【ガンプラ製作の必須アイテム!】切ったり削ったり突き刺したり──あると便利な「デザインナイフ」比較レビュー!【The工具道!第5回】

2022年10月17日 12:000

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こんにちは、カリヤスです!「The工具道!」第5回となる今回は、模型製作では欠かすことのできないデザインナイフの活用法をご紹介&オススメの4種を徹底比較しちゃいます!

模型製作で活躍してくれる切断・切削用ツールはいろいろありますが、今回は模型店や文具コーナーで気軽に買えて、模型初心者でも精密な作業ができるデザインナイフをご紹介します。まずは、基本知識と活用法をしっかり覚えましょう!

 

デザインナイフの基本知識

1 カッターナイフとデザインナイフの違い

 

通常のカッターが持ち手に平行な1本の大きな刃でできているのに対し、デザインナイフ(アートナイフ、モデラーズナイフとも呼ばれます)は柄の部分と刃が分かれていて、より精密な作業ができるようにデザインされています。カッターは力をかけやすいので厚紙やプラ板の切断、デザインナイフは模型やフィギュアなどの加工、という具合に使い分けるとよいかと思います。

 

違いは一目瞭然。1本ずつ持っておくといいかも

 

2 刃は交換して使う

デザインナイフの刃は非常にシャープなので、使用頻度にもよりますが結構劣化するのが早いです。目に見える欠損がなくても、切れ味が悪くなったらすぐに交換しましょう。また、刃のサイズはいろいろあり、種類も通常の直線刃に加え、カンナがけ(後述)にピッタリな曲線刃、ノミのように使える平刃などがありますので、うまく使い分けましょう。

 

付属の刃以外の別売りの刃に換装可能なデザインナイフと、そうでない物があるのでよく確認しましょう

  

3 ケガをしない使い方

デザインナイフを使ううえで一番気を付けたいのが、ケガ。パーツを切削する時に、無理に力を入れて手元が狂うと、指を切ったりすることもあります(私も何度かやってしまいました……)。でも、

 

・刃の向かう先に手や指を置かない

・無理に力を入れすぎない(硬くて切れない時は、ほかの方法で切削する)

・劣化した刃は使わない

・使わない時はキャップを付ける

 

という基本をしっかり守っていれば、ケガをすることはまずありませんので、大丈夫!

 

このような使い方だと、指をケガする可能性が高いのでNG。安全第一でいきましょう

  

デザインナイフ活用法

<基本編>

・デカールやマスキングテープを切る

シンプルに紙やテープ類を切るならハサミでも代用できますが、長い直線などをきれいに切る場合は、やはりデザインナイフのほうが便利です。

 

・パーツの切削(ゲート処理、カンナがけ、バリ取り、シャープ化など)

二度切りした後のゲート処理はもちろん、ガンプラの旧キットやスケールモデルではしばしば出くわすパーティングラインおよびバリの切除や、太すぎるパーツを削ってシャープにしたい時に使います。

 

 

私が愛用しているタミヤのモデラーズナイフ(後述)に曲線刃を装着して、フィギュアのパーティングラインのカンナがけ(刃を垂直に立てて動かし、カリカリ削る技)してみました。ちなみに、デザインナイフ以外にも、キサゲやセラミックブレードなどのツールでカンナがけをすることもできますので、気になった方はチェックしてみてくださいね。

 

 

今度は、直線刃を装着して、ガンダム(エントリーグレード)のアンテナをシャープ化してみました。不要な突起をニッパーで切り落とし、全体のバランスを見ながらデザインナイフで切削。やりすぎないことがポイントです。

 

右のアンテナ(そのまま)と左(シャープ化)の違いは明白ですね。決して難しい作業ではないので、ぜひトライしてみてください!

 

<応用編>

・スジ彫り

接着剤やパテの使用で埋まってしまった凹モールドを彫り直したり、新たに自作するスジ彫り。しっかりスジ彫りするには専用の工具を使う必要がありますが、細くてもいいならデザインナイフで何度も切れ込みを入れることでスジ彫りすることも可能です。その際は、スジ彫り用のガイドテープや定規などを使って、きれいに直線の切れ込みを入れてあげましょう。

 

・パテや接着剤の盛り付け

切れ味が悪くなった刃は、ひっくり返して装着すれば安全なヘラとして活用することが可能です。資源はなるべく有効活用したいですね!

 

・極小パーツに突き刺す

メカキットの改造に使用する、極小のリベットパーツやレンズパーツは、指はもちろんピンセットでもなかなかつかみにくいことが多いです。そんな時は、デザインナイフの先で軽く刺してくっつけることで、パーツを保持することができます。突き刺したキズはほとんど目立たないので、一度試してみてください!

このほかにも、エッチングパーツ(改造用メタルパーツ)の切り離しや、接着剤と組み合わせて行うダメージ表現など、上級者向けのデザインナイフ活用法もありますので、またいつかご紹介できればと思います。

  

それでは、続いてオススメのデザインナイフ4種を、直径2mmのプラ棒を使って切れ味や使い心地を比較しながら紹介していきたいと思います!

※デザインナイフやカッターなどを使う際は、カッターマットを敷いて作業しましょう!

  

【オルファ/デザイナーズナイフ + 別売り替刃セット】

「カッターと言えばオルファ!」というぐらい有名で、さまざまな切断工具を開発している老舗メーカー。文具コーナーでもよく見かけますね。

 

カラーバリエーションはブルー、ピンク、ブラック、イエローの4種類

本体価格:約300~400円 別売り替刃価格:約200~300円

 

替刃5枚と転がり防止キャップが付属

 

本体後部がヘラ状なので、パテや粘土の成形も可能

 

刃は、他サイズに変更不可

 

別売り替刃セットには、替刃30枚と、プラスチックやアルミのケガキなどに使える針が付属

 

ケガキ針を装着した状態

 

替刃ケースに本体付属のキャップをセットすれば、専用スタンドとしても使用可能

 

 

切れ味は申し分なし。柄の部分は少し重いですが、その分押し切る時には力を加えやすいです。ヘラ部分も、かなり活用できそうな感じですね。別売り替刃もコスパ抜群だと思います!


 

【ムラテックKDS/デザインナイフ】

さまざまな工業用機械を開発している村田機械の関連会社で、カッターや電子機器の開発を担うムラテックKDS。模型用コーナーでなかなか見かけないこのデザインナイフ、その実力やいかに?

 

カラーバリエーションは青、黄、緑の3種類

希望小売価格:税込539円

 

替刃16枚と転がり防止キャップが付属

 

柄の部分が空洞になっているので、替刃を本体に収納可能

 

刃は、他サイズに変更不可

 

 

刃のデザインや切れ味は、先ほど紹介したオルファのデザイナーズナイフ とほぼ同じ。大きく違うのは柄の部分で、少し太めですが中が空洞なので軽く、グリップ部分もゴム製なので疲れにくく、長時間の作業に向いてそうです!

【タミヤ/モデラーズナイフ】

替刃25枚とケース、キャップが付属

希望小売価格:税込1,045円

 

安心安定のタミヤブランドで、製品自体はオルファ製。私も長らく愛用していて、ファンの多い人気アイテムです。活用法の動画でもお見せしましたが、別売りの刃を装着することで応用の効く、すぐれモノです。

 

また、タミヤからはほかにも「デザインナイフ」と「モデラーズナイフPRO」が発売されています。前者は通常のデザインナイフ、後者はよりパーツの切削に特化したアイテムですので、ぜひチェックしてみてください。

 

キャップを付けてない状態でも、転がらないように工夫されています

 

刃は、別売りの物に換装可能

 

付属の替刃ケース

 

 

切れ味も問題なく、シンプルなデザインで使いやすいです。何より、作業中にコロコロ転がらないので、床に落としたりする心配がないのがありがたいですね!

【ダイソー/デザインナイフ + 別売り替刃】 

価格:どちらも税込110円

 

最後は、100均のダイソーが販売しているデザインナイフです。パッと見た感じ雰囲気は悪くないですが……

 

とにかく安いのが魅力。替刃も10枚入りなので節約したいならオススメかも

 

付属の刃は、かなり大きめ。チャック部分に余裕があるので、タミヤモデラーズナイフと同様、換装可能です

 

柄の後ろを回してチャックをゆるめられるようになっています

 

 

切れ味は値段相応といったところ。使い心地も、柄の部分が異常に軽いのに後部が重いので持った時のバランスが悪く、イマイチ。さらに、刃を換装する時に刃を指で押さえないと軸が空回りしてしまうのもマイナスポイント。ただ、最低限の作業でしか使わないのであれば、コスパは最強かもしれません!

 

どれを買うべき?

・しっかり模型製作をしたい、 刃を交換していろいろなシチュエーションで活用したい場合

 

やはりタミヤのモデラーズナイフがオススメです。使い心地もいいですし、価格は1,000円しますが替刃も付きますし、1本持っておけばずっと使えるのでコスパもいいです。

 

・刃は小さくて大丈夫、オマケの機能が気になる場合

細めのグリップが好きならオルファ、太めが好きならムラテックがオススメ!

 

・とにかく金欠、でも試しにデザインナイフを使ってみたい!という場合

ダイソー一択!

 

といった感じで選ぶといいと思います!

  

さて、いかがでしたでしょうか?

ニッパーやヤスリなどと合わせて、モデラーなら絶対に持っておくべきツール、デザインナイフ。今回ご紹介した以外にも、フィギュアの加工、スクラッチに特化したナイフや分厚いパーツを切断する超音波カッターやヒートカッターなど、切断、切削に使える便利なツールはまだまだたくさんありますので、もし機会があればそれらもいつかご紹介できればと思います。

 

それでは、またお会いしましょう~♪

  

<ライター>

Kariyasu☆(カリヤス)

エンタメ、ホビー系ライター。模型、ジオラマ、フィギュアなどが大好物で、プラモデルやミニチュアの作例の他、工具レビューや各種取材を担当。デザインナイフの種類の多さにビックリしました。


Twitter: https://twitter.com/kariyasu_mokei  

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC0Jfi4f110HF_wyBy85Yvlg

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