SNSと連動して「時代の波に乗る」! キタンクラブのカプセルトイはなぜ面白いのか、聞いてみた!【ホビー業界インサイド第50回】

2019年09月03日 11:000

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“売れないものは売れない”……企画会議で笑ってもらえるかどうか?


── カプセルで販売するのをやめて、別の売り方をしようと考えたことはありませんか?

キタン ほかの企業さんや問屋さんから「こんな製品をつくれませんか?」「BOXでも作れませんか?」と相談を受けないかぎり、カプセルでの発売にこだわっています。インターネットで、世界中のものがワンクリックで手に入るこの時代に「どこで売っているかわからない」さらには「お金を払ったのに欲しいものが出てくるとは限らない」。そんな“予想通りに行かないところ”も含め、カプセルトイの楽しさだと思います。

── キタンクラブは、どうしてここまでシェアを伸ばすことができたのでしょう?

キタン 「コップのフチ子」のヒットで、キタンクラブの固定のファンがついたことが大きいです。それにより弊社が他社さんとは違った製品をつくっていることを、広く知ってもらえました。最近話題になったものでいうと、9月発売の「おにぎりん具」はカプセル自体がおにぎり形になっていて、中には、梅干や鮭などおにぎりの具の形をしたリングが入っています。筐体からころりと転がってくるところが面白がられ発売前の予告動画の時点で話題になっています。つぎに「イカとワタ ボールチェーン付きフィギュア」。体の曲線や触手の細かさなど、まず造形がよくできています。プラスアルファでイカのフィギュアの足部分を引っ張ると中身のワタがズルッと出てくる。こういった「それをやっちゃうんだ……」と笑ってしまうような視点がウケているんだと思います。
あと、ガスバルブの形をした「ハンドルキャップ」。ペットボトルのフタにはめて、指でグルグル回す製品です。手元にあったらつい回してしまう。



── そういう「面白いかどうか微妙」というスレスレの線を狙って商品化するのは、とても難しそうですね。

キタン ええ、パッと見て「これ面白い!」と思わせたら、私たちの勝ちだと思います。定例の企画会議でも「これは売れるな」というものは、企画書が出た途端、満場一致でみんな笑ってしまうようなアイデアです。

── 今のカプセルトイは、90~00年代とは、また別の盛り上がり方をしていますよね。

キタン クオリティの高さだけでなく、アイデアの面白さも求められていますし、SNSなど流行とリンクすることも求められています。また、弊社だけではなくカプセルトイのメーカーさんが増えてきて、それに比例して筺体の数が増えました。母数が増えたことも、盛り上がっている理由のひとつですね。今、街でカプセルトイの筺体を見かけない日はありませんよね。駅や空港にまで置いてありますから、外国人観光客の方も回してくれています。

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