trap:7 親友でいられるよね?
──前回ラストの写真撮影からスタートです。
ひらさわ 藤原、余裕があります。彼、けっこう気の利いたことを言えるんですよね。
コダマ ここでは原作とは違って、写真はどこにも送らずにちゃんと蛍が消してくれています。
──ちなみに藤原もバスケ部員なんですが、部活ではどういう生徒なんですか?
コダマ 実は一度も原作でも書いたことがなくて……、きっと普通に練習とかしてるんだと思います。
(武田と蛍の会話シーンを観ながら)
コダマ 五十嵐さんが、蛍は武田の前で一番ぶりっ子していると言っていましたね。武田にかわいいと思われたいわけではなく、一番うわべだけの関係っていうことなんでしょう。
ひらさわ 今回は蛍の押し引きがすごいですね。
──完全に由真が翻弄されています。
コダマ 押したと思ったらまた引いて。そして素の声が出てくる。
ひらさわ このあたりの話も、終盤に向けて非常に重要な回になっていますよね。
trap:8 制御できない感情
──問題の蛍のアルバイトシーンです。
ひらさわ これはどういうお店なんでしょうね。原作だとストレートにお酒を出しているお店だと描かれています。アニメではそうストレートに描くわけにもいかず。
コダマ アニメでは明確に描いていないから、人によってはメイド喫茶と言われたりガールズバーと言われたり。観た人にゆだねている感じです。もしかするとお茶とか健全な飲み物を出しているかもしれませんし。
ひらさわ でも店内のBGMが、ちょっといかがわしいんですよ(笑)。このシーンの客の演技が嫌な感じでいいんですよね。すごくがんばっていただきました。音響監督の立場としては、本作ではモブ・サブキャラ勢にも注目していただきたいですね。
──由真のお着替えシーンですが、もうこの時点で由真は完全に落ちちゃってる感じですね。
コダマ そうですね。この辺になると、由真の方がガチになってて、蛍と立場がひっくり返っています。
──いつの間にか引き込まれた由真がガチの百合になっちゃう、という展開は、最初から考えられていたのでしょうか?
コダマ 最初からずっと同じ感じだとつまらないので、由真がだんだんと変わっていく、というのは最初の打ち合わせの時から話していましたね。ここは蛍が引いちゃったから、由真が追いかける、というターンです。
ひらさわ 恋愛において、心の奥底で「この子っていいな」って思ったとき、おせっかいになりがちじゃないですか。各話ごとにそのステップを上がってきている感があります。
trap:9 私に、風邪うつして......?
ひらさわ 9話、10話あたりになるとさらに演出の皆さんが乗ってきていますね。大胆です(笑)。
──夜の街のシーンも増えてくるので、昼間の学校シーンの多かった前半のお話と比較しても……。
コダマ 昼ドラ感がより強くなってきてます。
ひらさわ 廊下での会話のシーンで、由真に対して振り向かないで会話するという藤原がいいですね。
コダマ きっと由真のことは嫌いなんだと思います。
──でも意外と男同士の友情には篤いんですよね。
コダマ 武田に対してはいい奴なんです。そこが良心なんでしょう。
ひらさわ 由真のお母さんと会話する蛍は、なかなかいい役者ぶりを発揮していますよね。ぜひ声優を目指していただきたい(笑)。
コダマ この辺りの由真はだいぶ迷走していますね。蛍とおでこをくっつけるシーンはかわいい!
──保健室での由真の言動は、蛍も予想外だったんでしょうか。
コダマ そうですね。だけどすぐに表情が戻るのが蛍です。
ひらさわ 前のカットと全然違う表情ですね。
trap:10 この関係は何なんだろう
──第10話から、徐々にアニメオリジナルのラストに向かって展開していきます。
ひらさわ 徐々にシフトしていく感じですね。
(由真と蛍の登校中の会話シーンを見ながら)
ひらさわ 蛍は各シーンで大きくシフトチェンジしている感じ、由真は全話を通して小刻みに変わっていくところ。本作はそれを演じる加隈さんと五十嵐さんの演技がすごいなと思います。
コダマ そうですね。この回だと、蛍に対する感情をストレートに出す由真がいいですよね。
──そして注目ポイントは、武田視点の由真です。
コダマ (笑)。彼の中では、こう見えていたんですね。
ひらさわ 藤原の「女は嫌いだけど、セックスは好きだから」。これは名言です。
コダマ 投票企画「あなたが選ぶ推しのひとコマ」ではダントツの1位でしたね(笑)。