ホビー業界インサイド第21回:あまりに広大で自由な「ゲームズワークショップ」の高密度なミニチュアと世界観に、ホビー業界の沃野を見た!

2017年03月18日 12:000

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プラスチック成型の導入と“シタデルカラー”の脅威


── 何よりの驚きは、プラモデルのような組み立てキットなのに、ミニチュアがとても有機的なことです。かつてはホワイトメタル製だったとのことですが、いつからプラスチック製のミニチュアが作られるようになったのですか?

大友 最初に、プラスチック製のミニチュアが当社から発売されたのは、1987年です。

── 金型は、どこで作っているのでしょう?

大友 イギリスです。

── ミニチュア化されるクリーチャーやメカニックも、イギリス人のアーティストがデザインしているんでしょうか?

大友 いえ、イギリス人とは限りません。日本人のミニチュアデザイナーも存在しています。

── ホワイトメタル製のミニチュアは、もう製造していないのですか?

大友 今でも極めて少数のホワイトメタル製ミニチュアも製造しています。また、レジン製のキットもありますが、主流は完全にプラスチック製のミニチュアです。

丹野 かつてはホワイトメタルやレジンでないと成型できなかったような精緻なミニチュアが、プラスチックでも表現できるようになり、加工や塗装がしやすくなりました。お客様からは、圧倒的に賛同の声を得ています。


大友 極端な例をあげますと、ドラゴンの羽。羽などのパーツはホワイトメタルでも成型可能なのですが、自重でつぶれていってしまいます。プラスチックなら、より大きくて軽い羽を成型でき、しっかり自立できます。そこが、プラスチック製ミニチュアならではの利点の1つですね。

── 塗装に関しては、「シタデルカラー」というミニチュア専用塗料を発売していますよね? 他の塗料とは、まったく考え方が違うと聞いていますが……。

丹野 シタデルカラーには、どなたにでも扱える「ペイントシステム」が設定されています。凹んだ部分に流す塗料は希釈してありますし、凸部にこすりつけるように塗る塗料は、顔料そのままのように粘度が高く調合されています。各用途ごとに、性質の異なる塗料が用意してあるわけです。それらを順番にしたがって塗っていけば、どなたでもリアルに仕上げることができます。塗装は敷居が高いと思われがちですが、その敷居を取りはらうのが、シタデルカラーの「ペイントシステム」です。筆も塗料の性質に合わせて用途ごとに分けられていますので、迷うことなく塗装できます。チャートも用意してあり、どの塗料を使えば、どんな仕上がりになるか、ひと目でわかります。


── これは、画期的な塗装システムですね……。ユーザーの皆さんは、組み立てて塗装する方とゲームで遊ぶ方、どちらが多いのですか?

大友 店舗や地域によって傾向が違いますので、一概には答えづらいです。ただ、ミニチュアをペイントする行為はお化粧やネイルアートにも通じるものがあり、女性やお子さんも楽しんでおられます。ペイントを楽しむ層は、世界中でかなり増えていると思います。
私はゲームから入った人間なので、「こんな細かいミニチュアを50体も塗るのか?」「それは無理だろう」と気後れしていました。ところが、シタデルカラーを半信半疑で使ってみると、自分の想像よりは、はるかにうまく塗れるんです。箱の見本とまったく同じになるかというと、それにはセンスや技量が足りないけれど、明らかに自分の想像を超えた仕上がりになる。その手軽さもあって、人種性別年齢いっさい問わないホビーとして発展しています。

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