【インタビュー】なぜかインスタきっかけで大ヒット中! 埼玉県上尾市の魅力が詰まったカプセルトイ「上尾伝説」を作った男たちに会ってきた!

ホビー2022-09-22 12:00

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おまけシールやカプセルトイなどを企画・販売する埼玉県上尾市の企業・ワイエスコーポレーションが、2022年7月より「上尾市」にスポットを当てたカプセルトイの販売をスタート。大きな話題を呼んでいる。

市民に愛される上尾市のマスコット「アッピー」、国鉄時代の「昭和30年代木造上尾駅」、上尾市民ならみんな知っている「さいたま水上公園・流れるプール」、1日中ずっと遊べる「上尾丸山公園」、大人気の「コツメカワウソ」、上尾西口に謎のマーク「モンシェリーマーク」、昭和の郷土菓子として市民に愛された「上尾のあの字」の全7種類がラインアップされた第1弾を皮切りに、現在、すでに第3弾まで展開している。

 

 

第2弾のラインアップは、大きな傘屋根がカッコイイ「JR上尾駅駅舎」、滝の水が冷たかった「さいたま水上公園・滝のあるプール」、どろんこまみれのおまつり「平方のどろいんきょ」、日が暮れるまですべった「上尾丸山公園すべり台」、運動大会で走った「上尾運動公園陸上競技場」、新井屋呉服店のお店に立つ「鍾馗(しょうき)様」、上尾PAPAに鎮座する「上尾公園石像」の全7種。

 

 

第3弾は、何回も楽しくすべった「さいたま水上公園・大すべり台(スライダープール)」、おしゃれなデザイン「JR北上尾駅駅舎(東口)」、上尾駅西口を見守る大きな立て看板「モンシェリー通り」、子どもたち300人が考えた上尾市子どもの読書活動支援センターのキャラクター「ブッピー」、なかなか顔を出してくれない「ワオキツネザル」、上尾運動公園に設置され令和3年に役目を終えた「要塞すべり台」、なぜかさやえんどうのマークがある「アリコベールロゴ」の全7種と、上尾市民なら「わかる! わかる!」と泣いて喜ぶキャラクター(?)が商品化されている。

 

 

今回、企画・販売元の㈱ワイエスコーポレーション代表の保坂朋章氏と、企画協力の上尾市観光協会・塚越俊久氏、上尾市商工課の佐藤周平氏にインタビューをし、お話しをうかがった。

 

インスタグラムで大ブレイクした「上尾伝説」

──今回、上尾市のご当地ガチャ「上尾伝説」を作ることになった経緯を教えてください。

 

保坂 もともと弊社はおまけシール・おまけカードを企画・開発したり、上尾市のPAPA上尾ショッピングモールでカプセルトイの販売をしておりました。2020年12月より販売をスタートし、今までに愛知県(大須)、兵庫県(尼崎)へと売り場を展開させてきました。

カプセルトイ事業を展開する中で、何か新たなオリジナル商品が作れないか模索していたのですが、私自身が上尾という街で育ち、上尾という街が好きということに今さらながら気づいたんです。大宮・浦和に比べたら非常に小さい街ですが(笑)。

 

──その愛すべき「上尾」をカプセルトイにしたかった?

 

保坂 はい。そこで、上尾をテーマにしたカプセルトイを考えまして、商品名は「上尾伝説」としました。「伝説」と銘打ったのは、上尾の街並みや風土の移り変わりを、記憶の中だけで終わらせてしまうのはもったいないと思ったからです。せっかくならイラストにおこして、キーホルダーにして、記憶の中にある上尾の風情を伝説として残したい、そう思ったのです。

 

 

──上尾市観光協会としては、「上尾の魅力をキーホルダーで表現したい」という企画を聞いた時はどう思われましたか?

 

塚越 やっと来た!と思いました。大宮や浦和のカプセルトイが話題になっていましたし、最近は大型商業施設には必ずと言っていいほどカプセルトイ専用のコーナーがあります。上尾市でもできないか?と考えたこともあったので、非常に嬉しい相談でした。

 

──手ごたえはいかがですか?

 

保坂 7月23日の販売開始当日、私はアリオ上尾店でこっそり売り場の様子を見ておりました。正午くらいまで現地にいたのですが、その時点でガチャを回してくださったのが5組ぐらいで、「やはり上尾市をテーマにしたガチャガチャは難しいのかな」と感じながら事務所に戻りました。

実は、テストとして7月16日、17日に開催された上尾夏祭りの期間中、「あげおお土産・観光センター」で先行販売していたのですが、もうそこで飽きられてしまったのかもしれない。2,000個も作っちゃたので、どうしよう……と落ち込みましたね (笑)。

そんな風に落ち込んでいたら、23日の夕方ぐらいに、突然、アリオ上尾店、イオンモール上尾店(シープラ)より「商品が売れ切れになったので、補充しにきてくれ」と電話が来たんです。

 

──突然ブレイクしたんですか?

 

保坂 そうなんです。そこから各設置場所を巡って、自販機にカプセルを補充していきました。翌日も夕方になると各所の自販機が空になり、また補充して回ることになりまして、どういうことだろうと思っていたら、ユーザーの方から「『上尾伝説』がインスタでバズってますよ!」と教えていただいたんです。自分はインスタグラムをやってなかったので、全然気づきませんでした。やっぱり何でもやっといたほうがいいですね(笑)。

 

──いわゆるインフルエンサー的な方が紹介された感じなんでしょうか。

 

保坂 そのようです。今では工場の皆さんが総出で製造しています。具体的な売り上げ個数はシークレットなのですが、私は、上尾はこんなにも素晴らしい街なんだ!ということを、たくさんの上尾市民の方々に知っていただきたかったので、これは嬉しかったですね。

 

──あの……今さら基本的な質問で申し訳ありません! 上尾ってどんな街か教えていただけますか?

 

塚越 さいたま市の北側に位置する、人口23万人の都市です。海も山も目立った観光施設もありませんが、人だけはたくさんいます(笑)。都内へのアクセスのよさや、商業施設の豊富さ、丸山公園や運動公園などの公園施設、また市域の東西には緑や自然も多く、住みやすさは抜群です。こどもの城という児童館は、全国の児童館の中でも利用者数で第1位になったこともあるんです(㈶児童健全育成推進財団調べ)。みなさんが楽しく住める街だと思います。

 

上尾愛あふれるラインアップの数々!

──今回のラインアップで、お好きなキーホルダーを教えてください。

 

佐藤 どれも素敵なのですが、「鍾馗様」と「流れるプール」ですかね。上尾生まれ上尾育ちなので、水上公園にはグッとくるものがあります。

 

保坂 水上公園のプールは、実は昨年閉館してしまった大型プール施設なんです。ほかにも、昔あったプリンス公園の跡地に「上尾公園石像」があったり、小学生の頃よく食べたどらやきが「上尾のあの字」のものだったり、どれも思い入れがありますね。ちなみに上尾って、実は埼玉県の田園調布って言われているんですよ。これは言い過ぎですかね(笑)。

 

佐藤 アリコベールやショーサンプラザのロゴは、カプセルトイになると意外といいなと思いました。これも上尾唯一ですから。

 

──第1弾から第3弾のラインアップを見ると、JR上尾駅、JR北上尾駅、そして昭和30年代の木造の上尾駅もありますね。

 

「国鉄時代の上尾駅(昭和37年撮影/提供元:上尾市教育委員会)」

 

──ちゃんと「JR東日本商品化許諾済」のクレジット表記もありますね! これは鉄道ファンも嬉しいと思います。

 

上尾市のマスコット「アッピー」

 

駅舎キーホルダー

 

保坂 上尾市民みんなが使う駅舎ですからね。これも関係各所、企業様のご理解、ご協力で実現致しました、本当にありがたいですね。鉄道ファンの皆さんも、ぜひ上尾に立ち寄ってガチャを回して、コレクションしていただけると嬉しいです。

 

塚越俊久さん(左)と佐藤周平さん(右)

 

──カプセルトイ自販機の設置場所は、上尾市役所、あげおお土産・観光センター、アリオ上尾店、上尾PAPAショッピングアヴェニュー、アリコベール上尾ホテル館2階入り口付近、イオンモール上尾店2階(シープラ)、八枝神社(社務所)の7か所なんですね。ショッピングモールから公共施設、宿泊施設と非常に幅広いです。

 

保坂 上尾市観光協会のご協力、ご紹介で皆様にご協力いただき、感謝のひとことです。

 

──塚越さんと佐藤さんは、今後、こんなキーホルダーが欲しいという希望はありますか? この機会に、ぜひご提案いただけますと。

 

佐藤 好きなキーホルダーでもあげさせていただきました「鍾馗様」や、アリコベールさん、ショーサンさんのロゴなどは上尾にしかないもので、上尾を代表するものって何だろうと考えて、提案させていただいたアイテムなんです。

今後欲しいものとしましては、とてもニッチではありますが、上尾市の国指定文化財として「上尾の摘田(つみた)・畑作用具」というものがあります。昭和40年代頃まで市域の一部地域で行われていた「田んぼに直接、種を撒く」稲作で使われた農耕具が、今ではすっかりなくなってしまっている中で、市内で残っていたものが貴重な文化財となっています。これなんかコアなファンには引っかかるんじゃないかな? なんて提案もしたりしてます……。ちょっとニッチ過ぎますかね?(笑)

あとは開平橋もいいですよね。上尾花火大会にうまく入れられないか、保坂さんと策を練っております!

 

塚越 保坂さんと毎月1~3回ぐらいミーティングして、いろいろ案を出しあっております。ここで言っちゃうとおもしろみがなくなってしまうので、そこはぜひみなさんにご期待いただければ幸いです(笑)。こんなものがあったらいいな、と思ったら、ツイッターで「#上尾伝説」を付けてつぶやいてみてください。保坂さんは、いいアイデアはけっこう取り入れる方なので。

 

──最後に、今後の展望をお聞かせください。

 

保坂 ご当地ガチャ「上尾伝説」は、始まったばかり。今後は新商品を出すだけでなく、新しい販売システム、高品質アイテムなどさまざまな企画を考えております。新しい販売システムは、「交換システム」です。「交換」とはいえ、既存の商品の交換をするのではなく、余ったりダブッた「上尾伝説」キーホルダーを、「交換システム」でしか手に入らなキーホルダーと交換するという仕組みです。

さらにキーホルダーだけでなく、交換で手に入る「上尾伝説おまけシール」というご当地シールも考えております。「交換システム」は2023年夏場以降にスタートできればと考えています。詳しいことが決まりましたら、公式ツイッターなどで告知していきます。

そして、これからも第4弾、第5弾と続けて上尾の魅力を周知していきたいと思います。上尾市で活躍する企業様やお店なども上尾伝説に取り入れさせていただきます。上尾市民だけでなく、他市、他県の方々が来るきっかけになれば幸いです。「上尾ガチャおもしろいね」と感じていただければ嬉しいですね。

引き続き、ご当地ガチャファンにビックリしてもらう企画を出していきますので、よろしくお願いします!

 

【商品情報】

■ご当地ガチャ「上尾伝説」第1弾・第2弾・第3弾

・発売中

・販売機設置場所:上尾市役所、アリオ上尾店、あげおお土産・観光センター、上尾PAPAショッピングモール、アリコベール上尾ホテル館2階、イオンモール上尾店(シープラ)、八枝神社

・販売価格:1回300円

・企画/販売元:株式会社ワイエスコーポレーション

・企画協力:上尾市観光協会

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。

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