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めぐちゃん(meg rock)から見た、今の私を書いてくれたのかなって
──8曲目の「labradorite」は、meg rockさん作詞、ミトさん作曲・編曲です。
綾野 弾けた歌詞とサウンドになっています。歌詞は、めぐちゃんから見た、今の私を書いてくれたのかなって。ライブでみんなを引っ張っていく感じが出ていると思いました。でも、実際に歌ってみると、照れくさい言葉がいろいろ入っていたんです。たとえば、「子供みたいな 君の横顔を あたしが ずっとね 守りたい」なんて、私は絶対に言えないなって(笑)。「心の中で思っていたことを思わず口に出して、恥ずかしくて赤くなっちゃうみたいな、そんな感情を素直に出してみて」とめぐちゃんに言われて、がんばりました。
──meg rockさんは、かっこいい歌詞もかわいい歌詞も書かれますが、この曲は完全にかわいいサイドですよね。「ラブラブライドに乗って!」みたいな歌詞をましろさんに歌わせるのは、meg rockさんにしかできないというか。
綾野 めぐちゃんにしかできないと思います(笑)。それに曲も、ミトさんにしか作れない曲で、ベースラインはもちろんかっこいいですし、歌詞との化学反応で、すごく印象的な曲になりました。ライブでは元気に盛り上がりたいなと思いつつ、実は繊細な一面を持つ曲でもあって、レコーディングには時間がかかりました。
──歌詞には「!」記号が、どっさり使われているんですよね。
綾野 「!」が付いているところは、パーンと言い放ちたくて、短く切る歌い方を意識しました。歌詞を見ながら聴けば、ここに「!」が付いているって一目瞭然なんですけど、音だけで聴いても「!」を感じてほしくて。その表現がめっちゃ難しかったです。
──10曲目の「Delusion」は、作詞・作曲とも、安田史生さんです。
綾野 アルバムの新曲にはミディアムテンポの曲が多くて、この曲もそのひとつです。アップテンポよりも歌詞が伝わりやすくて、スローバラードよりも盛り上がれるテンポ感なので、たくさん挑戦してみたかったんですけど、歌うのも難しくて。特に「Delusion」は、安田さんから要求されたことが複雑で、試行錯誤しながらレコーディングしました。
──安田さんの要求とは、どんなものだったんですか?
綾野 「Delusion」は妄想という意味で、タイトル通り、妄想している人が主人公になっているんですけど、私が主人公になるのではなく、「妄想している人を見つめている綾野ましろとして歌って」ということでした。
──それは、また難しいことを。
綾野 サビは力強いんですけど、力強く歌ってしまうと、入りこみ過ぎていて、もうちょっと離れた視線がほしいと。安田さんの曲は、制作途中から、こんな曲になると教えてもらうことが多くて、それに対して、私からも意見を返して、2人で作り上げていく感があるんです。でも、この曲はレコーディングの時まで、私は、妄想している人になって歌うんだと思っていたので、安田さんに解釈がすごく新鮮に感じられて。未知の世界に踏みこんだ曲になりました。
──最後の新曲は、12曲目の「憧憬」。この曲はシングルのカップリングで、「燐光」「幻燈」「邂逅」とバラード3部作を展開してきたyukaricoさんの作曲です(編曲は、yukarico&村田祐一)。
綾野 3部作に区切りがついたということで、今回はyukaricoさんに、勢いのある曲を作っていただきました。ちょっと変わった展開になっているのも、yukaricoさんならではだと思います。
──作詞は、ましろさんとyukaricoさんの共作です。
綾野 もうひとりの自分と対話しているような歌詞になりました。住んでいる場所が離れているからメールのやり取りをしながら、歌詞を作っていって。yukaricoさんならではの漢字の表現に、私らしい言葉を加えて、2人の持ち味を出せたと思います。
──3部作を知っているファンにとっては、意外性のある曲になりましたね。
綾野 そうですね。ギターもゴリゴリしてますし、私のボーカルも、Aメロ、Bメロでは艶っぽさを意識したものになっています。