人気になり過ぎた作品の難しさと、日本の声優需要の減少も見えてくる、中国1月新作アニメ事情【中国オタクのアニメ事情】

アニメ2022-03-13 11:00

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中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の1月新作アニメの動向や、近頃の中国で増えいるオタク向けアニメの吹替え版と、それに関連した日本の声優需要の減少などについて紹介させていただきます。

人気になり過ぎた作品の扱いの難しさも感じる1月新作アニメ


1月からのシーズンは北京オリンピックなどの影響もあり、何かと「落ち着いた」空気になっているそうですが、昨年の規制強化以前のようなやり方はもうできないということで、新作アニメに関しても相変わらず難しい空気が漂っているようです。

そんな中で配信されている1月の新作アニメですが、まず現在よくも悪くも話題になっているのが昨年10月に始まり2クール目に入った「王様ランキング」だそうです。
「王様ランキング」は、10月の新作アニメの中ではトップクラスの当たり作品となり、その勢いを維持したまま次のシーズンに入りました。しかし2クール目になってからはストーリー展開やキャラクターの行動、背景描写などが中国の視聴者から期待されていたものとズレて、好みに合わない人が続出したとのことで、再生数は依然として伸びているものの、評価に関しては賛否両論でかなり荒れ気味になっている模様です。

中国のオタクな方の話によると、中国でも原作のストーリーを把握している人であれば「原作で賛否両論な部分がいずれ来る」という心の準備はあったそうです。しかし人気の急拡大により「マイナーな良作」から瞬く間に「シーズンの代表的な人気作品」という扱いになり、中国国内の配信プラットフォーム「bilibili」も積極的な宣伝を行ったことなどから、広い範囲の人が視聴するようになり、その結果、賛否両論なストーリーの部分における不満もずいぶんと大きなものになってしまったとのことです。

またほかの人気作品としては、「リアデイルの大地にて」「からかい上手の高木さん3」などがシーズン序盤から続く人気となっているそうですし、「天才王子の赤字国家再生術」はキャラの露出の修正など中国のオタク的に残念なところはあったものの、ストーリーやキャラに関しては好評で順調に人気を伸ばしているそうです。
それ以外にも「異世界美少女受肉おじさんと」は、かなり尖った作品だと受け止められているそうですが、内容自体はタイトルを見ればハッキリとわかるので最初から嗜好の合う人が集まって盛りあがり、結果的に手堅い人気を獲得しているとのことです。

それから3月に入ってから、内容的に中国での配信は困難だろうと言われていた「鬼滅の刃」遊郭編の配信予告がbilibiliで出たそうで、中国のファンはかなり盛り上がっているとのことです。
もっともすでに公開されているPVでは堕姫(だき)の胸などが修正されているそうですし、露出以外にも血しぶきの舞うようなシーンはかなり修正されるだろうと言われています。また「視聴推奨年齢16歳以上」「この作品の内容はすべてフィクションです。現実の生活で真似をしないでください」といった注意も表示されているとのことで、内容に関してはやはり綱渡りの部分があるのかもしれません。

しかし中国のオタクな方からは「中国の動画サイトで中国語の弾幕コメントが飛び交う環境で視聴できるのはうれしい」といった話も聞こえてきますし、中国のファンにとってうれしいサプライズとなっているのは間違いないようです。

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