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10年以上前の画面効果を、目で見極めて、忠実に再現
杉原 そのようにして作成した「勇者王ガオガイガーFINAL」のBlu-ray用のデータを使って、今度は「勇者王ガオガイガーFINAL GGG」の作業を行います。
──「ガオガイガーFINAL GGG」は、「ガオガイガーFINAL」に「ベターマン」の映像を加えたテレビ放映バージョンですよね? 鈴木 そうです。「ガオガイガーFINAL」をベースとして、テレビ版「勇者王ガオガイガー」と「ベターマン」を合わせた集大成的な作品ですが、単純に映像を寄せ集めたわけではありません。もともとの映像に対し、当時の編集時にエフェクトや画面動など、さまざまな後処理が追加されていますので、それらをすべて再現しています。ですから、元の映像を見ながら、どこにどんな効果が加わっているか見比べながら、作業していきました。「ガオガイガーFINAL」と「ガオガイガーFINAL GGG」は同じように見えて、微妙に違うところがあるんです。
──その微妙な差異は、目で見て探すしかないんですか? 鈴木 オフライン編集時に「この絵は○話から流用している」など、事前にチェックはしています。それでも細かな取りこぼしがあるので、ワンカットずつ目で見て確認していきます。例えば、両方の映像を集中して見比べてみると、画面動を足していると気づくんです。画面動といっても、ただ適当に画面を揺らすだけでは、お客さんが見て「なんか当時の印象と違うよね」と、違和感をおぼえてしまう。ですから、ほぼ完璧に動きを再現しています。
木内 同じように見えても、左右の絵を反転して再利用しているカットもあるし、口パクが「ガオガイガーFINAL」と「ガオガイガーFINAL GGG」では、違っていることもありました。「FINAL」でズレていた口パクが、「GGG」のときに直されていた……という特殊な場合は、「FINAL」まで戻って、ズレを修正しているんです。
鈴木 サンライズさんの立ちあいのもと、週に一度ずつお互いに確認しながら、一歩すすんでは一歩もどって……という、地道な作業でした。今ふりかえると、よく終わったものだと思います(笑)。
──制作期間は、どれぐらいかかったのですか? 鈴木 2016年8月中旬から、10月いっぱいぐらいまでかかりました。ただし、それは私の作業期間です。
杉原 編集作業に、2か月半ほどかかったわけです。それ以前にアップコンバート・カラコレ・MA(音声編集)作業など、各素材に合わせての仕込みの期間がありました。
木内 フィルム部分に関しては、カラコレした後も、映像にゴミが残っているので、ゴミ消し作業などもあります。それらが終わってから、ようやく素材が鈴木さんに渡って、編集作業に入れるんです。