ニールさんの評価レビュー

誰もが一度は経験したであろう思春期の恋愛模様が描かれている作品。
初めての恋、将来に向けて進路選択、そんな"普通"の中学生の"目の前の事が世界の全て"だった頃のもどかしさの中で全力で目の前の事に向き合っていく、そんな主人公達を見ていると、今までどこかに忘れていた懐かしい感情を覚えた。
また、彼らより少しだけ大人になった視点から客観的に見ることで、たくさんの壁を精一杯少しずつ、でも確かに歩んでゆく小太郎をいつの間にか応援したくなるような魅力的な描写が今まで見たアニメとはまた違うものを感じる。
小太郎と茜それぞれの心情を表現したOPEDとここぞという場面で流れる挿入歌が、東山奈央さんの表現力と相まって、物語に深みと奥行きが生まれてそこから感じた胸の高鳴りに強く引き込まれた。
初々しさからくる心地良いむず痒さで疲れた心が少し豊かになるような作品。