「オヤジの乗る80’sロボット」は、やっぱり最高! クラウンモデルの1/130機甲猟兵スカーツを素組みして確信した!【80年代B級アニメプラモ博物誌第19回】

2022年02月20日 11:000

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当時価格300円なのに、頭から手足までくまなく凝った分不相応(?)なキット


この連載は、基本的に“説明書の奴隷”なので、組み立て説明書の指示どおりに腕から組んでいく。オーソドックスに、肩・上腕・前腕の順に左右から挟み込み、そこに水平に丸軸があれば回転するし、垂直に軸があれば曲がるし……という、80年代にはよく見かける構造です。

▲ 肩と上腕が別々になっており、水平に回転可能。肩アーマーと前腕で、組み上がった上腕をはさむ。オーソドックスなパーツ構成だが、1984年の300円キットにしては、凝っているほうではないだろうか? 特に、上腕が回転できるのがうれしい

▲ そして、問題のトゲトゲ。手の甲に接着する。すご味というか、一種の暴力性が備わる強烈なパーツだ。そして、右手は握りこぶし(穴が空いているので武器を保持可能)、左手は平手のみ。取り換えパーツが多数付属とか、そういうセコいことはしない。左手は必ず平手!

▲ 組み上がると、両腕はこんな感じ。よく見ると、ヒジの内側が自然にえぐれていて、わずかながらヒジ関節の可動範囲を広げている。小さな工夫だが、実にスマート

どうですか、スカーツの腕は? 丸太みたいでしょ? だけど、ロボットの腕なんてこんなものでいいと思うし、手首が大きくて迫力があるよね。握り手と平手のコントラストが、動きを生んでいる。次は何だろう? 胴体と頭だ。組みましょう。

▲ 胴体、というか上半身を組んで、横から見たところ。肩は、丸い穴に軸をはめ込むだけなのだが、その受け側が別パーツになっている。肩を回したときに一緒に回転してしまわないよう、片側に凸部が突き出ている。こういう細かい素朴な工夫に感動する

▲ 首のパーツ分割は思わせぶりで、組み上げた頭部を前後に細長い板状ブロックで挟む。首の前後がこんなに長くて、しかもわざわざ板状のブロックに頭を固定する意味は?

ひょっとして、背部の鳥型メカが分離する際、首が前にスライドしたり、素晴らしいギミックが盛り込まれているのでは? このように、変なパーツ構成に出会いながら、あれこれ推理するのが面白いんだ。
そして、次は足です。足もオーソドックスなように見えて、「ほほう?」と感心させられるパーツ構成になっている。

▲ フトモモと足首を別々に組み立て、スネで左右から挟む。足首の側面に楕円形の穴があり、内側に関節軸をはめ込む。これによって、足首が前後だけでなく左右にも動かせる80年代中期には定番化していた機構。300円キットでも、かなりの充実感

▲ そして、組み上がったスネの外側に、別パーツになった装甲を被せる! それっぽく二重装甲に見えるよう、一体成型で造形してもよかったのに別パーツにしている。ひと癖あるというか、ひと筋縄ではいかない地味に凝ったキットなんだよね

そうそう、頭と手足ができてそろそろ完成なんだけど、「一体全体どうしてこんなに凝ってるんだ?」と不安になるほどの仕掛けが、まだある!

▲ 前のページで、ヤリが長短2種類ついているのはどうして? と書いたけど、なんと未使用のヤリ(ランサー)は、スネ側面の装甲の内側に接着する! 設定では確かにそうかもしれないけど、いちばん省略していい部分でしょ! いやはや、本気すぎる

スネの装甲に未使用時の短いランサーを接着しても、チラリと見える程度でしょう。何をそんなに意地になってるんだろう、このキット? 機甲兵の中でもマイナーなスカーツなのに。しかし、ようやく太っちょオヤジ、スラーゼンの存在を忘れてスカーツ本体に集中できてきたので、このまま一気に完成させよう!

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機甲界ガリアン

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放送日: 1984年10月5日~1985年3月29日
キャスト: 菊池英博、渕崎ゆり子、平野文、千葉繁、小林修、筈見純、兼本新吾、屋良有作、泉晶子、井上和彦、速水奨、佐藤正治、石森達幸、坂口征平、加藤精三
(C) サンライズ

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