※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。
今回のシングルは、全曲ライブ映えする曲になりました
── 2曲目の「LAST FUTURE」は、今までに何度もあったyukaricoさんとのコラボ曲ですね。 綾野 はい。作曲はyukaricoさんで、歌詞は私も一緒に書きました。「燐光」「幻燈」「邂逅」の3部作から始まったyukaricoさんとのコラボ曲はライブの定番に育ってきていて、今回の曲もライブを意識した曲になっています。「LAST FUTURE」というタイトルは、どこか切ないですが、ひとつのことを終わらせて、新たな未来に向かっていくという想いもこめているので、悲しいばかりの曲ではないです。
── 歌詞には、主人公の「僕」の、大切な「君」への想いが綴られています。 綾野 そうですね。起承転結がはっきりあるのではなく、朝目覚めた時に何かを感じて、1日が終わるまでずっとそれを考えて続けて、淡々と時間が流れていくような歌詞になっています。「僕」はとても不器用で、「君」に素直に自分の気持ちを伝えることができなかったんですね。それで、朝もそんなに元気に目覚めることができないんですけど、そんな日は私にもあるし、誰にでもあるんだろうなと思って。
── 物思いにふける朝なんですね。 綾野 でも「僕」と「君」の心はちゃんと繋がっていて、恋愛というよりは絆をテーマになっています。「二酸化炭素を集めて」とか「窒素を空に散りばめて」というワードを使っているのがyukaricoさんらしくて、私は気に入っています。ふと浮かんだ自分の感情を瞬間冷凍させて、それを大切にながめているような歌詞だなって思って、2人の呼吸とか一緒に過ごしている空気感が、独特の言葉で表現されていると思います。
── 歌詞は、2人でどうやって作っていったんですか? 綾野 メールや電話で相談しながらです。ニュアンスが難しいところは、直接電話で話しますけど、基本的には文章でのやり取りですね。同じ場所に集まって、話し合うということはなくて。曲が先なので、まず私のイメージを伝えて、yukaricoさんがメロディを作ってくれて、「歌詞はこういう感じにすると、メロディと合うと思います」という仮の歌詞をもらって、私の歌いたいこととすり合わせていくという感じですね。
── メロディの印象はいかがでしたか? 綾野 静から動へと変わっていく曲だなと感じました。一番最後に、今までにはなかったメロディが出てきたりして、yukaricoさんと一緒に作ってきた曲の中でも、新しいタイプの曲になったなと思います。今回のアレンジは、fumiya taguchiさんという方で北海道在住なんですよね。なので、楽曲に冬っぽさが出ているような気がして、今の季節にも合うと思います。yukaricoさんも冬の曲が好きみたいで、歌詞の中にも、冬をイメージさせるワードがたくさん入っているんです。「また、冬じゃん」って思われるかもしれないですけど(笑)。
── たしかに、ましろさんには冬の曲が多いような(笑)。 綾野 でも、すごくいい曲になったと思います。寒い朝をイメージしながら聴いていただきたいです。「あ、暖房切れてた!」みたいな。北海道あるあるですけど(笑)。
── 3曲目の「pixy breath」は、どんな曲になりましたか? 綾野 シングルのタイトル曲にしたいくらいお気に入りのメロディだったんですけど、カップリング曲として収録することにしました。私がこの曲から受けたのは、廃墟のビルが並んで、文明が終息を迎えてしまった後の再生というイメージでした。なので、アレンジでもイントロでザクザクと廃墟を歩く足音が聞こえていたり、乾いた風の音を入れてもらったりしているんです。
── 作詞はましろさんですね。歌詞には希望を感じることができました。 綾野 みんなが孤独で生きるのに精一杯で、意思疎通ができない中で、それでも時が過ぎていく毎に心は癒やされていって、希望に繋がっていくというイメージで、歌詞を書きました。孤独な中で、耳元でいつもささやいてくれるもうひとりの自分を妖精(pixy)にたとえて、妖精のささやきという意味のタイトルにして。その存在によって、自分は再び立ち上がろうと思えるし、今まで気づけなかったことに気づいて元気になれるというのが、歌詞のストーリーです。
── 妖精が息を吹きかけてくれたことで、もう一度歩き出せるという。 綾野 そうですね。だから、Aメロには孤独感があるんですけど、小さな花が目覚めたり、妖精がささやいてくれたり、そんな小さな幸せが積み重なって、希望に繋がっていく様子を歌っています。
── 高揚感があって、ドラマチックなメロディですよね。アニメのエンディングテーマとして使えるような。 綾野 そのくらいキャッチーで壮大な曲ですよね。ホーンが入っているのも今までにない感じで、この曲もライブで盛り上がると思います。今回のシングルは3曲とも、ライブ映えする曲になりました。