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当時価格600円のキットだとナメてかかっていたら、とんでもない下半身の可動機構にビビってしまった。最初に腕は組んであるし、あとは頭と胴体だけ組めば完成でしょ? しかし、もうひとつ関節ブロックを組み立てる指示がある! なんで? もう腕も足も組んだじゃん?
▲ なんと、ポリキャップを2つも仕込んだ関節ブロックで、頭と胴体をつなぐ! これも飛行ポーズをとらせるための機構のようですが、どんなロボットができ上がるのか、よくわからなくなってきました
▲ とりあえず、頭は飛行ポーズの位置で胴体を組み上げてしまい、ツノをつけます。この時代のキットには多いんだけど、ダボが彫ってなくて平面同士を接着剤でいきなりくっつける。位置がズレたらカッコ悪いんだけど、時代の気分を味わおうもう頭と胴体、手足がそろったから完成だろ? と思いきや、ウィンガルには翼がある。そして、翼は可動する。この翼のパーツ分割が、またクセモノなんだ……。
▲ まず、翼の先端部がスライドする。いやいやいや、スライドしなくていいよ。だって、この先端パーツを上下から薄いパーツでサンドイッチするって面倒なんだよ? しかし、先端部に引き出し用のツマミまで付いているので、組み立てますか……
▲ こんな感じに、背部の箱状ユニットの左右に翼が付きます。なるほど、先端部がスライドするだけでなく、戦闘機の可変翼のように開いたり閉じたりもするのか。凝っているんだけど、薄いパーツを左右、まったく同じように組み立てる緊張感が疲れるんだよね。接着剤がはみ出しちゃう
▲ あ、あとツノを肩装甲の左右にも接着しないとね。肩そのものから浮いた感じに装甲が位置するのは、とても鎧っぽくてカッコいい。肩装甲は、ちゃんと可動する。固定でも肩の可動に支障はないんだけど、気分的に動いたほうがイイよねけっこう面倒な工程が多いんだよね。だけど、腕と腰をポリキャップを介して胴体にはめこめば、完成! 見てコレ!
▲ やっぱり、装甲の重なり合いが「ガシャッ」と音がしそうなぐらいの重量感をかもしている! 胴体のウネウネした曲面とは対照的に、背中の翼がシャキッと直線構成なのもイイ! サイズは12センチ程度だけど、最高のロボプラモですあ、そうそう。飾り台も組んだんです。
▲ 本体との接続ジョイントなどはなく、ただ乗せるだけ(笑)。でも、ここまでして飛行ポーズを重視するキットの仕様は評価したい
それでは、飛行ポーズに変形させてみよう。
脚は鳥足のように、後部にスネを移動させる。つま先とカカトは後方へ折り曲げて、翼を広げて先端部をスライドさせて……そして、首の関節を曲げて顔を前方へ向けるのだが、「バキィ!」と爽快な音とともに、首ブロック内のプラ軸が折れてしまいましたとさ。
設計思想はいいんだけど、あちこちの嵌合が硬すぎるんだよね。仕方がないので、首ブロックは胴体に差し込んだだけです。
▲ ああ~、肩の付け根はボールジョイントだから、腕が重さで下がってしまうね。飛行ポーズと言っても、ビルバインやZガンダムのようなカッチリした変形ではないので、こういうラフな形態と割り切るべきだろうね
▲ あと、武器ね。武器は足側面の突起にセットできる。あと、指が動くからね。手にもガッチリと握らせることができるよ。ヒジ関節がボールジョイントだから、構えたポーズがカッコよく決まる! 満足度高い!
▲ 首関節をポッキリ折ってしまったわけだけど、頭を接続するポリキャップのおかげで、少しだけ頭を左右に振ることができる。軸可動とボールジョイントを織り交ぜて、まるで生きているかのようなヌメッとしたポーズをとれるのが最高なのよ
タカラのロボプラモは「太陽の牙ダグラム」、「装甲騎兵ボトムズ」と続いてきて、3作目が「ガリアン」か(ロボットアニメではないけど、「クラッシャージョウ」もあったね)。「ボトムズ」は1/35スケールの小サイズが今ひとつだった気がするけれど、「ガリアン」シリーズは粒ぞろいなんじゃない? 必ず! 必ずまた機甲兵を取り上げるぞ!
それにしても、「ガリアン」って、主役のガリアン以外は、出渕裕さんのデザインなんだよね? 少ないラインで、甲冑らしいモヨ~ンとした雰囲気をよく伝えている。OVA「鉄の紋章」以前に、テレビ版の「ガリアン」でコンセプトは十分に確立されていたと思う。
機甲兵、1,000円ぐらいの大スケールのプラモを2~3点でいいから、タカラさんから発売してほしかった気がするね。「歴史にifはない」と言うけど、中年プラモ親父の妄想ぐらい、好きに垂れ流させてくださいよ。では、また来月(連載打ち切られなければ)!!
(文/廣田恵介)