【インタビュー】ワルキューレ3rdライブは、いかにして作られたか? ──福田正夫プロデューサーに聞く!
アニメ2018-10-26 19:00
2018年2月24日・25日に横浜アリーナにて開催された、ワルキューレ3rd LIVE「ワルキューレは裏切らない」。そのBlu-ray & DVDが、10月24日にリリースされた。本製品では、1日目と2日目の両方の模様を収録。2日間で2万2千人を熱狂させたワルキューレのパフォーマンスを、何度でも味わうことができるようになった。今回は、ワルキューレの担当であるフライングドッグの福田正夫プロデューサーに、3rdライブへの軌跡と、その裏話をたっぷり語ってもらった!
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017でのワルキューレは完璧に見えました
── 2ndライブ「ワルキューレがとまらない」が開催されたのは、2017年1月のことでした。メンバーは当時、これが最後のライブだと思っていたそうですね。
福田 TVアニメもすでに放送が終わっていて、2ndライブは僕ら制作側もこれで最後だと思っているところがありました。だから、ワルキューレだけでなく、美雲役の小清水亜美さんやクレア役の日笠陽子さん、ハインツ(歌担当: メロディー・チューバック)やランカ(中島 愛)にもゲスト出演していただいて、アンコールではハヤテ役の内田雄馬さんをはじめとした声優さんたちにトークをしていただくというオールスター的な構成にしたんです。ワルキューレのメンバーも、状況を考えれば、おそらく「これが最後だ」という気持ちでステージに上がっていたと思います。
── 福田さんの目からは、2ndライブはどう見えましたか?
福田 メンバーの「これが最後だ」という気持ちによって、彼女たちがもともと持っていたポテンシャル以上のものが出たなと。我々の演出意図を越えて目に見えない力が働き、完成度の高さというレベルを通り越して、とても感動的なライブになったと思いました。
── でも結果的には、最後のライブではなくなったわけですよね。
福田 そうですね。終演後にバックステージで簡単な打ち上げをやったときに、河森(正治)総監督がスピーチをされたんですけど、ご本人も感極まっていた様子で、「ここまでがんばったワルキューレをここで終わらせてはいけない。許されるならデルタを続けたい」と。それを聞いたメンバーが号泣するという出来事があったんです。番組プロデューサー陣も河森さんと同じ思いで、大人たちの「これで終わりにしてはいけないんじゃないか」という気持ちがふくらみ、劇場版に繋がっていったんですね。5人のがんばりと、彼女たちを応援してくれたファンのみなさんの力で、「マクロスΔ」とワルキューレが継続したというのは事実だと思います。
── 具体的には、その後、どういう動きがあったのでしょうか?
福田 2017年の夏には劇場版の制作が決まっていたと記憶しています。そうなると公開は2018年になるだろうから、ワルキューレがその間、活動しないとファンの熱気もしぼんでいっちゃうだろうなと。じゃあ、まさかワルキューレが出るとは誰も思わなかった「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に出て、そのタイミングで劇場版の制作を発表しようということを、考えたんですね。
── 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017」でのワルキューレは、いかがでしたか?
福田 実はワルキューレがあるステージに到達したなと感じたのは、僕の中では2ndライブではなくROCK IN JAPANなんですよ。バンドを入れずにカラオケでやったライブだったのにも関わらず、こんなに完成度が高くて、こんなに人を熱狂させられるんだなと。30分くらいのステージだったんですけど、完璧に見えたんですよね、歌もダンスも。僕らは完全にアウェーだと思っていて、ちゃんとお客さん入ってくれるのかな?という気持ちだったんですけど、ワルキューレの歌が始まったら、多分彼女たちのファンじゃない、普通にフェスに来てるような人たちが、なんだ、なんだと集まってきて、6000人規模の会場が入りきれないくらいになっていったんです。本人たちも普段とは違うステージを完璧にやりきったという達成感があったし、僕も、もし3rdライブがあるとしたら、きっと2ndライブを越えるパフォーマンスができるだろうなという実感がありましたね。
── ROCK IN JAPANへの出演は大成功だったと。
福田 出てよかったと思いました。
── 夏あたりになると、新曲の制作とか、劇場版の公開に合わせての3rdライブが視野に入ってきていますよね?
福田 そうですね。2017年の後半はその2つで終わっていったという感じです。
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