GARNiDELiAらしさとは何か。4年間の集大成と現在の音をパッケージ　3rdアルバム「G.R.N.D.」インタビュー

「ファンとの関係は、親友であり家族であり恋人」

── つづいてメイリアさんのルーツであるジャズ曲「Love Swing」を。

メイリア　アルバムを作ると決まった時から自分のルーツの曲は入れたいと思っていました。私は中学から高校卒業までジャズと洋楽のカバーをするグループにいて、ずっとジャズナンバーを歌っていたんです。その世代の中学生が自分からは聴かないような歌をずっと歌っていたんですけれども、大人になった今、そのよさやスウィング感は確実に自分の歌唱に生きていると思います。そこを通ってきた私だからこその、今のメイリアがあると思っているので。それにtokuのジャズって聴いたことがなかったので、どんなのが来るのかなと楽しみにしていたら、ものすごいストレートなジャズが来て（笑）。

toku　日本語が乗ってカッコいいジャズが難しいなと思いました。メイリアと出会ってユニットを組む際に、彼女の今までの音源を聴かせてもらったなかにジャズがあったので、ルーツとしてあることは知っていましたし、うまく歌うんだろうなとか、こんな歌いまわしを作ったほうがいいだろうなと想定したメロディにできたかと思います。レコーディングでもクリックは聞きつつ、でも完全には合わせないで「せーの」で録ったのでその感じが伝わるといいなと思います。

── 歌う側としてはいかがでしたか？

メイリア　ジャズのグループに青春全部を捧げてきたので、このサウンドがちょっと懐かしかったです（笑）。ビートとかスウィングが自分の体に染み付いているので、アルバムの曲たちの中でも一番歌いやすかったし、すごく自然に歌えました。今は「せーの」で録る機会はあまり多くないので、そんななかみんなのビートを感じたり、自分がそこに寄っていったり合わせてきたりするレコーディングはすごくうれしかったし、ちょっとした間がいい味になっているので、そうした部分を若い世代の人たちもカッコいいなと思ってもらえたらすごくうれしいです。

── ちなみにどんなジャズを歌われてきたんですか？

メイリア　本当に定番ですね。「枯葉」、「Sing, Sing, Sing」とか「テネシーワルツ」、「A列車で行こう」とか。その頃は幼かったのであまり知らなかったのですが、演奏されていたのはめっちゃ一流のミュージシャンの方なんです。今ではおそれ多くて（笑）。本当に素敵な経験をさせていただいていたんだなと思っております。いろんなことを教えてもらったので、いつかまたご一緒できる機会が来たらいいなと思っています。

── ジャズというところで音質についてtokuさんのこだわりは？

toku　これに関しては歌を中心に音量感を持たるようにしていました。ジャズだと音圧があまり出せないというところもあり、また全部生楽器なので、このアルバムの中でも毛色が違うし、そのダイナミックレンジをどう入れるかというのも課題ではありました。

メイリア　同じアルバムに「Poppin'Trip」も入っているので、マスタリングのエンジニアさんがすごく悩んでいましたね（笑）。

── 「最後の恋」は記念すべきアルバムの最後を飾る感動的な歌詞と曲になっています。

メイリア　当初から最後の曲にしようと思っていたわけではなく、作詞をする中で、この曲は最後に合うなと思って置いた感じですね。

toku　いつものように僕がデモを書いて渡して、そのときは失恋の曲になるかなと思っていたんですけど、メイリアの作詞は真逆で（笑）。わりとあることなんですけど。歌詞を受けて最後のコードをハッピーな感じに差し替えました（笑）。

── メイリアさんはどのように思い描いてこの歌詞を書かれたんですか？

メイリア　先ほども言ったように、tokuにはどんな曲にしたほうがいいかを聞かずに自分で解釈して歌詞を書くので、単純に受け取り方の違いだったのなと。初めに聞いた印象からして幸せな道に向かっていくイメージが浮かんだのでその通りに書いただけなんです。自分の中で途中まで書いた段階でこれは最後の曲にしようと思い浮かんだので、アルバムの最後の曲でもありライブで最後の曲にした時にも悲しく終わりたくないなと思ったんですよね。

── 「これから続く道のりは 楽しいことばかりじゃなく　時には辛く苦しいことだってあるでしょう」と歌詞にあります。これはメイリアさんの価値観でしょうか。

メイリア　この歌詞は恋愛にからめているんですけれどもそれで言うと、結婚とか2人で共に歩いて行くとなった時に、それは幸せなことばかりではなく、ケンカをすることもあるかもしれないし意見が合わないこともあるけど、それでもあなたを選んだ、というイメージが思い浮かんだんです。それに自分たちの区切りの1枚の最後の曲ということで、ファンに向けた曲でもあります。前の「MIRAI」でも歌っていたのですが、ファンと私たちの関係って、親友であり家族であり恋人みたいに思っていて、ファンの方もそう思ってくれているということが私たちにも伝わっています。だからさっきのケンカじゃないけど、この4枚のシングルはそれぞれものすごくカラーが違うので好きな曲もあればちょっとピンとこない曲もあるだろうし、新曲が思っていた方向と違ったり、昔のほうがよかったと思うこともあるかもしれない。そう思ってもいつかまた戻ってきて「でも、やっぱガルニデだな」って思ってくれる。そんな風に人生を共に歩んでいくような立ち位置だと思うんです。そういう全部の人生に寄り添えるようなアーティストでありたいなと思った気持ちが全部この曲に詰まっています。だから「キミ」というのは好きな人でもあり、私たちにとってはファンでもあり、ファンからしたらそれは私たちなのかもしれないと思っています。ウェディングソング的な立ち位置にもなり得るし、ファンと私たちを繋ぐ曲でもあるという風に思っています。

── リリース間もなくツアーが控えています。

メイリア　「G.R.N.D.」を一気にやるツアーです。大阪と名古屋はライブハウスで、東京はホールです。私たちにとってホールは初めてなので、新たな見せ方があると思いますので、大阪・名古屋に来てくれた方にもまた違ったものを提供できると思います。また5月の香港は海外ファンに向けたまったく違ったセットリストになるので、日本のみんなが来てもらってもすごく楽しんでもらえるライブになると思います。「G.R.N.D.」でファンの皆さんがどのように横のつながりを感じてくれるか、どんな反応を見せてくれるかすごく楽しみですし、新曲を出した後のライブはこの曲たちがどう変化するのかを私たちもすごく楽しみにしています。


（取材・構成／日詰明嘉）

CD情報

■3rdアルバム「G.R.N.D.」

〈収録曲〉
01. G.R.N.D.
02. SPEED STAR -Album Ver.-
03. Jesus
04. Hysteric Bullet
05. Poppin'Trip -GARNiDELiA vs HEAVYGRINDER-
06. アイコトバ
07. 桃源恋歌
08. 紅葉愛唄
09. Love Swing
10. After glow
11. Error
12. Désir
13. 最後の恋

〈初回生産限定盤A　Blu-ray〉
01. SPEED STAR
02. Désir
03. アイコトバ
04. Error
05. G.R.N.D.
06. 「G.R.N.D.」bonus footage

〈初回生産限定盤B　DVD〉
01. Désir (stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
02. Diamond (stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
03. 桃源恋歌 (stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
04. Hysteric Bullet (stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
05. ambiguous (stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)
06. 極楽浄土 (stellacage Asia Tour 2017@Zepp Tokyo)

インフォメーション

GARNiDELiA stellacage Tour 2018 ～G.R.N.D.～

＜大阪公演＞
2018年4月7日（土）　開場 17:00　/ 開演17:30
会場：BananaHall（大阪府大阪市北区堂山町1-21 モンテビルB-1）
お問合せ：ソーゴー大阪　06-6344-3326（平日11:00～19:00）

＜愛知公演＞
2018年4月14日（土）　開場 17:00　/ 開演17:30
会場：Electric Lady Land（愛知県名古屋市中区大須2-10-43）
お問合せ：サンデーフォークプロモーション　052-320-9100（10:00～18:00）

＜東京公演＞
2018年4月29日（日）　開場 17:00　/ 開演18:00
会場：中野サンプラザホール（東京都中野区中野4-1-1）
お問合せ：インフォメーションダイヤル　03-5793-8878（平日13:00～18:00）

※詳細はオフィシャルサイトにて↓
http://www.garnidelia.com/live/