「トレマーズ!」ファン必見、上質B級パニック映画リスペクト
観賞手段:劇場
クレしん版「トレマーズ」と言っても差し支えないほど、B級パニック映画のあるあるをきっちりと取り込んだ上で、更にクレしんらしさも十分楽しめる実にお得な作品。
①.寂れた街に、復興の兆しとなるアイテム出現。
②.大賑わいの最中に、そのアイテム起因の凶悪生物登場。
③.大パニック!逃げる人々が当座の隠れ家に集まる。
④.今後の方針巡り、生存者間で対立。犠牲より街の復興利権に固執する権力者。
役に立てない弱気な大男、口ばかりの色男など。主人公の傍にはパワフルな頼れる美女。
⑤.街脱出を図るが失敗、断たれる退路。必死に逃げる中で、生存者間にようやく生まれる連帯感。
⑥.絶体絶命の最中、予想外の事態から判明する凶悪生物の弱点。
⑦.巨大大繁殖化した敵を倒す作戦を立てるが、実践するには高いリスク。遂に役立たずだった奴らが一念発起し、危険な囮役を引き受ける。
⑧.囮役の決死の奮闘の最中作戦開始。ある程度美味く行くものの、敵の手数が多く行手を塞がれる。
⑨.危機の最中、それまで対立していた権力者が決死の突入で、主人公達の道を開く!
⑩.紙一重で作戦は成功し大団円。街の新たな復興を目指すEND。
どう見ても、典型的なB級異生物パニック映画の要素を余さず盛り込んでいる。
その上でのクレしんらしさとして、野原一家の日本生活とメキシコ生活の対比とか、引っ越しの際に駆け付ける懐かしいキャラ達、反発しつつも別れに駆け付ける風間君、そして家族の為に犠牲になるのを厭わないひろしと、そんな夫を叱り飛ばし終始家族一緒の姿勢を崩さないみさえ。
また嫌われ役である町長も、皆が見捨てる寂しい町を復興させる為に、行き過ぎはあれども一生懸命な人物として、良心的な要素も伝わる演出をしていたり、町長の腰巾着的に登場したとぼけた顔の保安官も、早期退場したものの凄腕のガンマンとして見せ場があったり、ゲストのキャラ立ちも見事。
そしてメキシコでの幼稚園女教師カロリーナは園児を子供扱いせず、かつしんのすけの特異な振る舞いにも動じない、肝の据わった肉感的な美女として、パニック映画のヒロインの役割を見事に全うしていた。
またメキシコと言えばルチャリブレ。関節技ジャベはもちろん、タイガードライバーまで使われている。
細かいところまで色々と小ネタがちりばめられた、クレしん映画として実にバランスの良い良作であった。
なお、本作が園長先生としての納谷六郎氏の最後の出演である。
- ストーリー
- 4.0
- 作画
- 4.0
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 4.0
- オリジナリティ
- 4.0
- 演出
- 4.5
- 声優
- 4.5
- 歌
- 4.5
満足度
4.0
いいね(1)
2015-05-02 15:43:54