花言葉がバラエティ豊かな曲を彩る。鹿乃が2ndアルバム「アルストロメリア」をリリース

UNISON SQUARE GARDENさんの名曲をカバーさせていただきました

── 「nameless」、「RERE」、「Haruzion」と、7曲目から9曲目は、Tom-H@ckさんが作曲された曲が3つ並んでいます。

鹿乃　ここはTom-H@ckさんゾーンです。Tom-H@ckさんの曲は個性が強いので、バラバラにするより1か所にまとめたほうがいいと思って、こうしました。どの曲も、よくこんなにキャッチーなメロディが次から次へと出てくるなあと。天才だ！ って思います。

── 「nameless」は3rdシングルのタイトル曲で、「RERE」はそのカップリング曲ですね。

鹿乃　はい。「nameless」は、TVアニメ「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」のエンディングテーマです。戦争のお話で、戦争には歴史に名の残らないたくさんの人々の思いや命が積み重なっているんだなと思って、そういう名もない人たちのことをテーマに、私が歌詞を書きました。


── 「RERE」も鹿乃さんの作詞ですが、歌詞のテーマは「社畜」だと伺いました。

鹿乃　そうなんです（笑）。「RERE」は歌詞の〆切が過ぎても、なかなか書けなくて。深夜のファミレスで「やばい、やばい、何も浮かばない」って苦しんでいた時、ふと窓の外を見たら、ビルの電気がところどころに付いていて。こんな時間まで仕事をしている人がたくさんいるんだなと、思いをはせたら、スラスラスラと歌詞が出てきたんです（笑）。

── 社会風刺的で、毒っ気がある歌詞になっていました。

鹿乃　と言うより、毒しかない内容です。普段から考えていることではなく、ふと思いたままに書いたので、毒を抑えきれませんでした（笑）。

── 「RERE」というタイトルの意味は、なんですか？

鹿乃　「繰り返し」を強調したくて、「RE」を2つ重ねてみました。社会に出ると、自分で突破口を見出さない限りは、ずっと繰り返しの人生が続くんだという皮肉がこもったタイトルです。


── 9曲目の「Haruzion」は、アルバム用の新曲で、花のタイトルが付いてますね。

鹿乃　「nameless」、「RERE」とは雰囲気の違う、スローテンポの曲です。作詞では、普段あまり書くことのない、物語性の強い歌詞に挑戦しました。大切な人を見送った人の物語です。春になる前に別れがあって、夏、秋、冬を越えていくという四季が描かれています。

── この曲のタイトルも、花言葉が重要なのでしょうね？

鹿乃　はい。ハルジオンの花言葉は「追想の愛」です。

── どの曲も花言葉を聞くと、曲のテーマがすぐに理解できます。

鹿乃　そうなんです。このアルバムがきっかけになって、お花や花言葉に興味を持っていただけたらいいなと思います。

── 10曲目「Iberis Song」は、ゆよゆっぺさんが作詞・作曲・編曲。この曲も、しっとりとした曲です。

鹿乃　透明感のあるステキな曲になりました。落ち着いた雰囲気があって、歌っていて、気持ちよかったです。ピュアなラブソングになっていたので、「初恋の思い出」が花言葉のイベリスをタイトルに使いました。

── そして、11曲目の「Sharry Baby!」は、やしきんさんの作曲・編曲です。アップテンポで元気がよくて、ライブでは絶対に盛り上がりそうです。

鹿乃　私もそう思って、ライブの最後の曲をイメージして、この曲をラストに持ってきました。歌詞もメロディも、ファンのみなさんのための曲、という感じになっています。

── タイトルの意味を教えてください。これも、花の名前なんですか？

鹿乃　シャリーベイビーは、オンシジウムというお花の品種名です。オンシジウムの花言葉が「一緒に踊ろう」で、この曲にぴったりだったんですが、勢いのある楽曲に音感が合わなくて。ライブの最後に、「それでは聴いてください、オンシジウム！」だと、盛り上がらないじゃないですか（笑）。それで品種名を見ていたら、いい言葉があって、これにしました。

── ロックっぽいタイトルになってますよね。

鹿乃　本当に、この品種名が見つかって、よかった！ と思いました（笑）。

── アルバムの本編はこの曲で終わりですが、ボーナストラックとして、「シュガーソングとビターステップ」のカバーが収録されています。

鹿乃　はい、UNISON SQUARE GARDENさんの名曲をカバーさせていただきました。「アルバムで、何かカバー曲をやってみる？」とスタッフさんに言われた時、「これを歌いたいです！」と。

── アコギとピアノがメインの、アコースティックカバーになっているのが、鹿乃さんらしいなと思いました。

鹿乃　オシャレな演奏をしていただきました。私としては、かなり背伸びしたアレンジという感覚があって、ドキドキしながら歌いました。

── これでアルバムの収録曲は全部です。初回生産限定盤には特典DVDが同梱されていて、その内容も豪華なんですが、もうひとつの特典として「ばんびのアクリルキーホルダー」が付いているんですよね。

鹿乃　ばんびというのは、ジャケットにも描かれている女の子で、私が表に出る前にずっと、代わりにビジュアル担当をしてくれていたキャラクターです。ファンの方の中には、手製のばんびアクリルキーホルダーを作ってらっしゃる方がいて、私も欲しいし、他のみんなも欲しいだろうなあと思って、今回、作っていただきました。

── かわいいキーホルダーなので、ファンの方はぜひゲットしてほしいですね。では、最後に、年明けに開催される「鹿乃ライブ ～Alstromeria～」への抱負をお聞かせください。

鹿乃　3度目のライブであり、私にとっては初めての東名阪ツアーです。まだ、具体的には決まっていないのですが、ちょっとずつ内容を変えていきたいなと思っています。各会場ごとの歌だったり、演出だったり、空気感だったりを楽しんでいただきたいですね。

── 鹿乃さんにとって、ライブとは？

鹿乃　緊張する時間です（笑）。毎回、ライブの前は悲壮感が漂うくらいドキドキしているんですが、終わった時は元気になっているんです。お客さんが振ってくれるサイリュームが、本当にキレイで元気をもらえるんですよね。ファンのみんなが星に見えるのが、ライブの好きなところです。

鹿乃プロフィール

女性アーティスト／シンガーソングライター。2010年1月、動画共有サイトにカバー動画を初投稿。現在までの投稿動画の合計再生回数は2,000万回を超える。
2015年5月に、1stシングル「Stella-rium」（TVアニメ「放課後のプレアデス」OP）をリリースし、メジャーデビュー。 2016年5月には、1stアルバム「nowhere」を発表。1stライブ「ばんび～の」を開催する。
そして、今回、1年7か月振りとなる2ndアルバム「アルストロメリア」をリリース。


■2ndアルバム「アルストロメリア」

〈収録曲〉
01. day by day
02. Daisy Blue
03. Melodic Aster*
04. Linaria Girl
05. 29-Q
06. Ivy
07. nameless
08. RERE
09. Haruzion
10. Iberis Song
11. Sharry Baby!
BONUS TRACK シュガーソングとビターステップ

〈初回生産限定盤・特典DVD収録内容〉
・「Ivy」　MUSIC VIDEO
・「Daisy Blue」 MUSIC VIDEO
・こまったましろ～バースデイ大作戦!～ 朗読MOVIE(原作・朗読:鹿乃 イラスト:水玉子)
〈初回生産限定盤・封入特典〉
・ばんびアクリルキーホルダー

インフォメーション

●アルバム「アルストロメリア」発売記念イベント

12月10日(日)
・とらのあな秋葉原店C イベントフロア／開場13:00 開演13:30 内容:サイン色紙お渡し&握手会
・SHIBUYA TSUTAYA 2階 特設会場／集合16:30(SHIBUYA TSUTAYA2階エレベーター横集合) 開演17:00 内容:クリアファイルお渡し&握手会

12月16日(土)
・とらのあななんば店A コミュニケーションスペース／開場12:30 開演13:00 内容:サイン色紙お渡し&握手会
・アニメイト大阪日本橋 5Fイベントホール／開場16:00 開演16:30 内容:トークショー

12月17日(日)
・アニメイト京都／開場10:30 開演11:00 内容:クリアファイルお渡し&握手会
・とらのあな名古屋店 イベントフロア／開場14:30　開演15:00 内容:サイン色紙お渡し&握手会
・第3太閤ビル(名古屋)／開場16:30 開演17:00 内容:クリアファイルお渡し&握手会

12月20日(水)
・アニメイト新宿 B2F animate hall SHINJUKU／開場19:00 開演19:30 内容:トークショー

12月22日(金)
・アニメイト渋谷／開場19:00 開演19:30 内容:クリアファイルお渡し&握手会

12月23日(祝土)
・タワーレコード渋谷店 4Fイベントスペース／集合14:45　開演15:00 内容:ジャケットサイン会&握手会

●鹿乃ライブ ～Alstroemeria～
【愛知】名古屋 E.L.L／2018年1月28日(日) 開場17:30 開演18:00
【大阪】umeda TRAD／2018年2月4日(日) 開場17:30 開演18:00
【東京】新宿ReNy／2018年2月12日(月・祝) 開場17:15 開演18:00
※詳しくは、オフィシャルサイト http://whv-amusic.com/kano/ まで


（取材・文／鈴木隆詩）