本当はどこが凄いのか? オリジナルロボットシリーズ「30 MINUTES MISSIONS」に込められた工夫のあれこれ【ホビー業界インサイド第55回】

2020年01月30日 17:000

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30MMには、ホビー事業部の技術が集大成されている


── 対象年齢は、いくつぐらいですか?

齊田 商品としてはガンプラのHGなどと同じく、8歳以上向けとなっています。まったくプラモデルを作ったことのない新規ユーザーの方々へ向けてオリジナル企画を発信する……という企画ではなく、すでにプラモデルを楽しんでいる方たち、あるいはプラモデル趣味を休まれている方たちに、「これがBANDAI SPIRITSのオリジナルロボットだよ」と、しっかりアピールしていく。まずプラモデルが好きな方々の心をつかめば、新規の方々は、その盛り上がりを見てプラモデルに触ってもらえると考えました。

── 今後、カラーバリエーションやカスタムパーツだけでなく、まったく新しい機体も増えてきますね。たとえば、合体などのスーパーロボット的な展開も考えていますか?

齊田 あくまで、多数のバリエーションを持つ量産機というコンセプトは外したくありません。ヒロイックな印象のパーツも発売するとは思いますが、それは主人公機ではなくて、あくまでも指揮官機なんです。来期にかけてさまざまな仕掛けを考えてはいますが、乱雑にラインアップするのではなく、お客様の脳内にストーリーラインが見えてくるように構成していきます。30MMは明確なストーリーのないところが気に入られているので、お客様の想像をしっかりとサポートしていきたいと思っています。たとえば水中用機体を出すことで、「バイロン軍の領域には海もあるのか」と妄想できますよね。お客様に、それぞれ独自のアナザーストーリーを考えて妄想しながら組み立ててほしいと思っています。
3月に発売されるラビオットは、アルトの後継機です。ミキシングしたときに整合性が保てるようにデザインしていただきました。どちらが上位機というわけではなく、どちらもメイン機体なんです。ラビオットの発売後でも、アルトから30MMを購入していただいた新規のお客様でも楽しめるよう、オプションパーツには互換性を持たせました。
ユーザーの皆さんのツイートは、毎日見ています。どんな色が欲しいのか、どんな遊び方が流行っているのか、オンタイムでホットな情報を収集しております。スピード感のある企画なので、お客様のご意見が何より重要です。かつては模型屋に集まって、仲間同士がクチコミで情報交換していた状況が、今はネットで展開されています。

── そのいっぽう、開発コストの管理も、大変だと思いますが……。

齊田 これからも、安くて買いやすいプレイバリューの高いプラモデルにしたい。ホビー事業部はレイヤードインジェクションのように、新しい技術開発を得意としていますが、30MMを開発して、新技術と簡易化は表裏一体であると感じました。原点に帰って、そのすごい技術をシンプルなものに置き換えると、唯一無二の製品ができ上がります。30MMは1,280円で色分けされていて組み立てやすくて、こんなによく動いて、まさにホビー事業部の技術の集大成です。30MMを手にされた方には、そんな部分も感じていただきたいですね。



(取材・文/廣田恵介)
(C) BANDAI SPIRITS 2019

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