壮大でファンタジックな歴史絵巻に酔いしれる! 秋アニメ「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」大野柚布子×大西沙織×沼倉愛美インタビュー!

2018年10月07日 12:000

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10月スタートの秋アニメ「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」は、百年戦争を舞台に、魔術や錬金術に没頭する貴族の息子・モンモランシとジャンヌ・ダルクの2人を中心に展開される歴史ファンタジー作品。

そんな壮大なスケールの作品に出演するジャンヌ・ダルク役の大野柚布子さん、シャルロット役の大西沙織さん、リッシュモン役の沼倉愛美さんにインタビュー!

本作ならではの要素である「ユリス化」をはじめ、見どころをズバッと答えていただいた。

 

史実に基づいた壮大なストーリーが展開!

――まず、みなさんの作品に対する印象について、お教えください。

 

大野柚布子(以下、大野) 「ユリシーズ」は15世紀あたりのフランスとイングランドの百年戦争といった歴史を基にした作品です。オーディションを受ける前に原作を読ませていただいたんですが、歴史についてはほとんど知らない状態でした。でも、もともとファンタジーがすごく好きなこともあり、シンプルに「錬金術」や「エリクシル」といったファンタジー要素が面白くて楽しみながら読めました。

それと、史実に忠実な作品なので「そういう歴史があったんだな」って読んでいて、すごく勉強になる部分もあって。「教科書みたい!」って思いました。

 

大野柚布子さん

 

一同 (笑)。

 

大野 ジャンヌ・ダルク役をやらせてもらうことが決まって、何も知らないままだといけないと思って、フランスの歴史も勉強したんです。それでまた原作を読んだら、自分の知っている実際の歴史とのつながりがすごく面白かったです。歴史を知らなくても楽しめるし、歴史を知っているからこそ楽しめるポイントもあって、いろんな楽しみ方ができる作品だと思いました。

 

大西沙織(以下、大西) 私は最初、原作を読む前にいろいろな役でオーディションを受けさせていただきました。オーディションの時は、「どの役も難しいことを話している」という印象でしたね。私も歴史は得意ではないので、国家間のイザコザといった時代背景も難しく感じていたんです。

最初に絵を見た時は、小さくてかわいらしいジャンヌや巨乳のシャルロットなどがいて、女の子がバラエティに富んでいるな、と思っていたのですけど……。オーディションのセリフには「我は✕✕である!」といった戦闘前の名乗りのようなセリフもあって、見た目のかわいさやキレイさだけを汲み取るだけでは表現できない、ひと筋縄ではいかない作品だな、と感じました。

 

沼倉愛美(以下、沼倉) 「ユリシーズ」という作品は私もオーディションで初めて触れたんですが、キャラクター1人ひとりの設定やそれぞれに注目した物語に加えて、時代背景を含めた歴史の大きな流れをまとめたものなど、かなり細かい資料をいただいたんです。その資料には歴史の流れがわかりやすくまとまっていて、「すごい大作なんだ!」という印象でしたね。

主人公であるモンモランシとジャンヌ・ダルクを中心に進む物語ではあるんですけど、史実を題材にしているということもあって、個人ではどうにもならない時代の流れといった、大きなものを描きたいんだな、ということが伝わってきました。なので、ファンタジー要素がありながらも、すごくリアリティのある作品に感じられましたね。

だから、気合いを入れてオーディションに臨んだんですけど、自分的にはうまくいかなくて……。「これは落ちたな」って思いながら、へこんで帰った記憶があります。

 

沼倉愛美さん

 

――オーディションでうまくいかなかったというのは、上手にキャラクターになりきれなかったということですか?

 

沼倉 いえ、登場するキャラクター名の「ラトレムイユ」がうまく言えなくて(笑)。

 

一同 (笑)。

 

沼倉 リッシュモンが全軍に号令をかけながら、「ラトレムイユ」って言うシーンがあるんですけど、叫んだり大声を出すのが苦手という意識もあったので、オーディションの後は「全然うまくできなかったな」って思いながら帰ったのを覚えています。

だから、オーデイションに受かったのも意外でした。「私でいいんですか!」って(笑)。

 

大西沙織さん



演じるキャラクターと似てる?似てない?

――ここからは、それぞれが演じるキャラクターについてお話をうかがえればと思います。まず、大野さん演じるジャンヌ・ダルクは一般的なイメージよりも幼い少女の印象ですが、どういったキャラクターですか?

 

大野 ジャンヌは明るく元気な女の子という感じですね。でも、戦争で家族を失ってしまったという背景もあります。それで、死んでしまった妹の代わりになってくれるという妖精さんと一緒に、羊を飼いながら田舎の村で暮らしています。

ただ、お話の中で、ジャンヌはなんらかの感情が増幅されてしまう”ユリス化”をすることになります。その時に「傲慢」という性格がすごく誇張されてしまうんですね。そうすると、元のかわいかったジャンヌとはまるっきり別人になってしまって、人を見下しているというか、すごい感じが悪くなっちゃいます(笑)。

 

――二面性の強いキャラクターですよね。演じる際には苦労されましたか?

 

大野 オーディションで“ユリス化”したジャンヌを演じる時には、元々のジャンヌがわかるくらいの感じで演じてました。そうしたら、演技指導で「まるっきり違うような人物として演じてください」と言われたんです。「ひとりで兵を倒せるくらいの女の子になるので、もっと傲慢で強くて、とにかく(元のジャンヌと)差をつけてください」と。なので、“ユリス化”した時は別人のつもりで演じましたね。

 

 

――大野さんご自身はほんわかした印象が強いので、傲慢な感じの演技は想像がつきませんね。

 

沼倉 (大野さんの演技を見て)ビックリしました!

 

大野 最初はとっても苦労しました。やったことがないような役でしたし、怒りとか傲慢な気持ちとかって、日常生活では出してはいけないじゃないですか……。友達いなくなっちゃうから……。自分でも気づかないうちに、そういう気持ちを自然と押し殺していたのかな、って。

それで、“ユリス化”したジャンヌを演じるために、日々の怒りとかをギュって集めて、アフレコの時にそういった感情を一気に出そう!と思いながら演じています。

 

――なるほど。次に、「高飛車姫」というキャッチコピーがついているシャルロットについて、お教えください。

 

大西 まず第1話はモンモランシやシャルロット、リッシュモンたちの学生時代のお話から始まります。シャルロットはフランス王国の姫太子として、女王になるべきポジションにいる女の子なのですが、その時点ではまだ国のことを背負っていません。なので、高慢でワガママで、高飛車で自分勝手な女の子、というのが第1話での印象です。フィリップという泣きべそをかく女の子がいて、その子にわざと意地悪なことを言って怖がらせるような子なんですよ。

その後、7年たって成長したシャルロットが登場します。その頃には、シャルロットは以前のように自由奔放ではいられなくなっています。国家という、普通に生きていたら考えられないような重圧を背負っているんです。

なので、最初に演じたシャルロットとはまるで別人、という意識をして私も演じています。

 

 

――公式のキャラクター紹介では、「男性嫌いの性格だが、男性を惑わす」といった記述が見受けられます。

 

大西 シャルロットはお母さんの影響で男性が嫌いなんです。ただ、自身の成長は止めることができないので、ボン・キュッ・ボンな感じの魅惑的なボディになってしまっているんです(笑)。

シャルロット自身が自ら男性を魅了するというよりは、高貴で美しい方なので、その美貌に男性が魅了されてしまう。けれどもシャルロットは男性が嫌い、といった感じです。

 

――演じる際に、声にセクシーさを乗せることなどは意識されましたか?

 

大西 それはもう自然に乗ってしまいます(笑)。

 

一同 (笑)。

 

大西 というのも、私は普段お姉さん的な立ち位置の役柄を演じることが多いんです。

なので、むしろ幼少期のかわいらしいシャルロットを演じる時のほうが、自分の中で試行錯誤しています。色気を封印しながら、高飛車でキツイことも言うけれど、きちんとした上品さも垣間見えるよう意識していました。

 

――「純潔の女騎士」というキャッチコピーのリッシュモンはいかがでしょう?

 

沼倉 リッシュモンは貴族のお嬢様なんですが、学校で騎士になるための勉強をした、すごく強いキャラクターです。大人になってからはフランス軍の元帥にまで上り詰めて、大軍を率いるような地位にいます。でも、見た目はすごい女性らしくて、モンモランシに想いを寄せていたりと、17歳の女の子らしい部分を持っていたりもします。

そして、これは設定にもあるんですが、リッシュモンは「正義の人」なんです。すべてにおいて、正しいこと以外しないし、できない。それは逆に言うと、敵も作りやすくて、すごく生きづらい性格でもある。だから、私は不器用な人なんじゃないかなって思ってます。

私、キャクターの個性って、欠点をどう魅力的に見せるかってことだと思っているんですよ。だから、リッシュモンの頑固さや融通の効かなさをきちんと個性として表現できるように、意識して演じていました。

 

――沼倉さん自身、リッシュモンに似ている部分はありますか?

 

沼倉 自分で「似てる」って言うのは、ちょっと恥ずかしいな(笑)。

 

大西  2人ともストイックじゃないですか!!

 

沼倉 自分にはだいぶ甘いですけどね。リッシュモンみたいに、公私ともにまっすぐな生き方はなかなかできないんじゃないかな。時代背景としてどうかはわからないんですが、もし本当にリッシュモンのような女性がいたら、女性から憧れられるような立ち位置なんじゃないかな、とも思います。

ただ、実際にいたら、とっつきにくいと思われてしまうかもしれないけど……。あ、とっつきにくい部分は私と似てますね(笑)。

 

大野 カッコいいところが似てます!

 

沼倉 ありがとう! 今のは私が言わせたね(笑)。

 



別人に変身してしまう!?「ユリス化」!

――本作では、先ほど大野さんに説明いただいたように、なんらかの感情が増幅されてしまう”ユリス化”という設定が特徴的です。自身の中で二面性を感じる部分、もし自分が“ユリス化”した時にはどんな感情が前に出ると思いますか?

 

沼倉 私は「怠惰」ですかね。私、血液型がAB型なんですけど、公に人とおしゃべりしている時の自分を“A型の自分”って呼んでます。さっき大西ちゃんが言ってくれたように、「ストイック」「しっかりしている」とか言ってもらったりするんです。でも、多分、私はみんなにそう思ってもらいたいからやってるだけなんですよね。

家の中だと本当に最低限のことしかしたくなくて、「自分ひとりしかいないのに、洗濯物を畳むとか意味わかんない」っていうタイプなんです。

だから、そのすでに持っている「怠惰」が増幅しちゃったら大変かも(笑)。もちろん、血液型のせいにしちゃいけないんですけど……。

 

――リッシュモンなら、ひとり暮らしでもちゃんと洗濯物を畳みますかね?

 

沼倉 「何時までに畳む」とか考えながら、使命感を持ってしっかりやるタイプだと思います!

 

――それでは、大野さんはいかがですか?

 

大野 私、「なんにも考えてなさそう」とか「眠そう」ってよく言われるんです。

でも、ちゃんと考えていて……! 意外と頑固な部分もあるんですよ。自分が「違う」と思ったこととかは言わずにはいられなかったりしますし。

 

一同 (意外そうに)へー!

 

大野 ただ、この部分が誇張されてしまったら、ダメですね。すごい生きづらくなっちゃうと思います。

 

――「自分の考えを主張」とするというのは、ある意味「傲慢」にもつながってくる部分があるのかな、と。

 

大野 “ユリス化”したジャンヌの時は、そういった自分の中の硬い部分を出すようにしていますね。

 

 

――シャルロット役を演じる大西さんはいかがでしょうか?

 

大西 私はシャルロットと似ているのかな、と思うんですよ。

シャルロットは普段、上から目線の高飛車な女の子です。ですが、意外と打たれ弱くて、自分に背負いきれないことがあるとすごく沈んでしまいます。

私はよく「メンタル強そう」とか「凹まなそう」と言われるんですけど、本当はすごく豆腐メンタルなんですよ! 人が自分のことをどう思っているのか、すごく気になってしまうんです。日々、子鹿のように震えながら生きている部分があって、そういう面はあまり周囲に見せていない……自分で見せていないつもりではないんですけど、意外と感じ取られてないみたいで。

だから、私が“ユリス化”したら、(心の弱い部分が増幅されて)部屋のすみでシクシク震えて泣いているタイプだと思います(笑)。

 

――自身のキャラクターに似ている部分/似ていない部分がある。みなさんが、それぞれのキャラクターをどう演じるのか、楽しみにしています。それでは、最後に読者へのメッセージをお願いします。

 

沼倉 今回、お話させていただいた通り、「ユリシーズ」はいろんなキャラクターが出てきますし、モンモランシの周りにはかわいらしい女の子がたくさん登場して、画面を華やかに彩ってくれます。

あと、セクシーなシーンもところどころにありますね。台本の中でもところどころに「胸圧」(むねあつ)という言葉が出てくるんですが、作品を見ながら、「これが胸圧か……!」って思っていただけると嬉しいです(笑)。

もちろん、戦争や史実といったしっかりとした部分もあって、一本筋の通った芯のあるお話になっていると思います。コミカルなシーンとのバランスもすごくよいので、ぜひ楽しんでください。

 

大西 第1話では、みんなが幸せに過ごす楽しい日常が描かれます。そこから話数を経るごとに、それぞれ抱えているものや背負いきれなくなるものなどが出てきて、みんながみんな何かしらと戦っているというお話になっていきます。

それぞれのキャラクターが重々しいものを背負った時、どう物事と向き合っていくのか。また、人との関係性でどういった化学反応が起きて、物語が進んでいくのか。そういった重厚な部分を楽しんでいただけたらいいな、と思います。

 

大野 「ユリシーズ」は歴史を基にして、歴史上の人物が美少女になって出てくるので、「かわいい」って思ったりコメディ的な部分で楽しむこともできるんです。それに戦争をしっかりと描いているので、本当にいろんな見方ができて、いろんな楽しみ方ができる作品だと思っています。歴史を知らない人も、知ってる人も楽しめるんです。ぜひ、自分なりの「ユリシーズ」の楽しみ方を見つけてもらえたら、嬉しく思います。よろしくお願いします!!

 

 

(取材、文、撮影/須賀原みち)

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ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士

放送日: 2018年10月7日~2018年12月30日   制作会社: AXsiZ
キャスト: 逢坂良太、大野柚布子、東城日沙子、沼倉愛美、大西沙織、高田憂希、石上静香、桑原由気、間島淳司、高橋英則、糸博、日野聡、興津和幸、阿部敦、斧アツシ、平田広明、玄田哲章、富田美憂、子安武人、諏訪彩花、石塚運昇
(C) 春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

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