にゅまさんさんの評価レビュー

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再起に挑む逞しさ #RWBY #RWBY_JP

観賞手段:劇場
Vol.3結末でのビーコン陥落による心身共に各々大きな喪失と痛手、そして4人散り散りになってしまったチームRWBY。彼女達がそれぞれの立場の中で、新たなきっかけを掴んで立ち上がるドラマがそれぞれ並行してじっくりと描かれる再起劇。web上では英語+日本語字幕版が公開されているとは言え、自分の様にあえて初めては劇場で吹き替え版で味わおうと、あのVol.3劇場公開から待っていた者にとっては、いよいよ待望のVol.4である。
 そして再起はもちろんRWBYの4人だけではなく、準主役の元チームJNPRにとってもそうである。大切な仲間ピュラを失いながら、しかしだからこそ今は敵を追う事でしか前に進めない。その気持が一致したルビーと共に暫定ながら新チームRNJRとして旅に出る。Vol.4でのジョーン、ローラ、レンの描写は今までになく深く掘り下げられているのも注目である。
 ジョーンがピュラの残した戦闘訓練用教習ビデオを観ながら訓練を続けている、と言う話はネット上で聞いていたが、実際に見たその鍛錬の姿は想像を遥かに超える真摯さ必死さが有り、もうここだけでも漢泣きだ。
 妹系天真爛漫娘ノーラとそれに引きずられる不幸で寡黙な兄貴役レンの幼馴染コンビも、幼い頃に受けた大きな痛手を二人で寄り添って乗り越えてきた過去が描かれる。(なお、獲物が巨大ハンマー故にノーラはミニスカ女子ながら戦闘中は踏ん張る姿勢が多くてサービス気味なのだが、今回1度だけ恥じらうシーンがあって実にドキッとする。これは卑怯な可愛さ。)
 痛みの深さを知ったからこそ、もうそれを繰り返さないように鍛え続けてきた。そして今も鍛え続けている。その姿勢は他のキャラ達にとっても同じと描く事で、4箇所それぞれで進む話が1つの軸に収まって行く、実に味わい深い構成になっている。
 自分の身代わりに重症を負ったクロウおじさんを何とかチームで護りきった事で改めて友の大切さを再認識したルビー、じっくりと父親との鍛錬を重ねながらトラウマを克服するヤン、友を失う恐れから逃げるのを止め昔のホワイトファングを取り戻す決意をしたブレイク、シュニー家の庇護も立場も捨てて己の中にある正義に従い旅立ったワイス。それぞれの意志でミストラルのヘイヴンアカデミーを目指す。再会はVol.5へと持ち越しとなり、更にまた待ち遠しい。
 これだけ敗北からの再起を丁寧に描写した作品は、最近の国内作品では少なくなっていると思う。それを今回劇場公開版で140分程度だが、これでもオリジナル版では50分近いカットがあると聞く。ドラマを深く追求する姿勢が素晴らしく、見た目に日本作品の影響が深くとも日本作品の駄目なところまでは組み入れないのは正しい姿勢だ。
 これからもRWBYの動向には目が離せない。
にゅまさん
にゅまさん
ストーリー
5.0
作画
5.0
キャラクター
5.0
音楽
4.5
オリジナリティ
5.0
演出
5.0
声優
5.0
4.5
満足度 5.0
いいね(0) 2017-10-08 22:53:36

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