80年代ロボアニメで「主人公メカの量産タイプ」といえば、「特装機兵ドルバック」のキャリバー(グンゼ産業)しかないよね!?【80年代B級アニメプラモ博物誌第24回】

2022年07月31日 11:001

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巨大バックパックがかもし出す“アサルト感”、異次元的なミリタリズムにしびれる!


今回の「VF-55A キャリバー」は「VV-54AR ムゲン・キャリバー」のバリエーションキットだけど、もともとのムゲン・キャリバーが背中に巨大なバックパックを付けているんだよね。同時期に展開していたガンダムのMSVシリーズは、背部のバックパックをアニメのモビルスーツとは桁違いに細かくすることでバリエーション機としてのアイデンティティを保っていたわけでしょ? つまり、ムゲン・キャリバーには、もはやバックパックを付け加えてスペシャル感を出す手段は残されていない。では、どうするのか?

▲ まず、内側に箱状のパーツを接着してから、バックパックの前後を接着する。この箱状パーツは、外から見ると四角い穴になっている。つまり、ここに何らかのパーツが嵌まるわけですね

▲ そして、細かなパーツ類をイヤってほどたくさん、外側に接着していく。特に素晴らしくシャープなのが、このL字形の細いパーツ。バックパックの左右に位置するんだけど、ポッキリ折ってしまった。それも運命なので、今回は片方ナシのまま進行します

▲ さて、ほぼ組み上がったバックパック。ほら、四角い穴が空いてるでしょ? この穴に、量産型キャリバーのために新規に金型に彫られたライフル状のパーツを接着する! ライフルは銃身の一部だけしか造形されておらず、取り外しはできない

ようするに、ムゲン・キャリバーでは右手に持つライフルが、量産型ではバックパックに収納する状態がデフォルトとなっている……ということだろう。そのために、わざわざ収納用の箱状パーツと一部だけのライフルを、新しく付け加えたのであろう。手が込んでいる。
逆に、バックパックの片側に付く砲が、量産型にはない。砲のつくスリットは、そのまま残されている。こうして見ると、意外と情報量が多いでしょ? では、最後のユニット、右手と一体になったバズーカ砲を組みますか。

▲ バズーカ砲は左右を貼り合わせて、先端に銃口パーツ、片側にスコープのようなパーツを取りつけて完成。やっぱりロボットの持つ銃は、これぐらいボリューム感がないとアカンのですよね

そして、いよいよ完成か……と思った矢先、なんか忘れてるぞ? 実は左足のスネ部分に小さなビストルが付くんです! でも、接着するので手に持てない(笑)!

▲ どうも、元のムゲン・キャリバーにも同様のピストルが付くらしい。足側面の穴に、ピストルの突起を差し込むかたちで接着します。ビストルは一体成型だけど、このシンプルさがいいアクセントになっている

つまり、右手のバズーカ砲のほか、バックパックに収納したライフル、左足の小さなピストル、3つも武器を持っていて状況に応じて使い分けるのか! カッコいいじゃん! では、両手もポリキャップで接続して、完成!!

▲ バックパックの重たさ感が、斜めに突き出たライフルの銃身とアンテナで加速されていて、“アサルトっぽい”というか最前線で戦う野戦兵器って雰囲気が出ている。これ、迷彩したり汚し塗装したら、かなりカッコいいんじゃない?

▲ そして、忘れてはいけない。ヒザ下のポリキャップによってスネを左右にひねれる! 初期のガンプラ改造で流行ったように、つま先を外に向かって開けるのだ。安定感が出ていいし、このギミックって、83~84年頃としては先駆的だよね?

▲ ポーズもつけてみたけど、ヒジが曲がらない……というか軸がぽっきり折れてしまったので、片方は接着。腕を前に向けようとすると、肩の突起が巨大なバックパックに当たってしまう。その代わり、足で動きを出せます

もしかすると、同時期の「ボトムズ」並みにミリタリックな雰囲気のキットになっているのでは? だけど、「ドルバック」にはパワードアーマーというガチな装甲強化服が出てくるので、バリアブルマシンと世界観がマッチしない。でも、バリアブルマシンも見立てによっては別次元のミリタリズムを身にまとう……ように見えるんだけど、こうしたモヤモヤ感を40年も引っ張れるのは、80年代という混沌とした時代ゆえかと思います。では、また来月!

(文/廣田恵介)

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放送日: 1983年10月7日~1984年7月6日

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コメント(1)
コブヘーコブヘー2022/08/02 12:45

ポリパーツは組み上げれば結局目立たなかったわけだし、そこまでツッコむ必要あります? その時代その時代のメーカーさんの都合などなどあるでしょうに、都度都度出てくるライターさんのネガティブな文言に毎回イラっときます。 せっかく貴重なキットを取り上げているのだから気分よく見たいのですが、途中で読むのをやめたくなる文章です。

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