ELISAが紐解く、アニメソングのクロニクル(年代記) ──カバー・ミニアルバム「ANICHRO」が登場!

2016年03月22日 12:000

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「秘密基地」は大好きな歌詞で、歌っていて泣きそうでした


──2曲目は90年代の曲ということで、「プラチナ」(「カードキャプターさくら」OP)。90年代の膨大な数のアニメソングの中から、この曲を選んだのは、なぜですか?


ELISA 私自身、「カードキャプターさくら」が好きでしたし、作詞の岩里祐穂さんは、私にも「Waterland」と「Invisible Message」の2曲で詞を提供してくださっているというご縁があり、大好きな坂本真綾さんが歌っている曲ということで選びました。「プラチナ」は、私が歌うとどうなるのか、想像がつきにくいタイプの曲だと思うんです。それをステキだと思っていただけるようにがんばろうと思いましたが、この曲を歌うのはすごく大変でした。


──どういうところが難しかったんですか?


ELISA 楽譜には起こせない細かな音が、原曲のボーカルにはたくさん入っているんです。カバーするというのは単なるコピーではないので、何度も原曲を聴いて、それらをしっかりと拾いつつ、私らしく表現するには、どうしたらいいの? というところで悩みました。


──原曲とは違う魅力がたくさん出ていたと思います。ボーカルもサウンドも、きらびやかで。

ELISA 華やかなクラブサウンドになっているのが、面白いですよね。歌い方も、最初は子供の純粋さを意識した、明るい声がいいのかなと思ったんですけど、サウンドに合わせて、徐々に大人になっていくような雰囲気もミックスしてみました。

──3曲目は2000年代の「秘密基地」(「交響詩篇エウレカセブン」ED)。このセレクトはシブいところを突いてきたなと思いました。

ELISA 「秘密基地」は、私が作詞する時に、いつもアドバイスしてくれるスタッフさんがすすめてくれた曲なんです。「ELISAが絶対に好きな歌詞だよ」と言われて、聴いてみたら、本当にその通りでした。子供の頃に思い描いていた願いや夢を、大人になってから遠い目で振り返るという切ない内容で、レコーディングの時は気持ちが入りすぎて、何度も泣きそうになりました。今回、初めて出会った曲ですが、一気に大好きになって、今では自分の人生に欠かせない曲だと思っています。


──原曲は、作詞、作曲、歌が高田梢枝さんですね。

ELISA 高田さんは自分自身の表現を確立しているシンガーソングライターなので、「プラチナ」と同じく楽譜にはないニュアンスが歌にたくさん入っていたんです。でも、高田さんがライブでこの曲を歌われているのを聴いたら、また別のニュアンスが乗っていて、その時その時の気持ちを曲にこめていらっしゃるのだなと。ですから私も、「秘密基地」では、あえて原曲の細かな部分にこだわり過ぎずに、自分の歌い方を探していきました。

──「秘密基地」は、アレンジも、他の3曲と比べてナチュラルですよね。

ELISA そうなんです。4曲の中では音数も減らして、アレンジの雰囲気も全然違っています。歌い方も、より私の声を聴いていただけるように意識しました。今までの私の曲では、「in mind」や「どこへ…」と近いアプローチですね。歌にこめた思いが、みなさんに届いたらうれしいです。



ペンを折れるくらい握りしめて、力強く歌いました


──そして4曲目は2010年代の「ジョジョ~その血の運命(さだめ)~」(「ジョジョの奇妙な冒険」OP)。これは、ボーカルもアレンジもすごかったです(笑)。


ELISA タイトルを見て、「えっ?」と驚く方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、実はアコースティックライブ「E’tone♪」でもカバーしていた曲なんです。その時にお客さんから好評をいただけたということもあって、今回も歌ってみようと思いました。せっかくのカバーアルバムなので、私のイメージからかけ離れた、男らしく熱い曲にチャレンジしたいなと。「E’tone♪」の時は、アコースティックギター1本だったんですけど、今回はもっと音が厚いので、歌うのは大変でした。レコーディングの時は、ペンを両手で握って力をこめて歌ったんですが、あまりに力みすぎて、折れるんじゃないかというくらいでした(笑)。


──サウンドも、ピアノがガンガンに暴れていて、かっこいいんですよね。


ELISA この曲のアレンジを担当してくださったMish-Moshさんは2人組のクリエイターで、「REALISM」とか「EONIAN -イオニアン-」とか、最近の私の曲を書いてくださっている、すごく個性的な方たちなんです。ほかの方が作った曲のアレンジは初挑戦ということで、どんな出来上がりになるのか楽しみでした。聴いてみるとやっぱりすごくステキで、面白いアレンジをしてくださいました。


──ボーカルもサウンドも、力強さはありながら、やっぱり透明感や爽やかさがあって、ELISAさんらしい世界を作っていると思いました。


ELISA 私の声で歌うと、「滾る(たぎる)」という要素の中に「癒やし」が入ってくるのかなと。こうやってカバーすることによって、自分のボーカルの特徴がよりつかめたように思いました。今回のラインアップは個性的な4曲で、ある意味バラバラな選曲なんですが、ELISAに合わせてアレンジされ、ELISAが歌うということで、1つの糸で繋げられたと思います。


──どの年代の曲も、有名ではありながら、「ザ・代表曲」というセレクトじゃないのがいいですよね。

ELISA 実は今回のアルバムの選曲にあたって、私は、今まで歌ったことがある有名曲や、得意なバラード調の曲を中心にリクエストを出したんです。でも、スタッフさんからは、「それを歌いたいという気持ちもわかるんだけど……」という反応でした。それよりも、ELISAのイメージからちょっと離れた曲にチャレンジすることが大事だったんだと、制作している中でわかりました。「君をのせて」が私に一番近くて、あとの3曲は本当に挑戦だったと思います。でもこの4曲に出会って、歌うことができて、よかったです。


──今後は、「ANICHRO」のリリースイベントや、4月14日のバースデイイベントが予定されていますね。

ELISA 今回、いろいろなタイプの曲をカバーさせていただいて、改めて自分が表現したいものが見つけられたと思うので、それをライブでも出していきたいし、みなさんにもそれが伝わるように歌いたいですね。バースデイイベントは、去年に引き続き2回目なんですけど、少人数のアットホームなイベントで、みなさんと近くで接することができる機会なんです。ぜひ、遊びにきてください。

──最後に、ELISAさんが考える、アニメソングの魅力とはなんでしょうか?

ELISA えー、難しいですね。かっこいいことは言えないかも(笑)。でも、「君をのせて」を歌わせていただいた時に感じたんですけど、30年経っていても、こうしてアニメ作品とともに残り続けて、愛され続けているというのはすごいことだと思います。私もアニメソングを歌う1人として、自分の歌がそうなってほしいと願っています。アニメソングって生きものみたいだなと思いました。そうですね、「アニソンとは生きもの」です!


──力強いお言葉、ありがとうございました(笑)。



ELISAプロフィール

4月14日生まれ。神奈川県出身。幼い頃から、音楽を本格的に学ぶ。2007年に、TVアニメ「ef-a tale of memories.」OP「euphoric field」でデビュー。ポップスと声楽のソプラノを融合させた、透明感のある歌声が高い評価を得て、その後もアニメソングのフィールドで活動。「ハヤテのごとく!!」OP「Wonder Wind」、「とある科学の超電磁砲(レールガン)」ED「Real Force」などを発表した。
2014年6月には、TVアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」EDの2曲「そばにいるよ」「REALISM」や、TVアニメ「魔法科高校の劣等生」ED「ミレナリオ」を含むアルバム「AS LIFE」をリリース。2015年にはアジア、アメリカでの海外アニメイベントに多数出演。国内でのライブも精力的におこなっている。


■カバー・ミニアルバム「ANICHRO」

レーベル:SME Records/2016年3月23日発売


・初回生産限定盤A(CD+BD) 1,852円+税/「ELISAオリジナル・メッセージカードA」封入


・初回生産限定盤B(CD+DVD) 1,667円+税/「ELISAオリジナル・メッセージカードB」封入


・通常盤CD 1,389円+税/初回仕様特典「ELISAオリジナル・メッセージカードC」封入


〈収録曲〉
01. 君をのせて(アニメ映画「天空の城ラピュタ」挿入歌)
02. プラチナ(TVアニメ「カードキャプターさくら」オープニングテーマ)
03. 秘密基地(TVアニメ「交響詩篇エウレカセブン」エンディングテーマ)
04. ジョジョ~その血の運命さだめ~(TVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」オープニングテーマ)

〈Disc 2 [DVD / Blu-ray] ※初回生産限定盤のみ〉
01. 君をのせて (Music Video)
02. The Making of“君をのせて (Music Video)”




(取材・文/鈴木隆詩)

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