CUDAさんの評価レビュー

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1stシーズン、2ndシーズン通してのレビュー

観賞手段:テレビ、BD
Fate/Zeroは“ほぼパーフェクト”なTVアニメ
娯楽性の高さと、Fate/stay nightの設定や世界観を存分に活かしたストーリーの奥深さは見ていて飽きることが全くなく、特急のように最終話まで見続けることができる。

衛宮切嗣は主人公というよりもメインのキャラクターの一人で、実際はマスターとサーヴァントのほぼ全員が主人公クラスのキャラクターだと言える。彼らそれぞれのストーリーが全て興味深い。
これだけダークな世界観の中に感動的なシーンが用意されているのは驚きだった。ネタバレを避けるために詳しくは言及しないが・・・

相当に堅物で聡明なキャラクターが多い中で、ウェイバーとライダーのようなキャラクターの存在はFate/Zeroをぐっと見やすい作品にしている。
キャラクターの魅力の高さはFate/Zeroの大きな長所の一つ

本作のほぼ全話に渡って、大型のスクリーンでも映えるような精細かつ迫力ある映像で、TVアニメとしては最高だと多くの人が思える素晴らしいものに仕上がっている。また、CGやエフェクトもかなりうまく使われている。
アクションシーンは序盤から剣戟の重みを感じるような非常に見応えのあるもので、戦闘シーンが待ち遠しくなる。

音に関して、サウンドエフェクトの選び方とその高い質は文句のつけようがなく、アクションシーンを盛り上げている。

声優に関しては、SNから登場しているキャラクター、Zeroで新しく登場したキャラクターのどちらも本当によくぞこのキャスティングをしてくれたと称賛したい。
ディレクションもかなり上手くいっており、キャラクターの言葉の重みと説得力の高さはこれだけの経験豊富な声優陣ならでは。

主題歌は1stシーズンのoath signと2ndシーズンのTo the beginningのどちらもFate/Zeroに似合う良い曲だが、1stシーズンのエンディング曲の「Memoria」を聴くと、Zeroだけでなくstay nightのことも思い浮かんでくるので、Fateシリーズのことを考えると一番似合う曲なのかもしれない

満点をつけたが、実際は4.8くらいをつけたい。

残りの0.2は些細な問題ではあるが、これらを考慮すると満点には至らないという結論。
まず、1stシーズンの遠坂凛のエピソードは丸々1話使うだけの価値はほとんどないと思われる。あれに時間を使うなら、2ndシーズンで遠坂時臣対間桐雁夜の対決のシーンを長くしても良かったし、カットされてBDに収録されているシーンを入れたりしてもよかった。

原作やドラマCDにある各キャラクターの心情描写がカットされすぎていることもマイナス。アニメ化に際して削らなければならないのは仕方ないものの、かなり重要な台詞もなくなっていたりしたのがやや残念。
特に最後の切嗣対綺礼の戦闘では心情描写があったほうがより駆け引きを楽しむことができたはず。

特定の話数でキャラクターデザインがやや崩れている。作画崩壊はしていないのだが、作品全体のクオリティが高い分どうしても気になってしまう。

また、「エミヤ -time alter-」があのシーンで流れなかったのは少し残念だった。

ともあれこれらがFate/Zeroの評価を大きく下げることにはならない。

Fate/stay nightのゲームをプレイしていればFate/Zeroは何倍も楽しめるが、Fate/Zeroだけでも十分すぎるほど、あらゆる要素が平均を遥かに超えてトップレベルの作品で、2011年と2012年を代表するアニメだと断言できる。
CUDA
CUDA
ストーリー
5.0
作画
5.0
キャラクター
5.0
音楽
5.0
オリジナリティ
4.5
演出
4.5
声優
5.0
4.5
満足度 5.0
いいね(2) 2015-10-12 13:04:43

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