今さらレビューするのも何ですが、日本アニメ界にとってはきわめて大きな意義を持った作品です。今となっては当たり前のようになっていますが、本作の前と後では、ロボットアニメの意味がまったく変わってしまった。それくらいの影響を後に及ぼしました。
何しろそれまでのロボットアニメは勧善懲悪がベースで、敵もだいたい1機でやってきて、主役ロボと一騎打ちというのがパターンだったわけですが、ガンダムでは、ロボットは戦争の道具となっており、戦争の中で兵器として使われる存在になっていきます。これがまず革命的でした。
あと、近接戦闘を理論化した点(ミノフスキー粒子の存在)、量産タイプのモビルスーツ(ザク、ジムなど)、終盤に登場する「ニュータイプ」の考え方など、後のロボットアニメでもよく使われるようになるモチーフがちりばめられていますが、これもガンダムなしでは考えられない世界でした。
加えて、安彦良和氏によるキャラクターデザイン、大河原邦男氏によるメカニックデザインも素晴らしかった。意外にも最初の放映時には人気がなく、若干打ち切りっぽくなってしまったのですが(子供には話が難しすぎた)、それでもこの作品を1年にわたって続けたことは大きな意味を持っています。
とにかく、アニメを語るなら見ないとダメなマスト作品です。