう少し年齢感が低かったんですけど、ジャズということで、私から「もう少し大人っぽくしてください」とオーダーさせていただきました。

── 休日の夜の街に繰り出そう、という内容の歌詞ですよね。

三森　そうですね。明日も休みの土曜日のイメージです。

── 「大人にも色々あるんです」という歌い出しのところに、「はぁ」というため息がセリフで入っています。

三森　歌い終わった後に、「ため息、ください」と言われて何パターンか録りました。歌い出しと、後半にもう１か所ため息が入っているんですけど、レコーディングしたときはどこに使うかわからなくて、とりあえず音声素材として録ったんです。それをPandaBoYさんが後で、効果的な個所に入れてくださいました。


── 5曲目は「星屑のカーテン」。作詞・作曲が渡辺翔さん、編曲が中山真斗さんです。

三森　翔さんが、2018年に自分が作った曲の中で一番よくできた、とおっしゃっていました。私自身も、最初に聴いたとき、なんていい曲なんだ！と思って、意気込んでレコーディングに臨みました。でも、翔さんの曲にはじわじわと難しさがわかってくる曲が多くて、3rdシングルの「ユニバーページ」もそうだったし、1月のANIMAX MUSIX 2019 OSAKAでカバーさせていただいたClariSさんの「コネクト」もそうで、今回も「これこれ、この難しさ」という翔さん感を感じながら歌いました。緻密な曲だからこその難しさなんですよね。

── 歌詞については、どう思いましたか？

三森　部屋でひとり、休みの日の夜を満喫している歌詞です。窓の外には夜空が広がっていて、明日は平日なんだけど、夜更かしして寝てなくて、寝不足になっちゃうかもしれないけど、まあ、いいかなっていう、リラックスしている感じが素敵だなと思いました。

── 「眩しい彗星の最後尾で退屈さを嘆いた」という一節があって、文学的だなと思いました。

三森　そうなんです、詩的なんです。

── 今回のリード曲で、ミュージックビデオ(MV)も作られていますね。

三森　オルゴールすずこですね（笑）。

── そう、部屋でリラックスしている三森さんが、オルゴールの人形を見つめていて、その人形も三森さんが演じているんですよね。

三森　オルゴールすずこは、回転台に乗って回って撮影するのが、目が回っちゃって大変でした。


── しかも人形なので、ピタッと動かないまま回転しているんですよね。

三森　撮影のときは映像の倍くらいの速さで回っていて、体を動かしてはいけないだけじゃなく、視点も固定してキョロキョロしないようにしなくてはいけなかったので、心を無にして演じました。それから、アドリブでダンスするシーンもあって、そこも難しかったです。

── オルゴールの人形が踊っている、幻想的なシーンですね。

三森　「バレエ踊ってください」ってその場で言われて、大丈夫かな？って思いながら踊ってました（笑）。

── 現実のほうの三森さんは、黄色のカーディガンで大人っぽかったです。

三森　部屋でリラックスしているときの服をイメージした衣装でした。今回のMVは全部、夜のシーンで、それを朝から夜まで撮っていたので、時間感覚が麻痺しました（笑）。