新規カットは圧巻だが映画の尺は短すぎる
観賞手段:BD、劇場
事実上、TVアニメ「響け!ユーフォニアム」1期の総集編的な位置づけの「劇場版 響け!ユーフォニアム」です。
数多の総集編劇場アニメと比較すれば幾分マシな方です。
TVシリーズでは序盤で特に一貫していなかった部分が、カットの取捨選択や声優陣の新たな演技によって一つにまとまっているからです。
また、新規カットがとても贅沢で見応えがありました。
よく演奏シーンを追加する制作スケジュールがあったなあと・・・
しかし、TVシリーズは週に1回、全13話という形態だからこそ可能なプロットや演出があり、その映像をそのまま1本の映画に編集するというのはやはり無理があると言えるでしょう。
TVシリーズは序盤はゆっくりと時が流れ、コンクールが近づいて部活動が本格化するとあっという間に時間が過ぎていくというその差がまた面白かったのですが、映画はずっと駆け足な印象です。
そう考えると、本作のTVシリーズには欠いて良いエピソードはほとんどなかったのだと実感させられます。
挙げだしたらきりがないですが、響け!ユーフォニアムにとって重要なシーンがいくつも削られています。
加えて、残念なのは劇伴です。
BGMは問答無用でTVシリーズの方が良い。比較になりません。
良くも悪くもあるのは新規収録の音声です。
TV版と比べると垢抜けた感じがして、良くなっているシーンもあれば、TV版の方が良いと感じる演技も結構ありました。
サラウンドで演奏シーンが堪能できるのは映画のメリットです。
劇場版 響け!ユーフォニアムは、一本の映画としても総集編としてもイマイチな印象です。
それだけTVシリーズが、「ダイジェストでお送りする」のが難しい、価値のあるシーンが連続する作品だったことを実感させられます。
ただし、演奏シーンは新規カットによってTV版よりも見応えがありました。
総集編を作らなければならないのは、大人の事情なんだろうな・・・と察しておきます。
- ストーリー
- 3.5
- 作画
- 5.0
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 4.0
- オリジナリティ
- 4.5
- 演出
- 3.5
- 声優
- 4.0
- 歌
- 4.5
満足度
3.5
いいね(0)
2016-09-10 18:52:37