1位は「I.W.G.P.」EDテーマ「after song」。レベルの高い楽曲がそろった「2020秋アニメEDテーマ人気投票」結果発表！

多くの楽曲の中から頭ひとつ抜きんでた形で1位になったのは、「池袋ウエストゲートパーク」のEDテーマ、INNOSENT in FORMAL「after song」となった。本作品は、ご存じ、石田衣良の同名小説が原作で、池袋を根城とする少年ギャング集団の対立や友情を描いた物語。その世界観を現代風にうまくマッチさせた楽曲が、INNOSENT in FORMALの「after song」であろう。クラシックの名曲「亡き王女のパヴァーヌ」のメロディに乗せるように、スローなラップのリリックが叙情的に響く本作は、「池袋ウエストゲートパーク」という、ハードな世界で繰り広げられる物語の余韻を残しつつ、気分をスローダウンさせてくれる名曲と言えるだろう。

続いての2位には、「魔女の旅々」のEDテーマ、ChouCho「灰色のサーガ」がランクインした。先だって開催された「2020秋アニメOPテーマ人気投票」では本作品のOPテーマである、上田麗奈「リテラチュア」が1位を獲得したが、EDテーマの「灰色のサーガ」も2位という高順位を獲得。改めて、本作品の人気と、それにうまく寄り添った主題歌の巧みさが証明された形となった。OPテーマ「リテラチュア」とも共通するが、本作も「魔女の旅々」という、少しダークで無情な世界観をニュアンスとして感じさせる、ケルティックなメロディが印象的。作品が持つ雰囲気とのシンクロ率が非常に高く、見終わった後の余韻がむしろ増幅させられるような感じすら覚える楽曲に仕上がっている。

続く3位は、「100万の命の上に俺は立っている」のEDテーマ、Liyuu「カルペ・ディエム」となった。本作品も、「2020秋アニメOPテーマ人気投票」では、OPテーマの高槻かなこ「Anti world」が2位にランクインしており、やはり作品の人気のほどがうかがえる。EDテーマの本作は、アッパー系ロックなOPテーマとは対照的な、中国生まれのコスプレイヤー・Liyuuさんのかわいさが全面的に押し出された透明感あふれる楽曲となっており、ハードな展開のアニメを観た後の一服の清涼剤として、存在感を示した形だ。

4位の鬼頭明里「キミのとなりで」は、「安達としまむら」のEDテーマ。本作の主人公・安達の声を担当する鬼頭明里さんがみずから歌い上げる本楽曲は、OPテーマでもおかしくないほどの明るく疾走感あふれるナンバーだ。さらに続く5位の、ALI「LOST IN PARADISE feat. AKLO」は、人気アニメ「呪術廻戦」のEDテーマ。本作のOPテーマであるEve「廻廻奇譚」も非常にクールでカッコいいナンバーだが、こちらの「LOST IN PARADISE feat. AKLO」も、別の意味でクールでカッコいいファンク系ミュージック。いずれの楽曲も、「呪術廻戦」という作品のスタイリッシュな一面にマッチしており、作品を盛り上げることに成功している。さらに同率5位の「魔王城でおやすみ」のEDテーマ、ORESAMA「Gimmme!」も、非常にポップながらカッコいいロックナンバーとなっており、ゆるふわ系コメディである本作品の雰囲気にうまくシンクロしながらも、その個性を際立たせたような楽曲に仕上がっている。ちなみに、この3作品とも「秋アニメOPテーマ人気投票」ではやはりそれぞれのOPテーマが上位にランクインしている点では共通している。

これに対して、7位以降の楽曲は、「秋アニメOPテーマ人気投票」ではあまり上位にランクインしなかった作品からのランクインが続く。7位の「氷の鳥籠」は、「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」のヒロイン、アリスリーゼを演じる雨宮天さんによるキャラクターソング。「氷の魔女」とあだ名される王女・アリスリーゼの心情を歌った切ないナンバーだ。8位の「あのね。」も「くま クマ 熊 ベアー」の主人公・ユナを演じる河瀬茉希さんによるキャラソン。こちらは、作品のテイストそのままに、非常にかわいらしい雰囲気たっぷりのポップチューンである。続く9位の「Edel Lilie」も、「アサルトリリィ Bouquet」に登場するキャラたちによる声優ユニット「一柳隊」が歌うキャラソンだ。舞台展開なども行っている「アサルトリリィ」プロジェクトの楽曲にふさわしく、舞台映えしそうな、勇ましい少女たちが歌う応援歌という雰囲気の楽曲に仕上がっている。

最後の10位には、「憂国のモリアーティ」のEDテーマ、STEREO DIVE FOUNDATION「ALPHA」がランクインした。STEREO DIVE FOUNDATIONとは、多くのアーティストへの楽曲提供で知られるR・O・N（飯田龍太）さんの別名義プロジェクト。テクノとポップ、ロックをかけ合わせたような疾走感あふれるナンバーとなっており、ダークな雰囲気の本作品を爽やかに締めくくる存在となっている。

以上、2020秋アニメのエンディングを色取るさまざまなEDテーマが、ベスト10にランクインした。作品自体の人気もさることながら、それぞれのEDテーマのクオリティも高く、作品の雰囲気にうまくマッチしたレベルの高い楽曲が上位に選出された印象だ。

なお、11位以下の結果は、下記ページを参照していただきたい。