大人気の日本のアニメ映画と希望が見えない日本の新作アニメ配信 中国の4月新作アニメ事情【中国オタクのアニメ事情】

アニメ2023-05-04 12:00

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中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の4月の新作アニメに関する動向や、現在中国で好調な日本のアニメ映画の状況などについて紹介させていただきます。

動きが鈍く、予想外な炎上も発生している4月の新作アニメ配信


中国でも、日本の4月の新作アニメの配信は始まっていますが、ここしばらくのシーズンと同じあるいはそれ以上に盛り上がらない空気となっている模様です。
中国のオタクな方々の話によれば、中国では配信プラットフォーム側からの4月の新作アニメ配信に関する積極的な広報活動はないらしく、更新スケジュールに関しても相変わらず不安定な状態が続いているとのことです。

また配信されている新作アニメの作品数もそれほど多くないらしく、第1期が中国で大人気になった「王様ランキング 勇気の宝箱」や、新作アニメ扱いで「劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-」前後編の配信が始まってはいるようですが、中国のオタク界隈で期待されていた話題作の配信は行われていないとのことです。

それから4月の新作アニメに関しては
「中国で正規配信されていないはずの『【推しの子】』が中国で大炎上する」
というなかなかに頭の痛い事件も発生している模様です。

【推しの子】」は同じ原作者の作品である「かぐや様は告らせたい」が中国でも大人気になっていることや、アニメPVのクオリティの高さやYOASOBIの主題歌などにより、中国でも4月の新作における注目作となっていたそうです。
しかし中国では原作マンガの正規配信は行われているものの、近頃の中国における娯楽分野の規制管理の厳しさや、中国の倫理的な感覚による批判のリスクなどから、中国のオタク界隈ではファン以外からの注目も集まるアニメの中国向け配信はなさそうだと諦め半分で受け入れられていたそうです。

しかしアニメが始まってみると中国国内でも非正規ルートでの視聴や作品を話題にした動画とその視聴者が増えていき、さらには序盤の重要キャラである星野アイの「16歳のアイドルが未婚で妊娠していた」という設定に対する批判が巻き起こり、中国のネットでは大炎上状態になってしまったそうです。

この炎上騒動に関して中国のオタクな方々からは
「中国での日本のアニメの正規配信は減りましたが日本のアニメの話題性は変わっていないので動画の題材、炎上ネタとしての使いやすさも変わらないという問題があります。中国国内の『【推しの子】』関連の炎上は世界的に【推しの子】が大人気になった影響とも言えそうです」

「さすがに冷静な人間はあきれていますが、現在の中国の環境では避けるのが難しい問題ですし、中国で『【推しの子】』のアニメの配信がなくてよかったという気持ちになってしまいます。もし配信されていたら配信プラットフォームや公式アカウントなども明確な攻撃対象になっていたかもしれません……」
などという話も出てきました。

日本のアニメに限らず現在の中国では、管理の厳格化により外国の作品は国内の審査を通してからでなければ配信できないという規則が徹底され、配信プラットフォーム側もかなり苦労をしているようです。日本の新作アニメに関しても話題作のライセンスを獲得して特設ページまで作ったのに配信できないままフェードアウトになったといった事態も発生しています。

中国のオタクな方々からは
「実質的に日本とのタイムラグなしで配信できていた時代は遠いものになった。商業的にも見通しが立てられないので、今後の日本の新作アニメの正規配信がどうなるかわからない」
などといった話も聞こえてきますし、現在の中国では日本の新作アニメの配信に関してかなり悲観的な空気も漂っている模様です。

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