Switch版「ナムコミュージアム」レビュー【今だから遊びたい! 懐かしのレトロゲーム第1回】

2018年08月28日 12:000

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アキバ総研読者の皆様はじめまして、風のイオナと申します。ライター業22年目の新人ですが、どうぞよろしくお願いします。シューティングからギャルゲーまでゲームならなんでもプレイする雑食ゲーマーです。

今回、「最新ハードで遊べるレトロゲーム」を紹介するコラムを書かせていただくことになりました。その第1回は、Nintendo Switch版「ナムコミュージアム」を紹介します。じつは22年前、駆け出しのライターだった1996年に書いた記事のひとつにPS版「ナムコミュージアム」シリーズがありました。個人的に80年代のナムコアーケードゲームが好きだったので、「書きたいです!」とアピールして書かせてもらったのですが、今こうして「ナムコミュージアム」の記事を書いていると、思わず当時にタイムスリップしてしまいそうです。

さて、「ナムコミュージアム」といえば、同社のアーケードゲームを収録したナムコの定番アイテム。1995年にPSでリリースされて以降、さまざまなハードで収録タイトルをリニューアルしながらリリースされていますが、過去に何度購入したとしても最新ハードで「ナムコミュージアム」がリリースされれば購入してしまう、それがゲーマーの性なのです。サンマに大根おろし、ビールに餃子、ゲームハードに「ナムコミュージアム」と、なくてはならない存在なんです。

今回の「ナムコミュージアム」にはアーケード版の移植のほか、決められた条件の中でプレイしていく「チャレンジモード」も搭載されています。こちらのモードのプレイも新鮮でなかなか熱い! ということで、まずはNintendo Switch版「ナムコミュージアム」に収録されれている11タイトルを紹介していきましょう。

■「パックマン」
1980年にリリースされた、ナムコを代表するキャラクター・パックマンの第1作。主人公のパックマンを操作して、迷路内のクッキーをすべて食べればステージクリア。迷路の四隅にあるパワークッキーを食べると敵ゴーストに反撃することができる。ゴースト1匹目は200点だが、食べるごとにスコアが倍になっていき、4匹目には1,600点になるため、ハイスコアを狙うにはいかにしてゴーストを4匹食べるかが攻略のポイントとなる。

チャレンジモードは、3分間にできるだけ多くのゴーストを食べることを競うというもの。このモードではパックマンの残機が無限なので、ステージクリアよりもゴーストをたくさん食べることにこだわりたい。やっぱり「パックマン」は1,600点獲得の達成感を味わってこそだ!



■「ギャラガ」
「ギャラクシアン」の続編として、1981年にリリースされた固定画面シューティング。ボス・ギャラガにとらわれたファイターを救出するとデュアルファイターにすることができ、より強力な火力で敵を圧倒できる。一定ステージごとにプレイできるボーナスステージ「チャレンジングステージ」では、敵の攻撃を気にすることなく撃ちまくる爽快感が楽しめる。

チャレンジモードは3分以内にファイター救出の回数を競う。ステージごとにファイター救出回数のノルマがあり、このノルマを達成すればクリア。ノルマを達成できずにステージクリアしてしまうと、残り時間があってもゲームオーバーになってしまう。ノルマ2以上になるとあえてボス・ギャラガを残す必要があるなど、通常プレイとは異なる戦略的なプレイが楽しめる。



■「ディグダグ」
1982年にリリースされたアクションゲーム。主人公のディグダグを操作して、地中の穴を掘り進めながら、敵のプーカァとファイガーを全滅させるのが目的だ。攻撃方法は、突き刺したモリにポンプで空気を送って破裂させる方法と、地中に埋まっている岩石を落としてしてまとめて倒す方法の2種類。また、ふくらんだモンスターは動けなくなるので、その間にモンスターをすり抜けたり、薄い壁の向こうからモリを発射したりといったといったテクニックも用意されている。

チャレンジモードは、3分間の間に岩で敵を倒した数を競うというもの。ラウンド内のノルマはないが、「潰しポイント」は岩で倒した場合にしか入らないため、画面内の岩をすべて使い切ったうえで敵が残っていた場合はモリで倒す方向に切り替える。プレイ感覚はノーマルモードとまったく同じなので、岩潰しの練習の場として考えればいいかもしれない。


■「ドルアーガの塔」
1984年にリリースされた、アーケードゲームに初めてRPG要素を取り入れたアクションゲーム。悪魔ドルアーガにとらわれた恋人のカイを救い出すため、黄金のナイトになったギルが全60階のドルアーガの塔に挑む。各フロアには宝箱が隠されており、リリース当時は宝箱を出現させるための条件を探し出すことがゲーマーの最大の目的だった。なお、Nintendo Switch版では宝箱の出し方をゲーム内で確認することができるので、純粋なアクションゲームとして楽しむのもいいだろう。

チャレンジモードは全60階から厳選された11フロア(2、26、33、37、38、45、48、52、58、59、60)のクリアスピードを競うのが目的。ギルの装備はそのフロア到達時点の最強装備になっているので、ノーマルモードをクリアできる実力があるなら、その応用で問題なくクリアできる。そこからのスコアアタックを目指したい。


■「スカイキッド」
1985年リリースの2人同時プレイ可能なシューティングゲーム。ステージ道中の爆弾を使って攻撃目標を破壊することが目的だ。シューティングとしては珍しい強制左スクロールのゲームで、敵弾に当たっても墜落中にボタン連打で復活できるのも特徴となっている。

チャレンジモードは、ノーマルモードの最終ステージである「ミッション21」のみをプレイし、スコアを競う。ハイスコアを狙うには、攻撃目標を破壊するだけでなく、道中のザコ敵を可能な限り倒すことが求められる。最終面だけあって難易度が高く、さすがにノーマルモード未プレイ、または前半ステージまでしか到達できてないのであれば、チャレンジモード挑戦は避けたほうがいいかもしれない。


■「ローリングサンダー」
1986年リリースの横スクロールアクションゲーム。主人公のアルバトロスを操作して秘密組織「ゲルドラ」の地下基地へ潜入し、とらわれてしまった女性工作員のレイラを救出することが目的。各武器には使用回数があり、ステージ内では弾丸の補充ができる。スパイ映画のような渋い世界観が特徴で、筆者の場合は年齢を重ねるにしたがってその魅力がじわじわと伝わってきたゲームである。

チャレンジモードは、上記「スカイキッド」同様、最終ステージでのスコアを競うのが目的。プレイヤーに与えられた3分間以内に、ザコ敵の猛攻をくぐりぬけて最後に待ち受けるボスを倒せばクリア。慣れないうちは時間内にボスまでたどり着くことも難しい。やはりノーマルモードをある程度プレイしてから挑んだほうがいいだろう。


■「ギャラガ'88」
1987年にリリースされた「ギャラガ」の続編で、ボスキャラが登場する縦スクロールステージや3機合体したトリプルファイターが登場。ボーナスステージの「ギャラクティック・ダンシング」では、敵がBGMに合わせた華麗なダンスを披露してくれる。

チャレンジモードは、全6ステージのギャラクティック・ダンシングをプレイし、スコアを競うというもの。最初の2ステージはトリプルファイター、次の2ステージはデュアルファイター、最後の2ステージはシングルファイターで挑戦し、セットとなった2ステージのどちらかでパーフェクトを出すと次のステージに進むことができる。4ステージ目までは敵の動きを覚えればパーフェクトが取れるが、シングルファイターで挑む最後の2ステージは難関!


■「スプラッターハウス」
1988年リリースの横スクロールアクションゲーム。プレイヤーは、謎のホッケーマスク「ヘルマスク」によって超人的な身体能力を得た主人公・リックとなり、怪物たちにさらわれた恋人・ジェニファーを救い出すためにスプラッターハウスの奥へと足を踏み入れることになる。ホラー映画を彷彿とさせるグロテスクな要素を多数盛り込んだ異色の世界観と、悲劇のエピローグで多くのファンをつかんだ。

チャレンジモードは、5分間の制限時間でステージ5でスコアを競う。ステージ構成はノーマルモードと同じだが、ステージ5はルート分岐があるため、より多くのスコアが稼げるルートを構築する必要がある。


■「タンクフォース」
味方の司令部を守りながら敵戦車を破壊する、ステージクリア型のアクションゲーム。1991年リリース。固定画面のアクションゲームで、敵の戦車をすべて破壊すれば面クリアとなるが、破壊されると残機が何機残っていてもゲームオーバーになるというゲームシステムが特徴で、攻守のバランスを考えた行動が重要になる。また、2人同時プレイも可能。

チャレンジモードは、ステージ29を使用して3分間のスコアを競う。ノーマルモードとは異なり敵が無限に出現するほか、自機の残機も無限。しかし敵の猛攻が激しく、最初は持ち時間の3分間を持たせることすら至難の業。少しずつ敵の撃墜をパターン化していけば3分間戦えるようになる。


■「ローリングサンダー2」
上記「ローリングサンダー」の続編として1991年にリリースされたアクションゲーム。前作で救出したレイラがプレイヤーキャラに加わり、アルバトロスと2人でよみがえった悪の秘密組織ネオゲルドラに戦いを挑む。全8ラウンド。

チャレンジモードは「ローリングサンダー」同様、最終ステージをプレイしてスコアを競う。時間内にボスを倒せばクリアとなる。こちらも最終面だけに敵の攻撃が激しく、ノーマルモードをクリアできない腕前では、時間内にボスまでたどり着くのも難しい。ある程度ノーマルモードで鍛えてから挑んだほうがよいだろう。


■「パックマンvs.」
任天堂の宮本茂氏が「パックマン」を対戦ゲームにアレンジしたゲーム。2003年にキャンペーン特典として配布されたほか、2007年リリースのDS版「ナムコミュージアム」にも収録されている。ゲームは、クッキーを食べるパックマンと、パックマンを捕まえるゴースト役に分かれてスコアを競い合うというもの。パックマンがゴーストに捕まると役が入れ替わり、ゲーム開始時に設定したスコアに到達したプレイヤーが勝ちとなる。本作ではパックマンを捕まえるゴースト役になれるのが新鮮! パワークッキーを食べたパックマンに食べられてしまう体験はなかなかカイカンでクセになりそう! ……筆者はもしかしたらMかもしれない。

なお、Nintendo Switch1台でプレイする場合は最大3人でゴーストのみを操作してパックマンを追いかけるモードがプレイ可能。Nintendo Switchを2台用意すれば、無料配信の専用ソフト「パックマンvs. 持っている人と対戦版」をダウンロードすることで、ローカル通信でパックマン側(1人)・ゴースト側(1人~3人)に分かれて遊ぶことができる。とにかく複数人プレイが熱いので、人が集まった際にはぜひとも対戦でプレイしたいゲームだ。


……ということでNintendo Switch版『ナムコミュージアム』でプレイできる11作品を紹介してきたわけですが、レトロゲームといえばプレイヤーごとにプレイした当時の思い出というものがあるもの。もちろん、筆者にも1タイトルずつ、いろいろなロケーションでプレイした思い出が残っています。

そうした思い出話もまたレトロゲームを語るうえでの魅力。ここでは紹介したタイトルから2タイトルをピックアップして筆者の思い出語りをしたいと思います!

【レトロゲー思い出がたり】その1「ドルアーガの塔」
まず1本目は、「ドルアーガの塔」。アーケード版リリース時は、ほかのプレイヤーがプレイしているのを見たことがある程度で、ゲームの面白さを理解していなかったのですが、ファミコン版がリリースされた時にその魅力にどっぷりとハマってしまいました。


友人が発売日に買ったというので遊びに行っていっしょにプレイ開始。当時のファミマガに掲載されていた15階までの宝箱の出し方を参考に進めていったものの、16階以降はさっぱりわからずじまい。仕方がないので宝箱を出すのをあきらめて進めていったはいいのですが、今度は20面で画面が真っ暗に。「なんて難しいゲームなんだ……」と思いつつ、それがゲームの仕様だと信じて疑わないまま、真っ暗な画面のまま23階までプレイして友人とともにギブアップ。もうこのゲームはいいや……とその瞬間思ってしまったのでした。


しかしその後、別の友人が「ドルアーガの塔」を持って家にやってきました。友人は「このゲームの面白さを知ってほしいからやってみてよ」と言うのです。自分は「そのゲーム、途中で画面真っ暗になっちゃうし、難しいからいいよ」と断ったら、今度は「それは宝箱を取ってないからだよ。この本があればすべての宝箱を取れるんだ」と言って「ドルアーガの塔のすべてがわかる本」という攻略本を取り出しました。その攻略本には確かにすべてのフロアの攻略法と宝の出し方が載っていたのです。

友人の助言を受けながらプレイを進めると、下手ながらもしっかり宝箱を取って進んでいくことができ、全60階の半分である30階まで進むことができたのです。友人はゲームソフトと攻略本を貸してくれたので、その日の夜に再度ひとりで「ドルアーガの塔」に挑戦。約2時間かかったものの、ひとりで全60階をクリアしてしまい、「自分みたいなゲーマーでもここまでクリアすることができるんだな」と、自分自身に驚いてしまったほどでした。


しかし、クリアしたら終わりではなかったのが「ドルアーガの塔」。このゲームのことをもっと知りたいという欲求が泉のように湧いてきて、攻略本に書かれたゲームのストーリーを食い入るように繰り返し読み、さらには友人同士でアーケード版「ドルアーガの塔」のクリアに挑戦してみよう、ということになりました。各自少ないお小遣いから捻出したお金を持ち寄り、土曜の午後にゲームセンターに集合。攻略本片手にコンティニュープレイを続け、アーケード版をクリア……することは残念ながらその日はできませんでした。やはりファミコン版との勝手の違いもあって予想もしないフロアで手こずり、全員が持ってきたお金を使い果たしてしまったのでした。

それからというもの、新しいハードでリリースされるたびに、いつもあの頃「ドルアーガの塔」に惹かれてしまった時のことを思い出しながらプレイしてしまうのです。


【レトロゲー思い出がたり】その2「スプラッターハウス」
2本目は「スプラッターハウス」。このゲームがゲームセンターに登場したのは、ちょうど自分が中学2年生くらいのころでした。高校受験を控えていたこともあって学習塾に通っており、その帰りにゲームセンターに寄るのがひそかな楽しみでした。

当時、ゲームセンター内で不気味な音声を響き渡らせていたのがこの「スプラッターハウス」。甲高い叫び声や気持ち悪いうめき声が断続的に聴こえてきて「なんだろう、この声のするゲームは……」という好奇心で引き寄せられたのが最初でした。


「スプラッターハウス」の台の近くに移動してみると、その画面に映っていたのは、女性が不気味なモンスターに変身してプレイヤーに襲いかかってくるシーン──そう、ステージ5のジェニファー戦だったのです。あまりにも強烈な演出を見せられて画面に釘付けになってしまい、誰かが「スプラッターハウス」をプレイし始めれば後ろでプレイを眺めるのが楽しみになりました。後ろから他人のプレイを眺めるうちに、ポルターガイスト、ピギーマン、ミラーリックなどの演出が強烈に脳裏に焼き付き、すっかり「スプラッターハウス」に魅せられてしまったのです。


「スプラッターハウス」はそれほど難易度の高いゲームではなく、プレイする人のほとんどが終盤まで進んでいたため、後ろで見ていた自分もすっかり攻略法を覚えてしまいました。実際に自分でプレイし始めたのは、何度もエンディングまでのプレイを見たあとのこと。最初は人のプレイを見ているだけで満足していたのだけど、やっぱり自分でもプレイしてみたいと思い、プレイ開始。他プレイヤーがプレイしていたのを、そのまま模擬するようにプレイしていき、7プレイ目には1コインクリアを達成。クリーチャーによって化け物に変えられてしまった恋人のジェニファーをリック自身が葬り、最後はリックひとりでスプラッターハウスを脱出して終わるという、救われないエンディングは心に残るシーンでした。


移植されたPCエンジン版やFM TOWNS版「スプラッターハウス」も購入してよくプレイしていたのですが、それは大好きなゲームを手元に置いておきたいという気持ちが強かったのだと思います。Nintendo Switch版「ナムコミュージアム」でも何度も「スプラッターハウス」をプレイしてきましたが、何年経っても好きな映画を観る感覚で「スプラッターハウス」というゲームの世界観に浸りたくなってしまうのです。


最初から長くなってしまいましたが、「今だから遊びたい! 懐かしのレトロゲーム第1回」はいかがだったでしょうか。レトロゲームというのはシンプルな面白さはもちろん、過去の思い出を蘇らせてくれるのが一番の魅力だと思います。皆さんも最新ゲームをプレイしつつ、たまには懐かしいゲームを遊んで思い出に浸ってみるのもいいものですよ。それではまた次回!

【商品情報】
■「NAMCO MUSEUM(ナムコミュージアム)」
・配信日:配信中(2017年7月28日)
・プラットフォーム:Nintendo Switch
・価格:2,778円(税別)
・ジャンル:バラエティ
※本作はダウンロード版のみの販売となります。

<Writer's Profile>
■風のイオナ
1996年にゲーム雑誌の編集者としてメディアデビューし、以降22年に渡って活動し続けているエディター&ライター。ゲーム、音楽、旅行、自転車、野球(広島カープ)が特に好き。魅力的なライターさんたちと面白いゲーム誌を編集するのが今の生きがいです。
・Twitter:@ionadisco

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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