これが中島愛の本気！ 新曲がどっさり詰まったニューアルバム「Curiosity」

たくさんの人から受けた愛を胸に抱いて、歩いていきたいです

── アルバムの終盤にも、3曲の新曲が収録されています。まずは9曲目の「Odyssey」。

中島　今の時代の新しい音楽をやっている方とご一緒したくて、Avec Avecさんにオファーさせていただいた曲です。アルバムで唯一、作詞と作曲・編曲を同じ方に手がけていただいた曲になりました。

── 現在進行形のポップソングらしい、洗練されたサウンド感がある曲です。

中島　はい、私が思い描いていた通りの曲を作ってくださいました。歌詞はちょっと内向的なところがあるんですけど、「あなた」に向けた想いが描かれているので、言葉を投げかけるように歌いたいなと思いました。

── 希望がありつつ寂しさも感じさせる、不思議な感触の曲です。

中島　Avec Avecさんは私とほぼ同年代なんですが、この世代ならではの独特な感じがあると思うんです。私のボーカルも気だるさがあって、曲の世界観にフィットしていると思います。

── 11曲目の「未来の記憶」はアルバムの中でも異彩を放つ曲になりましたね。これもアニメやゲームの主題歌と言われると納得してしまう曲調でした。

中島　作・編曲はCMJKさんで、世界観が色濃く出た曲になりました。私が初めてCMJKさんの曲を意識したのは、OVA「マクロスプラス」の「INFORMATION HIGH」という曲でした。じわじわと音楽が体内に入りこんでくる感じというか、脳内に染み渡る感じというか、とにかく中毒性の高さと物語性の強さを感じたんですけど、この曲も同じで、「楽曲に負けないように歌うのは大変だ！」と思いました。

── 次にどんな展開になっていくのか、予想がつかないんですよね。

中島　先が見えない曲ですね。実は新曲の中で一番最初にレコーディングした曲で、「いったい、今回のアルバムはどうなるうんだろう？」と思ったくらいでした（笑）。同じフレーズがループするミニマルさと、展開のドラマチックさが融合して、頭で理解するより体で感じる曲になったと思います。最初はびっくりされるかもしれませんが、聴き続けるとどんどん心地よくなっていくのではないでしょうか。

── 歌詞も、SF・ファンタジー色が強いですよね。

中島　作詞は、「音楽が教えてくれたこと」という本を一緒に作った文筆家の甲斐みのりさんにお願いしました（註／英語詞の部分はTwistyとの共作）。「散文詩読むように」とか「明日へと続く 金色の扉」とか文筆家さんならではの言葉のセレクトで、壮大でありながら乙女チックな歌詞が私の心に刺さりました。この曲と歌詞のマッチングは、中島愛のアルバムでないと聴けないと思います。

── そしてラストは、「愛を灯して」。アルバムのグランドフィナーレ的な曲として聴きました。

中島　はい、この曲はラストに入れようと最初から決めていました。

── 作詞は坂東邑真さんです。

中島　初めてご一緒させていただいた、私より年下の女性の作曲家さんです。みんなを引き連れていくハッピーな感じがメロディからひしひしと伝わってきたので、そのイメージで私が作詞させていただきました。

── 中島さんがファンのみなさんを引き連れて、しっかり歩いている光景が思い浮かびました。「手を繋ごう」という、ストレートなメッセージが心に響く曲です。

中島　実は「手を繋ごう」から始まる2番の歌詞は、私が中国・広州のアニソンフェスで感じたことが、元になっているんです。たくさんのアニソンシンガーさんが出演されたフェスで、最後にみんなで和田光司さんの「Butter-Fly」を歌ったんですね。会場のお客さんも合わせての大合唱になって、「アニソンは世界を繋ぐ」ってこういうことなんだなと、実感したんです。この体験があったからこそ、私も奇をてらうことなく、まっすぐな言葉を書けたんだと思います。

── 国境を越えて広がっていく、普遍的なメッセージというか。

中島　そうですね。今まで心のどこかで、こういった言葉はきれいごとに聞こえるかなと思っていた部分もあったんですけど、ストレートなメッセージは響くんだと。

── そういう曲のタイトルに「愛」の文字を使っているのも、いいなと思いました。

中島　自分の名前の「愛」を意識した部分もありますけど、それよりも家族やファンの方のことを思って付けた部分の方が大きいです。たくさんの人から受けた愛を胸に抱いて歩んでいこうという思いが、タイトルにも入っています。

── シングル曲も含めて、全12曲。ものすごく聴き応えのあるアルバムになりましたね。

中島　バラエティに富んだ1枚になりました。3月末から始まるツアーが楽しみです。アルバムの曲はもちろん、デビュー10周年ということで、いろいろな曲を披露したいなと思っています。

── また、アルバム購入者を対象にした、抽選で300名にアナログレコードが当たる企画があるんですよね。

中島　はい、アナログ盤を作るのは夢だったので、それが叶いました。A面に「サブマリーン」、B面に「Odyssey」を収録した7インチシングルになります。

── 7インチということは、ドーナツ盤ですか？

中島　ドーナツ盤です！　まん中をくり抜いてくださいとお願いしました。私も絶対に欲しいので、自分で応募したいくらいうれしいです（笑）。

中島愛プロフィール

6月5日生まれ。2017年2月にシングル「ワタシノセカイ」で、音楽活動を再開。同年10月にはシングル「サタデー・ナイト・クエスチョン」をリリース。2018年1月末には、著述家・甲斐みのりとの共著「音楽が教えてくれたこと」を出版した。


■4thアルバム「Curiosity」

〈収録曲〉
01. サブマリーン（作詞：新藤晴一／作編曲：Rasmus Faber）
02. Life‘s The Party Time!!（作詞：中島愛&前山田健一／作編曲：前山田健一）
03. 残像のアヴァロン（作詞：岩里祐穂／作曲：バグベア／編曲：バグベア&千葉“naotyu-”直樹）
04. ワタシノセカイ（作詞：瀬尾公治／作曲：秋浦智裕／編曲：WEST GROUND）
05. Jewel（作詞：加藤哉子／作編曲：本間昭光）
06. 思い出に変わるまで（作詞：中島愛／作編曲：重永亮介）
07. ウソツキザクラ（作詞：Satomi／作編曲：松本良喜）
08. 最高の瞬間（作詞：山田稔明／作編曲：古川貴浩）
09. Odyssey（作詞・作編曲：Avec Avec）
10.サタデー・ナイト・クエスチョン（作詞：加藤慎一／作曲：山内総一郎／編曲：フジファブリック）
11.未来の記憶（作詞：甲斐みのり & Twisty／作編曲：CMJK）
12.愛を灯して（作詞：中島愛／作編曲：坂東邑真）

【Blu-ray収録内容】
・「サブマリーン」MV
・「ワタシノセカイ」MV
・「サタデー・ナイト・クエスチョン」MV

※初回盤、通常盤ともに、「Megumi Nakajima Live Tour 2018 “Curiosity of Love”」チケット優先先行抽選申込券封入
※アルバム購入者の中から抽選で300名に中島 愛直筆サイン入りプロモ・アナログレコード盤（７inch）をプレゼント。応募方法は特設サイト http://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/-/Artist/A021733.html　まで

インフォメーション

Megumi Nakajima Live Tour 2018 “Curiosity of Love”

【名古屋】3月30日(金) Zepp Nagoya　開場18:00/開演19:00
【大阪】4月1日(日) Zepp Osaka Bayside　開場16:00/開演17:00
【東京】 4月8日(日) Zepp Tokyo　開場16:00/開演17:00


（取材・文／鈴木隆詩）