中国にオタク文化を作った京アニ作品の影響と中国の7月期新作アニメ事情【中国オタクのアニメ事情】

アニメ2019-09-07 18:00

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の7月期の新作アニメに関する動向や、京アニ作品が中国に与えた大きな影響などについて紹介させていただきます。

自分の体験や知識を重ねられる作品が活躍している7月期新作アニメ


中国の学校もこの時期は夏休みに入ることから、現地では学生同士の交流が減り、寮生活が基本の大学生も実家に帰ります。中国では長期休暇中はアニメ視聴者の環境が大きく変わり、新作アニメのチェックだけでなく、未視聴作品の消化や、好みの長編作品の視聴なども重視するようになるそうです。
そういった背景もあってか、7月期の新作に関してはほかのシーズンと比べて初動の勝負だけでなく、中盤になってから人気が出たり再生数が伸びたりする作品も目に付くといった話もあります。

そんな7月期の新作アニメの中で、面白い人気の出方をしているのが「女子高生の無駄づかい」だそうです。中国では時々「男子高校生の日常」のように学校を舞台にしたコメディ作品が定番作品的な扱いで人気になることがありますが、「女子高生の無駄づかい」もそういった方向での人気の高まりになっているとのことです。
この作品に関しては中国のオタクな面々にとっても、自分自身に当てはまると感じてしまう残念なネタとツッコミ、どこかで見たことがあるような安心できる日常の世界などがよいとされているそうです。それに加えてキャストも、日常系アニメが守備範囲の中国のオタクな面々にとっては非常に慣れ親しんだ声優ばかりなのもプラスに働いているのだとか。

また当初はやや出遅れ気味だったものの、序盤以降に伸びてきたのが「Dr.STONE」だそうで、中国の視聴者が普段の生活や学校で学ぶ知識や考え方を活用する内容、現代知識で世界開拓をするというのが広い範囲の視聴者にとって入り込みやすい要素となっているという話です。
ほかにはヒロインの魅力に加えて安心感のあるラブコメということでじわじわとファン層を拡大している「からかい上手の高木さん2」や、中国で一時代を築いた禁書シリーズのファンによる手堅い支持のある「とある科学の一方通行」などが続編系のアニメとして好調のようです。

そして前回の記事でも簡単に紹介させていただいた「ダンベル何キロ持てる?」はコアな層に刺さり注目を集め続けているとのことですし、「ロード・エルメロイII世の事件簿-魔眼蒐集列車 Grace note-」はFGOによってさらに増えた中国のFateファンが設定を語ったり確認したりという方向も含めて盛り上がっているそうです。
またそれ以外にも「ありふれた職業で世界最強」などの異世界トリップ系作品が気楽に見られるお約束ネタの作品として堅調に再生数を稼いでいることや、「鬼滅の刃」が4月のシーズンからずっと好調で、少年マンガ原作系の作品としては久々にトップクラスの人気を維持していることも目立っているそうです。

近ごろの中国では中国産・日本産を問わず、さまざまな若者向け、オタク向けのコンテンツに対して結構な頻度で、規制や配信中止など、何かしら「理由は想像するしかない」ゴタゴタが発生しているような感もあります。
ですが今期は幸いなことに(?)多少の炎上や現地での配信時のカット修正がやや多くなっているといった話も聞こえてくるものの、最近としては比較的平穏なシーズンとなっている模様です。

前へ 1/2

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。

関連作品

関連記事