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ラーメンを「食す」音作りの追求
── ラーメンをすするときに出す音についてはどのようにお芝居をされていましたか? 佐倉 すする音は私たちの芝居にプラスして低音を効果音として足してくれているんです。私たちがマイク前ですするお芝居をしても、高い音のすすり音しか出ないんですよ。役が決まってからプライベートでラーメンを食べる時は意識をしていたのですが、リアルに麺を食べる時は、口をすぼめて「オ」の形になるのですが、そうすると舌が触れないからマイクに音が乗らないんですよね。最初、実際にラーメンを持ち込んでいいかどうかを聞いたのですが、さすがに液体の入った丼はNGでした(笑)。
── 食べるラーメンの種類によってお芝居を変えたことはありましたか? 佐倉 太麺だったらちょっと低い音になるだろうなとか、平麺っぽかったら1本1本が太くて本数が少ないから、こういう音にしようとかはなんとなく考えていました。
── 麺を冷ます時の息はアドリブですか? 佐倉 そうですね。それは全部自前でした。個人的な話をすると、私は物を食べるときに出す芝居があまり得意でなくて。誇張表現としての「はむっ」という音とか、食べながらしゃべるとか。我が家では「口に物が入ってる時にしゃべるな」とずっと言われていたので、口の中にものが入っている時にどういう音になるか、体感としてあまりピンとこなくて、そこは試行錯誤をしつつでしたね。
竹達 私も苦手なんですよね。リアルとはまた違うじゃないですか。実際に食べている音ではなく、「食べている風」だから、正解がわからなくて。技術的と言うか感覚でやっているから説明するのは難しいんですけれども。小泉さんとして演じるときには、彼女が普段セーブしている感情を全部ラーメンに吐き出しているかのように、小泉さんであって小泉さんではないくらいの勢いで、ジュルジュルって感じで食べていました(笑)。
佐倉 (原)由実さん(高橋潤役)のすする音がすごく上手なんですよね。漏れる吐息にもどこか色気があって(笑)。
竹達 そう(笑)。すする時の汁っ気がスゴいんですよね。
佐倉 後日うかがったところ、由実さんはペットボトルを持ち込んで水を口に溜めて、それをツバのようにしてすする音を出されていたそうなんです。
竹達 我々にはツバが足りなかったのかー。
── あとは第5話のトマト麺のシーンで、悠が小泉さんの真似をしたナレーションをするという叙述トリックのようなシーンがありました。あの部分はどのように演じられたのでしょうか? 佐倉 あの部分、テストのときは全部小泉さんのマネで行ったんです。そうしたら、「頭はそのままでいいので、徐々に悠に戻していってください」というディレクションを受けたので、そこでグラデーションをかけていきました。最初は小泉さんのフリをしてしゃべっているけれども、どんどん欲望とテンションが抑えられなくなって戻っていく悠という演出です。そのあと小泉さんに「さっきから、何ぶつぶつ言ってるんですか」と言われて、完全に悠に戻ると。自分からはこれが「正解」だと思って持ってきたのですが、そのディレクションで「なるほど、その演出面白いなぁ」とすごく刺激を受けたシーンでした。竹達さんは、聞いていてどうでした? 真似されるって嫌じゃないですか?
竹達 え、ごめん。何とも思っていなかった。
(一同笑) 佐倉 小泉さんそのもの(笑)。
竹達 悠に関することは何も感じてはいけないんだよ。役的にね?